いきなりSuper 88 (「スーパーエイティーエイト」と読む)とか言ってもほとんどの方はなんのことかおわかりにならないと思いますが、BUキャンパスを貫く大通りCommonwealth Avenueを西に少し行ったところにある大きな中国系スーパー(他にも店舗はあるようだが)で、充実したフードコート(日本のラーメン屋もあり)と相まって、アジア系のBU学生およびその家族の間で絶大な支持を受ける存在となっていたのでした。


しかしながら、このSuper 88が最近目に見えて在庫を減らしており、建物がボロイから大改装するんだとか、いやそうじゃなくてもう閉店するんだとか、はたまた川向うのCambridgeに移転するんだとか、さまざまな憶測が乱れ飛んでいました。

で、今日中国筋から聞いたところによれば、Super 88は経営難に陥っており、Chapter 11(日本でいう民事再生みたいなもの)の申請を準備している、再建のシナリオはすでに出来ていて、中南米資本が引きついで中南米系のスーパーに衣替えすることになっている、それが証拠に最近中南米系の従業員が増えてきた(以前はSuper 88は英語のしゃべれない中国人従業員ばかりで有名だった)、というのです。


半信半疑でサーチしてみると、倒産の話は見かけませんでしたが、注目すべき情報を見つけました。

6月27日付のこの記事 によると、Super 88は時間外割増賃金不払い(いわゆるサービス残業ですね)のカドで行政の追及を受け、従業員と州政府に対して$200,000を支払うことになった、とされています。

なるほど、そういうことであれば、先ほどの倒産説とつじつまが合ってきます。

うむむ、無くなる前にフードコートを制覇しておかなくては!

月曜日に注文して(月曜日にしか注文できない)、翌日の夕方に来ました。
実は、最初に電話した時点では、既存のお客さん優先ということでいったんウェイティングリストに載せられたのですが、神様が毎日分厚い本に埋もれている子羊たちをふびんに思ってくださったのか(あるいはこいつらには栄養が必要と思われたのか)、無事注文できました。


肝心の味ですが、おいしいです!
自然な豆の味がして、日本のスーパーで安売りされているやつよりも、「納豆」という感じがします。
タレがついてないのが残念ですが、めんつゆをたらせばOK(めんつゆはアジア系のスーパーでわりと簡単に手に入る)です。
1個あたりの量はかなり多く、ひとりで一回では食べ切れない感じです。
ネダンは、送料込みで1個あたり約$2.50といったところです。


ちなみに、学食のビルでNBL会員にブツを配布していたところ、好奇心の前に敷居の低いアメリカ人学生たちが寄ってきて、「これはなんだ?」と聞かれました。
説明しようとしたんですが、難しいんですよねぇ。「甘いのか?辛いのか?」と聞かれても、さぁ、どっちなんだろう?チーズみたいなもんだ、と言えばよかったかも。
あと、"fermented"(発酵)というつもりで、"fortified"(ワインにブランデーを加えたりしてアルコール分を高めること)と言ってしまいました。このふたつの単語、お酒の話をすることが多いので私の中では頻出英単語なんですが(笑)、いつもどっちがどっちだかわかんなくなるんですよねぇ。

今年3月のリリースとちょっと古いのですが、出国前にいくつか買った日本のCDの中で気がつけばこれを聴いているという一枚があるので、ご紹介させてください。


その一枚とは、Fantastic Plastic Machine"Sound Concierge JAPAN"(avex trax/AVCD23586)邦楽の佳作を集めてリミックスしたもので、ジャンルとしてはハウスなんでしょうが、アゲアゲ(死語?)でありきたりのハウスとは一線も二線も画するものとなっています。

このアルバムでFPMの提供する世界観には、まったくドギモを抜かれます。リスナーは、たとえばCORNELIUSではグレゴリオ聖歌のポリフォニーを、PIZZICATO FIVEでは乾いた東京の空気を感じることでしょう。

個人的には、かねてからそのミニマルなサウンドがテクノそのものであると思っていたくるりを、少しの違和感もないどころか原曲以上にアーティストの魅力を引き出すように料理してくれており、にんまりさせられました。

このアルバムを聴きながら外苑東通りあたりをドライブしたら、さぞかし気持ちよいだろうなぁ。


このほか、Chara、椎名林檎、スカパラ、Every Little Thingなど、アルバムを通して聴きどころが目白押しです(ちょっと30代向け?)。

また、特筆すべきはその音質で、ミックスCDにありがちな高低音を強調するものではなく、ごく上品な仕上がりになっています。ちょっと音のいいオーディオで、音量をあげて聴いていただきたくと、最高だと思います。

ひょんなことからというか、行きがかり上、ボストン大学ロー納豆同好会なるものの発起人となってしまいました。

発起人権限で、略称は”NBL””N”atto loving “B”oston university “L”aw students)と名づけました。

本会の目的は、日本の誇る食文化である納豆を世界(特にグリーンライン沿線)に広めるとともに、地元MA産の納豆を共同購入(まとまった数でないと注文できないらしい)することにあります。

共同購入は未確認情報なので企画だおれに終わるかもしれませんが、先日本会の趣旨に従って韓国人C君に日本料理店でイカ納豆を食わせてみたところ、「う~~~ん、これは面妖な食いものだ。。。」と悶絶していました(笑)。

新学期を迎え、学生は最初の戦い、教科書争奪戦を勝ち抜かなければなりません。
BUローでは、最初の2週間がDrop/Add期間、すなわち仮に組んだ時間割に授業を加えたり削ったりできる猶予期間となっています。これが終わるまで、登録する科目も必要な教科書も確定しないわけですが、その間も授業は進むし、例のソクラテスメソッドであてられたりすることもあるので、できるだけ早く教科書を入手することが必須となります。
まぁ、中には、「登録するまでは教科書は買わない。あてられたらその時はその時。」という豪胆な方もいらっしゃるようですが、私はとてもそんな度胸はないし、いちおう返品もできるので、そそくさと書店に走りました。


さて、教科書購入については、指定の教科書が判明したその日の夕方に書店に行ったのにタッチの差で売り切れ1週間近く待たされた、というサマースクールの苦い経験がありますので、今回は用意周到にリストを作成し、オリエンテーションが終わったその足で書店に向かいました。
それなのにというか、案の定というか、目的の棚(科目ごとに山積みされている)の多くは空っぽ。初日は半分くらいしか入手できませんでした。
しかし、この日購入した本の中には、最後の一冊というものもあったので、やはりできるだけ早く動くという判断は正しかったのです!


この時点で取りうる選択肢はふたつ。書店で注文するか、アマゾンで注文するか。書店でいあわせたクラスメートと情報交換すると、「アマゾンは在庫あったよ。」とのこと。おおいに悩みますが、サマースクールの時にアマゾンで注文して発送予定日を過ぎてもなかなか来なかったクラスメートのことを思い出して、書店で注文を入れつつ、足しげく通うことにします。
ここでは、「足しげく通う」というところがポイントでして、なぜかといいますと、注文入荷の連絡がなくても書棚に並んでたりすることがあるので、ゆめゆめ油断ならないのであります。


で、その後連日書店に通い、クラスメートからの「この本、例の科目の棚にはなくって別のとこにあったよ。」という超重要情報に助けられたりなどもして、秋学期の科目についてはどうにかひととおり入手しました。

いかん、達成感にひたってる場合じゃない、読まなくては!

今週から契約法の授業に出て"Why?"の洪水に圧倒されていますが、藁にもすがる思いで、アメリカ法ベーシックスのシリーズの中でも一番広く読まれていると思われる「アメリカ契約法」(樋口範雄/弘文堂)をいまさらながらですが読みました。


この本は、90年代以降に日本で法学教育を受けた方にわかる表現で言うとすれば、アメリカ法版の内田民法ですね(実際に著者と内田教授との親交を感じさせる記述もあります)。アメリカ契約法の超基本的なポイントについて、アメリカのロースクールのスタイルでまず判例を紹介し、そこからルールを導き出し、しかも日本法との対比もしてくれているという、なんともありがたい本です。


個々のルールの解説は経済的見地からその合理性を説くものが多く、この分野における法と経済学の興盛を感じさせますが、著者の識見はアメリカ社会の文化的な考察にも及んでおり(第12章の「未成年者の契約」など)、単純に読み物としてもおもしろいです。
また、損害賠償の中身についての整理などは、実務的にもたいへん有益ではないかと思います(私は目からウロコでした)。


平易簡明を追求したせいか判例の事実関係がわかりにくいところも少しありましたが、いたしかたのないところでしょう(興味があれば調べればよいことですし)。
契約法をとるLLM生には必読の書と言っても、過言ではありますまい。

8月もそろそろ終わりに近づき、そよぎゆく風に秋の気配を感じる今日この頃ですが、今日入らなくてはいちども入らなかったことになる!というわけで、自宅のプールに初めて入りました(あ、プールはこのへんの大きな集合住宅ならたいてい付いており、うちが特別というわけではないので、念のため)。


ここは小さいのですが水深はけっこう深く、子どもが遊ぶには適していません。が、浮き輪がOKな年齢であれば、なんとかなります。

サマースクールと秋学期の間の短い休みは、体調が思わしくなかったこともあって遠出まどまったくしないまま終わってしまいました。そんなわけでプールも行ってなかったのですが、今日は小一時間ほどながら水浴びを楽しみました。


明日から、秋学期が始まります。

自宅ではRCNというケーブルテレビの回線でインターネット接続(今のところ有線)しているのですが、ずいぶん遅い気がするので、日本のYahoo! BBのウェブサイトにあるADSL Speed Checker というサービスを使って速度を調べてみました。

その結果、昼間で約300KBPS!

うぬぬ。遅く感じるわけだ。たしか大昔、ISDNがそのくらいだったような。。。

先ほど深夜3時(なぜか)に測り直してみたら、下りは1200KBPSぐらい出てましたが、上りはあいかわらず300KBPS強。

これでも使えないことはないですが、日本でを経験した後では、ストレスを感じさせるに十分な遅さです。

ちなみに、今日日曜の昼間のBUの図書館で無線でやってみたら、約2000KBPS

こっちのほうが速いけど、それでも2MBSですからねぇ。。。そのうえ、学校の無線はすぐタイムアウトになってログインし直さなきゃいけなくなるのでわずらわしいとか、ログインはできてるのに原因不明でつながらないこともあるとかいう問題もあります。

あ、ちなみにBUことボストン大学を訪問される方、学内のインターネット接続手順は有線・無線ともけっこう面倒で、いきなりはつながらないのでご注意ください。たしかビジター用の一時的なアカウントも頼めば作成してくれるようなことをどこかに書いてあったと思いますが。

気がつけば、終わってました。

サマースクールが本コースになってからの6週間、ひとことで言うと、寒かった。。。

これには気温が、という意味と、私の実力が、という意味の両方があるのですが、後者については、6週間の本コースになってからほとんどブログの更新どころではなくなっていた事実からお察しいただくとして、前者については、この夏のボストンは異常気象らしく、雨で肌寒い日が続いたのにもかかわらず、建物の中は容赦なく冷房が効いているので、結果として長そで2枚着てもまだ寒いようなありさまで授業を受けることになっていたのでした。


しかしまぁ、なんとか終わりました。

CELOPことBUのサマースクールの本コースの授業は、①ライティングスキル、②オーラルスキル、そして③ロースクールスキルの3つに分かれ、①と②は英語の先生が、③は法律家が担当していました。個人的には③の授業が、判例のまとめ方といったようなロースクールでサバイバルするためのテクニックにとどまらず、判例の根底にあるアメリカ法の考え方といったようなことまで語学力とアメリカ法の知識の二重苦をかかえるわれわれにもわかるよう解説してくれたので、一番楽しく感じました。


しかし、サマースクールで印象に残ったのは、3回の裁判所訪問でした。

最初に行ったのは、湾岸エリアにあるモダンなビルの連邦裁判所で、ここは連邦政府の施設だけあって警備が非常に厳重でした。傍聴人は、パソコン、電子辞書、携帯電話など電子機器は一切持込み不可で、受付で預けることになります。

この日はあいにく予定されていた審理が中止になり、実際の裁判を見学することはできなかったのですが、その分判事と(法廷で)たっぷり質疑応答できました。この判事は話好きらしく、実にさまざまな話題に話が及んだのですが、陪審制度は民主主義そのものである、と力強くかつほこらしげに言っていたのが、印象的でした。

質疑応答の後は、法廷の裏側にある陪審員の控室、判事やロークラークの執務室などを、判事直々の案内で見学して回ったのですが、モダンなビルだけあって設備が非常にきれいでかつ充実しており、写真が撮れないのがきわめて残念でした。


2回目に行ったのは、ボストンの中心部にある州の下級裁判所で、ここは建物の老朽化が目立ちました。

ここでは、幸いにも刑事事件(銃の不法所持)の証人尋問と最終弁論、そして裁判官の陪審員への説示を見学することができました。検察官と弁護士は、証人尋問では「異議あり!」を連発し、最終弁論では法廷を歩き回ってボディーアクションを交えながら陪審員に語りかけと、まさにテレビなどで見たままの迫力のやり取りでした。

われわれの訪問は裁判官にはアポなしだったようなのですが、にもかかわらず審理の合間のわずかな時間に傍聴席のわれわれのところへ寄って来ていただき、話を聞くことができました。


3回目に行ったのは、州の最高裁判所で、ここは先ほどの下級裁判所のとなりにある古い建物なのですが、内部は完全に手が加えられており、建造物としてたいへん美しい状態でした。ここはジョン・アダムスの展示などもあり、観光スポットとしてもおすすめです。

この日は、ある民事(行政?)事件の口頭弁論で、ある行政の建物が古く内部の環境がひどいので職員が使用差止を求めた、というような事件でした。

審理の開始前に、準備もあるだろうに、親切そうな弁護士が、今日はどんな事件でどんな手続なんだ、ということを簡単に解説してくれました。

やがて、老判事が入廷し、審理が始まりました。この老判事は相当の年齢で、話が聞き取りにくくてちょっと困ったなと思っていたのですが、ひととおり双方の主張を聞いた後に、やおら質問を始めました。

「ところで、原告代理人はこの建物に行ったことがあるかね?

いいえ。

「被告代理人はどうかね?」

「私も行ったことはありません。

「私はロースクールでも教えておるが、いつも学生に百聞は一見にしかず、真理探求の手間を惜しんではならないと言っておる。この法廷で諸君から話を聞くよりも、下に私のクルマが止めてあるから、実際に行ってこの目で見てみようじゃないか。

ふたりの弁護士も、そして傍聴席のわれわれも、一同あぜんです。

さらに老判事は、法廷の檀上から(注:まだ審理は終わってない)傍聴席のわれわれに向かって、

「ようこそ、BUの学生諸君。本を読むだけではなく現場を見るのは非常によいことだ。いつでも見学に来るがよい。」というようなことを言って、ふたりの弁護士を連れて法廷を後にしてしまったのでした。

アメリカの裁判官は、すごいです。

ここ2週間ほど、勉強があいかわらず忙しいうえに、寮からアパートに引越して、インターネット接続を始めとして手続、作業の山に直面しており、ブログのほうはすっかりごぶさたしてしまいました。

私は元気にやってますのでご心配なく。


寮からの引越のほうは、以前のタクシー騒動で懲りたので、みんな忙しい中申しわけないとは思ったのですが同級生に手伝ってもらいました。

同時に、日本から船便で送った荷物がボストンに到着したという連絡を引越会社から受けたので、搬入してもらいました。こちらのほうは、数日前に確認のために電話したところアパートではなく寮の住所に届けるつもりだったことが判明する(この会社は、あいかわらず日本からの情報が伝わってない。ていうか、前回航空便を配達してもらった時にボストン側にも言ってあったのに、それも記録されてない)など、不安要素でいっぱいでしたが、どうにか無事終わりました。

船便45箱を並べると、こんな感じです(奥のテレビは除く)。

以外とたいしたことない気もしますが、ボストンの家は狭いので、荷物が少ないにこしたことはありません(と言いつつ、第2便でもう20箱ぐらい来るのですが)。


というわけで、その後荷ほどき、生活必需品の買い出しと東奔西走して、ようやく本日、妻と子どもの来る日をなんとか受け入れられる状態で迎えることができました。

今から、空港に迎えに行ってきます。