さぁ。今宵もLet'sdancewithME?InBanです。
なんか、最近気温も私の心も寒くなってまいりましたね。
え?アナタはいつもでしょう?
はいはいはいはい。。。。。。。。
それでもアツ②のあの二人の話を書くとするか。
願いはいつか、叶うと信じて。
『23. 路地裏クリスマス・キャロル』 ⑥
もうすっかり夜になった街は寒そうに窓ガラスを曇らせていた。
店内は少しだけ空席が見えるが、ほぼ満席に近かった。
「アツヤ君…あの、さっきの再婚の話なんだけど」
「え?なに?」
隼人さんが完全に厨房に戻るのを確認してから美保ちゃんは話した。
「私、実は、綾に説得されて了解したところもあるの」
美保ちゃんはさっき話さなかったことを話してくれた。
「そうだったんだ」
「今だから言えることなんだけど、私一回綾を傷つけてしまって…」
美保ちゃんは少し俯いて話した。
俺も持っていたグラスをテーブルの上に置いて完全に話しを聞く体勢に入った。
「私の父は病気で亡くなったんだけど、最後までお母さんを好きだったの。お母さんだってそうよ。でも、そんなお母さんが他の人と再婚するなんて裏切りとしか思わなかった」
美保ちゃんは最後の方は少し感情的に語尾を強めた。
「でもね、そんな時綾は言ってくれたの。相手を好きになることは裏切ることじゃないって。結婚は自分のためかもしれないけど、再婚は自分と私のためだって」
あの綾ちゃんがそんなことを言うなんて意外だった。
「私の為に言ってくれたことなのに、私は綾に私の気持ちなんて分かりっこないって言ってしまったの」
今後は悔しそうに唇を噛んだ。
「でも、言ってから気付いた。私の為に言ってくれたことだって」
俺は何も言えなかった。
その時の美保ちゃんは今の俺と似ている。
俺は美保ちゃんの話を聞いて初めて気付いたあたり、鈍感すぎて恥ずかしくなる。
美保ちゃんの言ったことは俺が春姫にしたことと同じだった。
俺は春姫の優しさが当たり前のようになっていた。
ありがたく感じなくなってしまったのかもしれない。
「それで、どうしたの?美保ちゃんは」
俺は何とか声を振り絞り質問をした。
「素直に謝ったわ。だって私が悪かったんだもの。綾は笑って気にしないって言ってくれた」
「…そう。よかったね」
せっかく美保ちゃんが大切な話をしてくれているのに俺はその言葉しか思い付かなかった。
「どうしたの?アツヤ君」
俺が黙ってしまったことに気がついた美保ちゃんが聞いた。
「何かあるなら話してね」
優しく美保ちゃんが言うので、俺は思い切って話すことにした。
「実は、俺も思い当たることがあって」
「そうなの?どんなこと?」
春姫のことを話すわけにはいかないので、少し遠回りに話すことにした。
「もしも、俺のことをすごく考えてくれている人にほっといてくれ!って言ったらその人どう思うかな?」
「え?」
遠まわしに言ったはずがかなり的を射た発言になってしまった。
「それは、アツヤ君のお姉さんのこと?」
「う…うん。そう」
「私も同じようなこと言ったから偉そうなこと言えないけど、やっぱり今だから分かるわ。アツヤ君のことを思っていったことに対して、突き放すことを言われたら悲しいわ」
春姫のことが頭に浮かんだ。
あのときから春姫は俺に話しかけなかったし、姿も現さなかった。
「でも、私も素直に謝ったし、アツヤ君も姉弟なんだから大丈夫よ」
美保ちゃんはそう言って笑った。
確かに、本当にハルカだったら何の心配も要らない。
むしろ、俺がそんなことを言ったら逆に殴られそうだ。
でも、相手はハルカじゃない。
俺と春姫の関係は説明できるものではないのだ。
「そうだね。そうるすよ、ありがとう」
俺は当たり障りのない答えを美保ちゃんに返した。
「アツヤ君はお姉さんと仲良いんだから」
美保ちゃんは俺の好きな笑顔で笑った。
あっという間にラストオーダーの時間になり、俺たちは店を後にした。
「ごちそうさまでした」
出口まで見送ってくれた隼人さんに挨拶をすると、帰りは仲良く手をつないで帰った。
「今日はありがとう。嬉しかったわ。プレゼント大切にするね」
美保ちゃんは俺を見上げて言った。
「ううん。こちらこそ。隼人さんも念願叶って喜んでたし」
そして、会話は切れ、どちらからともなく俺たちはキスをした。
「私初めて男の人とクリスマス過ごしたわ」
「俺だってそうだよ」
と、言ってからお互い照れた。
俺は美保ちゃんを最寄の駅まで送り、そのまま自宅に帰った。
春姫のことが心配だった。
足取りは重かった。
正直春姫に会うのが少し怖かった。
はい。
今日はここまでです。
気になりますね。
春姫悪霊になってたりして…
それでは次の章で会いましょう。
バイバInBan。