ハゼ釣り仕掛けの自作(ミャク釣り仕掛けの改良) | T.Tの釣行記録

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趣味の釣りのブログです.主に船釣りの釣行記録を載せています.

ハゼ釣りの仕掛けについては,ミャク釣り仕掛け,天秤仕掛け,キス仕掛けを流用したものなどがあります.落ち着いた先を,記録として残しておきます.

 

船釣りの帰り,込み潮の時間帯であれば,紀の川に立ち寄ってハゼ釣りをしています.これまでに色々と試して見た結果,ハゼ釣りでは,次の傾向が見られました.

  • 軽い仕掛けの方が感度がよい.
  • 細い仕掛けの方が感度がよい(フロロ0.8号以下).
  • 天秤仕掛けは感度が悪い.ミャク釣りのほうが楽しめる.
  • 金属部品を多用すると仕掛けが絡みやすい.
  • 2本針の仕掛けは絡みやすい.
  • 1号以上の重たいオモリをチャッポンするとハゼが散る.岸からのハゼ釣りでは0.5号のオモリがちょうどよい.
  • 頻繁に竿を置く釣りなので,リールを使ったタックルの場合は取り扱いに気を遣う.あるいは,竿を置かなくても良いように工夫する.
  • 込み潮の時間帯であれば,足もとで釣れるので,延べ竿で充分である.遠投しなくても釣れる.

釣り仙人の塙実(はなわみのる)さんがお使いになっていた「塙式ハゼ仕掛け」が有名で,金具を使わない仕掛けとなっています.まず,この自作方法について整理しておきます.

※図をクリックすると大きな図が開きます.

 

最初に,幹糸に大きなチチワをエイトノットで作って,エダスの付け根からオモリまでの寸法を決めます.3cmぐらいです.そして,そのすぐ上に1cmの間をあけて2個目のエイトノットを作ります(幹糸2本でエイトノットを作り,端糸を切ります).これらの2個のエイトノットの間に,ハリスを箱掛けします.箱掛けについては,この記事の4枚目の図を参照してください.ハリスは事前に3cmの長さのチチワにしておきます(上図の手順3).最後に,最初の大きなチチワにオモリを箱掛けすれば完成です.エダスの取り替え方は,エダスの根元をハサミで切り,幹糸に残った古い糸をプライヤーで引っ張れば取り除けます.同じ位置に新しい針を箱掛けします.小さい糸くずゴミが発生しますが,必ず回収してください.ゴミの管理方法については後述します.

 

しかし,この仕掛けは真下に落とすボート向きの仕掛けのように思います.岸から軽くちょい投げして,オモリを着底させた状態で斜めに糸を張りながら当たりを取るような釣り方では,棚調整がやりにくい欠点があります.かといって,オモリを持ち上げてしまうと,テンションフォールで仕掛けが徐々に手前に寄ってきてしまいます..

 

1年前,改良型のハゼ仕掛けをいくつか紹介しましたが,この1年で少し変わりましたので,図を書き直しました.下図に3方式のハゼ仕掛けについて示します.



※図をクリックすると大きな図が開きます.

 

(a)は改良された塙式ハゼ仕掛けで,エダスの位置を自由に決めやすいように,チチワを使ったエダスの出し方に変更しています.仕掛けを交換しやすいように,クイックスナップとスイベルで道糸と仕掛けを接続しています.スナップとスイベルの金属部品は軽量なものを使ってください.感度が悪くなったり,中オモリとなって仕掛けが弛んでしまう原因となります.この仕掛けは,オリジナルの塙式と同様に棚調整はできません.
一方,(b)と(c)は,エダスの位置を自由に上下させて棚の調整ができるようにした仕掛けです.速攻で針交換も行えます.仕掛けの全長は50cmぐらいとしています.(b)はカワハギ用のフックビーズをウキ止めゴムで挟んであり,(c)はハリス止めサルカンを挟んでいます.これ以外の大きな違いはありませんが,(b)の仕掛けでは,すっぽ抜け防止のエイトノットの結びコブが必ず必要です.0.4~0.6号のフロロカーボンラインがきっちりと止まるフックビーズが見つかっていないためです.(c)の仕掛けでは,きっちりと細い糸が止められるハリス止めサルカンを使えば,エイトノットの結びコブは不要で,手返しが良くなります.現在は(c)の仕掛けに落ち着きました.なお,(b)も捨てがたく,回転性能が良く,ハリスを止めるときに切れにくいというメリットがあるので,並行して使っています.

 

ハリス止めに糸付き針を止めるときの注意点についてです.各メーカーの糸付き針を見ると,長めの30〜45cmの糸(ハリス)が付いて売られていますが,これを切ってしまわないで現場に持って行くことが重要です.針交換の際は,長いハリスのままハリス止めの穴に糸を通して,目的の長さ(3cmが基本)で折り返して,2本の糸を軽く引っ張って固定します.強く引っ張り過ぎると切れることがあるので注意してください.止まったかなと思ったら,針側の糸を引っ張って抜けないことを確認します.そのあと,不要な端糸を切ります.始めに糸を切ってから止めようとすると作業しづらいので,下図の手順がお勧めです.

※図をクリックすると大きな図が開きます

 

仕掛けの上下のサルカンとスナップ

 

仕掛けの上側には12号~16号の軽量なサルカンを,仕掛けの下側には10号の小型スナップ付きサルカンを使っています.特に,下側の金具(オモリ用のスナップ)はできるだけ小さい方がいいです.針と絡みにくくなります.上側のサルカンは何でもいいですが,やはり軽い方が良いです.サルカンが中オモリ状態になって道糸が弛んでしまうことを防ぐためです.

 

ハリス止め

 

写真左の「がまかつ  大穴ハリス止 SS」は秀逸です.0.4号のハリスでもしっかりと止まります.ハリスに結びコブを作っておく必要はありません.お勧めです.欠点は,セットするときに力の加減を間違うとハリスが切れやすいことです.軽く止めても(糸がフチまで入っていなくても)抜けることはありません.写真右のカワハギ用のハリス止めは,フロロ0.4号を止めるとズルズルで,1号でも滑って抜けてくるので,必ず,すっぽ抜け防止の結びコブが必要です.結びコブさえ作っておけばトラブルなしです.

 

ウキ止めゴム

 

写真左の「SINWA へら専科 うき止めゴム(テーパー付き) 小0.8~1.2号」が幹糸0.8号には最適です.10個入りの「SINWA HERA テーパー付きWストッパー 小0.8〜1.2号(写真なし)」は同じ商品だと思うのですが軽微な差ですが若干緩めのように感じます(個体差かもしれません).写真右の「ヤマシタ カラーウキ止めゴム S」も使えますが,カラーゴム側の方がゆるいので(幹糸0.8号の場合),必ず,カラーゴムを上側(竿側),黒色ゴムを下側(オモリ側)に付けてください.

 

道糸と仕掛けの幹糸

 

硬いラインの方が絡みにくくてお勧めです.また,細い方が風になびきにくいです.これらのことから,定番のグランドマックス(赤)と,トヨフロンスーパーLハードを使っています.道糸の太さはmax 1号です.仕掛けの幹糸の太さは0.8号がメインです.よくわからない場合は,道糸と仕掛けの幹糸はどちらもフロロ0.8号にしておけば間違いないです.

 

道糸のスナップ

 

道糸の先に取り付けるスナップとしては,ルアー用のクイックスナップを使っています.0~1号ぐらいで充分です.スナップ付きスイベル(写真左)よりも,クイックスナップのほうが軽量(約50〜78mg)ですし,虫ヘッドなどのジグ単の仕掛けを直接取り付けることもできます.

 

針について

 

針は吸い込みのいい袖針一択ですが,飲まれやすいです.針のカエシをプライヤーで潰してバーブレスにすると針を外しやすくなりますが,バラしも増えます.針の大きさは小さいほどいいですが,最小は2号,最大は4号だと思います.3号を中心に使っています.店頭で買う場合は4号のがまかつの針を買っていますが,最近,入り数が減ってしまって割高になってしまいました.Amazonで何かのついでに買う場合は,写真左のオーナーばりの赤袖2号〜3号(税込148円)がいいと思います.コスパが高く,フッキング率が高い針です.写真右のハゼ針もたまに使います.餌取りの魚が多いときは,100%針を飲まれるので,そんな状況の時間帯は軸の長いハゼ針に替えて,飲まれた針を外しやすくしています.もちろん,当たりは小さくなりますが,仕方がありません.ハゼ針の小針についてはささめ針から発売されています(4号針0.8号ハリス,5号針0.8号ハリス).ハリスの太さは0.6号が基本です.1号以上は感度が落ちます.

 

オモリについて

 

岸からのハゼ釣りでは,流れは緩やかなので0.5号があれば充分です.1号も念のため持参すると安心です.サルカンのない塙仕掛けでは,写真の左側のサルカン付きオモリ(写真左)を使うと,糸ヨレが軽減できます.気休め程度ですが..

 

ロッドについて

 

ロッドについては,何を使っても釣れます.自分は,昨年から夏季に琵琶湖周辺の河川で小鮎釣りをしていますので,その延べ竿を流用しています.宇崎日新ロイヤルステージ 鼓 朱の3.4mと4.5mの2本を持っていますが,ハゼ釣りで使うのは4.5mの方です.それ以前は2mのアジングロッドを使っていましたが,キャストの釣りとなるため,根掛かりの危険性が高かったです.延べ竿のように長さのある竿ですと,0.5号のオモリを静かに着水させることができます.ハゼが散りません.

重たいですが,4~5mの磯竿に敢えてリールを取り付けずに延べ竿のように使用してもいいと思います.

 

仕掛けの保管

 

作った仕掛けについては,写真左のような市販の仕掛け巻きに巻くか、写真右のように軽く丸めて100均の保存袋に入れるかのどちらかで保管しています。金属部品のない(a)の仕掛けは絡みにくいので100均袋の方が向いていると思います.

 

釣り餌について

 

釣場の近くの釣具店で,イシゴカイ500円パックの半量を300円で売ってもらってエサとしています.親子2人で2~3時間楽しむのにちょうどよい分量です.ハサミで1~2cmに切ってちょん掛けしています.エサがなくなったら,潔くあきらめて撤収です.なお,アオイソメ(細め)やボイルホタテでも釣れます.アオイソメの場合は,硬い頭部分を落としてから使います.ボイルホタテの場合は,針先をホタテに何度か擦りつけて貝柱の繊維をちょん掛けするような感じにしています.ただし,イシゴカイが一番喰いがいいような気がします.よく動いくれてアピールが強いからだと思います.動かなくなってくると,新しい餌に付け替えると再び釣れるようになります.


ゴミの管理方法について

 

フロロ0.4~0.8号のような軽くて細い糸の切れ端のゴミは,養生テープにくっつけて,タックルボックスやクーラーボックスなどに貼り付けて管理しています.袋に入れたり,ケースに入れたりしている人がいますが,強風が吹くとあっという間に飛んでいきそうです.養生テープに糸くずを貼って,粘着で保管しておくと,まず散乱することはありません.糸くずゴミは絶対に岸に残して帰らないようにしましょう.

お互い様の精神で,先行者のゴミも拾うようにしましょう.どんなに気をつけていても,ミスでゴミを残して帰っていることがあるかもしれません.先行者のゴミを日頃から拾うことで,トータルでのゴミは減っていきます.先行者のゴミを拾わないと,各自がミスで出したゴミが増えていき,トータルのゴミの量が増加するように思っています..

 

虫ヘッドの可能性について

 

まだ試したことがありませんが,虫ヘッドにイシゴカイを付けても釣れるそうです.ただ,袖針1個に比べて,ジグヘッドは針とオモリが一体化していて質量が大きいので,ハゼの捕食の吸い込みでは移動しにくくフッキングさせにくいように思います.あと,針が大きい点も気になります.フッキング率は落ちるような気がします.しかし,針は呑まれにくいと思います.今後の釣行で検証してみる予定です.

 

追記:メタルバイブのルアーに下に,糸付き袖針を垂らして、イシゴカイやアオイソメを針に付けて釣るというハゼ釣りが紹介されていました(第166回放送,まもなく公式YouTubeにアップされると思います).メタルバイブが動くので,餌が目立ちそうですが,みゃく釣り仕掛けをキャストして引いてきても同じような気がしました.キャストして引いてくるときは底から少し浮かすためにオモリは0.3号(約1.1g)ぐらいが良いと思います.ハゼ+メタルバイブで「ハゼメタ」と呼ぶようです.以前,ハゼ+クランクベイトの「ハゼクラ」もありましたね..ハゼは,シンプルな餌釣りが一番安定しているように思います.

 

落ち着き先は人それぞれです.ハゼは喰いがいいのでどのような仕掛けでも釣れると思います.自由度が大きいです.仕掛けよりも手返しを良くすることに注力した方が良いのかもしれません..この記事が皆様のご参考になりましたら幸いです.