おこんばんは。



皆様元気にLet'sDanceしてますかぁ?



最近は私の嫌いな寒い日が続いてもうっ!カンベンて感じ。




この不況なんとかなんないのぉ?



まあ、そんなことはさておき、アツヤ君と春姫の仲が大変なことになっているようですよ。











『23.     路地裏クリスマス・キャロル』    ⑥





家に帰ると大変なことになっていた。



あちらこちらにカップやお皿の破片が散乱し、足の踏み場もないくらいだった。



「なんだこりゃ…春姫」


俺はそれらを避けながら部屋を進んだ。



こんなことをするのは春姫か空き巣しかいない。


しかし、空き巣だったら間違いなく春姫に追い払われているはずなので、春姫しか犯人はいない。



「春姫。どこ?」


何度も言うが、俺には霊感というものはない。


なので、春姫のほうから姿を見せてくれないと俺からは見つけることができない。



だが、今回は春姫が姿を現すことを拒否しているようだ。


やはりあの時、春姫を傷つけてしまったからなのだろう。



「春姫」


何度名前を呼んでも春姫は出てきてくれない。


でも、春姫は俺がこの部屋にいる以上、ここから出ることはできないので俺と同じ空間にいる。


いやでも俺の声も聞こえるはずなので、俺は春姫がこの部屋にいることを前提にして、話すことにした。



「春姫。ごめんな。春姫がなんでこんなことをしたのか、なんでずっと姿を見せてくれないのか分かったよ。怒ってるんだろ?あの時のことを。あの時春姫は俺のことを考えて言ってくれたのに、俺は春姫にひどいことを言ったよな。ごめんな」



俺はそう言いながら、いつ春姫が出てきてくれるかどきどきしていた。


と、同時に冷や冷やしていたのも事実だった。



でも、ここまで言ったので続けることにした。


「本当に悪いと思ってるんだ。だから姿を見せてくれないか?春姫の思ってること、言いたいことを言って欲しいんだ。隠さないで…」


それでも、何の変化もなかった。



もしかして、成仏してしまったのかと一瞬思っていたとき、近くにあったペンが微かに動いていることに気がついた。



そのペンは書くジェスチャーをしていたので、俺は急いで紙を用意した。


紙を用意すると、ペンは文字を書いた。



“わしはおこってなどおらぬ”



正直きれいとは言えないが、そう読めた。



続ける。



“わしはだめじゃな”


俺はペンに合わせて紙を足していく。



“きっと、わしはみほにしっとしておるんじゃ。おぬしにあわせるかおがない”



「なんでだよ」



俺は答えた。



“ひとを、みほをうらんでしまった”



その文字を見た途端ゾクッとしてしまった。


が、それと同時にペンの動きが止まった。


きっと、俺の一瞬でも感じた感情を読み取ってしまったのだろう。



春姫は迷っている。


この続きを伝えるべきか、どうか。



「続けてくれ」



俺は静かに春姫に言った。


ペンは再び動き出した。



“わかっておる。そのこういがおぬしをうらぎることになることくらい。だからだまっていた。ときがたてばこのきもちはうすれていくとおもって。でも、だめじゃった”



春姫の姿が見えないことが怖さを煽った。


でも、そんな感情を出していけないと必死に堪えた。



“みほもおぬしをすいておる。こうなることをのぞんだもはわしじゃ。ほんとうならばよろこぶところなのにわしは”



と、ここまで書いてまたペンは止まった。



そして、今まで隠れていた春姫が姿を現した。



でも、怖くなかった。



だって、その姿はやはり普通の泣いている女の子だったからだ。



そう。俺が春姫と初めて会ったときと同じだった。



「なんだ?春姫寂しかったのか?」


俺は自分から春姫に近づいて言った。


『?わしが怖くないのか?美保を恨んでしまったわしが』


春姫は予想に反して俺が怖がっていないことを不思議に思ったらしい。



「ああ。怖くない。だって、春姫、これはな嫉妬ってやつだよ。恨むなんてたいそうなもんじゃない」


『嫉妬?』


「春姫~そうか。嫉妬してくれたのか」



俺は嬉しかった。



春姫は普段あまり自分の感情を出さない。


だかた俺は少し、不安に思っていた部分があった。


春姫は一体どう思っているのだろうと。



春姫はきっと優しく接するはずだ。



それが俺じゃなくても同じだろう。


春姫にとって俺はどういう存在なのか知りたかった。



でも、こうして今嫉妬してくれているということは、少なからず俺の事を好きだということだ。


それが分かっただけでも嬉しかった。



『アツヤ。嫉妬とはなんだ?お主に迷惑がかかることなのだろう?』


春姫は心配そうに聞く。


俺の心を読めばすぐに分かるのに、きっと、今はそんな余裕すらないのだろう。



「嫉妬っていうのは、自分が好きな人が他の人と一緒にいることを良く思わない感情のことさ。極端な話、その人を独り占めしたい、他の人のことを考えることも我慢できないって思うことかな?」



俺は春姫に説明しながら、今日は春姫よりも優位に立ったような気分になった。


次の春姫の言葉が早く聞きたかった。



きっと、図星だから照れるに決まっている。



春姫の慌てた姿を早く見たかった。



『わしはお主に対して、そこまで思ったことはないぞ』


「え?!」



一瞬止まってしまった。


空耳かと思ってしまった。



今、俺は世界一ハチが豆鉄砲を食らった顔が似合うはずだ。


『確かに、お主の事は大切に思っておるが、その感情は好きとか、独り占めしたいというのとは違う気がするぞ』


「ああ…まあ、そうなのかも」



なぜか春姫の言葉には変な説得力があり、俺は納得してしまった。




だが、悔しいので春姫が嫉妬したことは事実だと思うことにした。








はい。




この章はここで終わりです。



またもや、春姫の意外な一面が見れたんじゃないですか?



良かったですね。



次回は春姫と過ごす大晦日をお送りします。





それでは次の章で会いましょう。



バイバInBan。