||Φ|(T|T|)|Φ||    監獄☆日記    ||Φ|(T|T|)|Φ|| -26ページ目

平成16年8月7日(土) 勾留89日目

 今日は8月1週の土曜日だ。

 仮に○○先生が補講をやったとしても、さすがに今週までになるのではないだろうか。

 


平成16年8月6日(金) 勾留88日目

 保険金詐欺と私と○君(中国人の本名)3人、非常に気楽だ。

 2人とも兇暴でないし、気心が知れているからだ。

 

 こんな狭い空間で、気の合わない人間と起居を共にするほど、苦しいことはない。

 例えば入学、入社、新しく始めたバイト、転職等、いろいろな場面で新しい人間関係になじむまでには、多くの労力と気遣いと、ストレスが要る。

 しかし「勾留」という事態は、まったくの別物だ。

 
 ついさっきまでは見ず知らずだった人間と、「よろしくお願いします」の一言だけで、共同生活を始める。
 しかもそれは、24時間中、1分たりとも逃れることのできない、食事も排便もゲップもおならも一切のプライバシーのない、極限まで密度の高い関係だ。
 そして狭い房の中で関わらなければならない人間が、自分と同じような境遇であるわけでもない。ヤクザもいればホームレスも、言葉の通じない外国人もいる。

 

 勾留という事態においては、究極のコミュニケーションスキルをもってしても、ストレスを感じないことはないだろう。

 

 

 【 大胆予測! 郵政のゆくえ2 】

 

 昨日の記事では、ちょっと勘違いをしていたようです・・・。

 

日本国憲法第59条2項
衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。

 

 そう、充足数は過半数ではなく、3分の2だったんですよね・・・。

 ということは、衆議院定数が480ですから、その3分の2ということになると、320以上の賛成が必要になるわけですから、前回の衆議院の賛成票233に造反議員票の51票を加えても284で、再可決にはほど遠い。

 

 ということは、私が昨日挙げた可能性の選択肢の中では、「6.郵政は参院で否決、衆院でも否決、総選挙」というのが、いちばん濃厚になるわけです。

 

 報道ステーションを見ていたら、古舘伊知郎は山崎拓氏へのインタビューの中で、「衆院解散に伴う政治的空白」に大分こだわっていたようですが、まあ平時においても4年に1度は総選挙があるわけで、これはもう国政における「必要経費」と考えるしかないんじゃないかと思います。

 

平成16年8月5日(木) 勾留87日目

 検事調べ。言わずと知れた、両手錠のままの長い待ち時間だ。

 検事に、「世の中っていうのは、常識というワクの中で動いているんだ」と、説教された。

 

 同行室に帰ると、小指が両方ない老人が座っていた。

 どちらからともなく話しかけ、話をした。

 63才だという。かつては某広域暴力団組員だったが、「やりたいことやって(本人談)」、破門されたのだそうだ。

 

 300万恐喝したところ、150万取ったところで警察に捕まった、と言っていた。

 「まっとうに生きるのが、一番」「若いころ好きなことをやりすぎると、年を取ってからみじめになる」と話してくれた。

 

 さっきはいなかった若い男もいた。架空請求だという。

 先輩の誘いで始めたのだが、2月にトバシ携帯を某所に買いに行った時点から、刑事に尾行されていたのだそうだ。

 「何回も電話切られてると、嫌になってきますね」と言っていたが、詐欺には違いない。

 詐欺は、10年未満の懲役だ。他人をだまして財物を交付させる行為は、反社会性も高く、厳しく罰せられる。彼は、高いツケを払うことになるだろう。

 

 夕方になり、やがて迎えのバスが来て、全員が乗り、出発した。

 最初に私の警察署に止まったとき、後ろを振り向いて老人に会釈すると、「まあまあ、体に気をつけて」と言ってくれた。

 

 

 【過去の過ちを振り返って】

 

 私はその後、偶然老人の裁判を傍聴することになる。

 検察官の冒頭陳述で明らかになった事実は、彼はいわゆる当たり屋で、ドアミラーにわざと腕を当て、骨折を装い、レントゲン代3万円を恐喝したところ、1万5千円を取ったところで通報され、御用となったというものであった。彼は私に、金額を100倍にしたホラを吹いていたわけだ。


 しかし彼の「みじめ」という言葉を聞いた私には、安易に彼をそしることはできない。

 彼自身の、老年になっても自分を認めることができない哀しさ(彼はみじめといったが、私はこの言葉が嫌いだ)は、もしかしたら事後、他人に下される刑よりも、苦しいものなのかもしれないからだ。

 

大胆予測! 郵政国会のゆくえ

郵政の行方と、総選挙のあるなしは、とりあえず4通り考えることができます。


1.郵政は参院で可決、総選挙はなし。

2.郵政は参院で可決、しかし、総選挙。

3.郵政は参院で否決、総選挙。

4.郵政は参院で否決、しかし総選挙はなし。


 参院可決に向けて連夜の反対派説得が続くという政局を受けて、3の「参院否決、総選挙」の可能性ばかりが報道されていますが、実は日本国憲法上、あと4つの選択肢が出現します。



日本国憲法第59条2項

衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。



 さきほど隠された選択肢があと4つあると書きましたが、それはこういうことです。


5.郵政は参院で否決、しかし衆院で再可決、総選挙なし。

6.郵政は参院で否決、衆院でも否決、総選挙。

7.郵政は参院で否決、しかし衆院で再可決、総選挙あり。

8.郵政は参院で否決、衆院でも否決、総選挙なし。


 私の予測では、採決では郵政族ステルス議員の多数は反対に回り、参院で郵政は否決されるでしょう。しかしそこで小泉首相は、「衆院再議決」を持ち出すと思われます。

 

 亀井氏の言うとおり、「参院で否決なら衆院を解散」は道理が通らないことですが、「衆院で否決なら衆院を解散」は道理にかなっていますから、これはがぜん真実味を帯びてきます。

 

 そして衆院での採決はわずか5票差だったのですから、小泉首相は解散を脅しではなく本気で宣言し、更なる組織の引き締めを図るでしょう。

 

 その結果、万が一衆議院でも否決されるようなことがあれば、「国民の信を問う」ということで、小泉首相は大義名分のもとに、躊躇なく衆院を解散するでしょう。


 以前自民党が下野していたときにこの衆院再可決については経験があり、その選択肢がある以上、別に参院での否決は大した脅威ではないはずなのに、小泉首相はこのことに対して言及せず、自民党執行部も一切表明していません。

 これは、実際に衆院再議決になった場合の事前説得工作に、インパクトを持たせるため(あるいは衆院反対派に造反工作の時間的猶予を与えないため)ではないでしょうか。


 よって、いちばん可能性が大きいのは5、次に6と私は考えていますが、皆様はいかがでしょうか。

  

 

 実は、私は高校3年生のときから一貫して、「財政投融資」には反対の立場を採っています。

 当時にも、「近い将来、財投は国政上の大きな問題になるだろうな」といった、漠然とした問題意識もありました。

 その後郵便局員が、私がハタチぐらいで郵貯の勧誘に来たのですが、「郵貯は財政投融資の財源になるし、私は財投に反対だから郵便局に口座を開きません」と言って、追い返したこともあります。

   

 なぜならば、私は大学入試で社会は「政治経済」を選択したのですが、担当の予備校の先生が、熱烈な財政投融資の反対論者だったからです。

 

 古い知識が今ごろ役立つとは・・・。

 人生って、わからないもんですね。。。


平成16年8月4日(水) 勾留86日目

 ジャクソンが移監になり、あわただしく出て行った。

 最後に私はジャクソンと、抱擁をした。

 何だか迷惑そうな顔をしていた。
 
 あとはいつもと完全に変わらない、退屈な日常だ。


 
【13階段  より】


 「改悛の情なんて、本当に他人が判断できるんですか? 罪を犯した人間が、心から反省しているかなんて、外から見て分かるものなんですか?」

 「過去の判例を見ると、判断基準はいろいろです」杉浦弁護士が、薄笑いを浮かべて言った。「法廷で流した涙とか、遺族への賠償金の多寡とか、拘置所内に仏壇を作って毎日拝んでいるとか」

 「殺されてから拝まれたって、被害者は浮かばれないでしょう。それに、そんなことで判断されるんだったら、金持ちの涙もろい人間が有利なんじゃないですか」

 

平成16年8月3日(火) 勾留85日目

 イギリス人が、ちんたらちんたら洗面しているので、いつまで経っても終わらない。

 私が「Everybody waiting for you , Hurry up !(みんなあんたを待ってるんだ、急げ)」とせかしたら、「Be quiet ! (黙ってろ)」と言い返してきた。


 腹が立って、「Fuck'in ! Fuck'in !」と言い返したら、看守がすっ飛んできて、「やめろよオメーそういうこと言うのよー!」と怒られた。

 国に帰ってからのことがあるので、外国人の取り扱いには慎重らしい。

 

 ガーナ人のジャクソンが、明日移監になる。

 記念に点呼のとき、ジャクソンのパンツを下ろしたら、怒ってしまった。

 


【過去の過ちを振り返って】
 
 以前の日記にあるインド人は、国では軍人の経験があるため(要するに公務員だったわけだ)、留置管理課も慎重な取り扱いをしていて、同房の私たちにも「悪い言葉を教えないように」「意地悪をしないように」という注意があった。
 喫煙についても外国人だけ吸わせないなどという規則を作ると、「国際問題に発展しかねない」という理由で、公平な取り扱いがなされていた。
 食事についてはイスラム教徒用に、「肉抜き」というのもやっていた。

平成16年8月2日(月) 勾留84日目

 今日は初公判の日だった。被害者は来なかった。

 裁判の傍聴のとき、被告人が出てくるドアの裏はどうなっているのだろうと思っていたが、ようやく分かった。

 傍聴席と被告人席は、同じ空間に存在する異世界だ。

 

 裁判日程は、余裕で1ヶ月は開く。

 その間、勾留が長引くことになる。

 だから今日、論告求刑まで言ってくれればいいと思っていたが、人定質問と罪状認否だけで終わった。


 まるで茶番だ。

 

 次回9月9日、AM11:20。


【傍聴時のマメ知識】

 

 被告人を護送してくるのが誰かで、被告人の置かれている状態がわかる。

 

 警察官が連れてきた場合 ・・・・・・ 被告人は留置場にいる。

 

 刑務官が連れてきた場合 ・・・・・・ 被告人は拘置所にいる。

 

 誰もついていなかった場合 ・・・・・・ 保釈中である(大抵スーツ姿をしている)。

 

 

【過去の過ちを振り返って】

 

 茶番とは、要するにこういうことだ。

 決まりきった手続きに従って、裁判長の人定質問があり、氏名・生年月日・本籍・住所を問われ、それに答える。


 あらかじめ作られた書面に目を落としたまま、検察官が冒頭陳述をする。被告人がどういう人間で何をやったのかを、裁判長にかいつまんで説明するわけだ。

 

 「検察官が証拠によって説明しようとする事実は、証拠カード記載の以下の通りです」などといって、証拠請求をし、裁判長がそれを採用する。

 

 そして約1か月先の次回期日を決め、1回目は閉廷する。

 運がよければ検察官の論告求刑、弁護人の最終弁論まで進む可能性もある。

 

 人ひとりの人生と背景や、それら存在の全てが、法の名のもとに、一部屋の中で展開する。

 それを称して、茶番劇という。

 

  

 【 13階段  】  より

 

 

 「一審の記録を読むと、争点らしきものは何もありません。樹原君は運が悪かったんですな。国選弁護人に、やる気がなかったんです」

 純一は思わず杉浦の顔を見た。「やる気がなかった?」

 「そうです。良くあることですよ」杉浦は、事もなげに言った。「裁判なんて全部、運不運です。被告人が出会う弁護人、検察官、裁判官、そうした人々の取り合わせで判決が左右される。これはあくまで噂ですが、被告人が若くてきれいな女性の場合、男の裁判官は甘い判決を出し、女の裁判官は厳罰に処すらしいですよ。これも自由心証主義なんですかね。はは」

 

平成16年8月1日(日) 勾留83日目

 明日は初公判だ。

 ドキドキはしているが、日中は驚くほど冷静に過ごせた。

 

 風呂で3人目の覚醒剤使用と一緒になった。

 使用時、ガラスのドアを蹴破ったとのことで、足に包帯を巻いて、濡らさないようにしている。

 

 彼は長渕剛のファンで、湯船につかりながら鼻歌を歌っている。

 前腕のひじ静脈は、両腕とも注射のし過ぎで、真っ青だ。

 

 

 【過去の過ちを振り返って】

 

 私は刑事裁判を傍聴したことがあるし、曲がりなりにも刑事訴訟法を学んだことがあるから、手続きについては何となく想像がついた。

 しかし私が傍聴に通った裁判所ではないし、未知の不安はあった。

  

 裁判を傍聴すると、好奇心が沸いてくることのひとつに、「被告人が出てくる扉の向こう側は、どうなっているんだろう」ということがあった。

 それを知ることができると思うと、少しだけワクワクした。

 

 

平成16年7月31日(土) 勾留82日目

 今日で××(受験予備校)最終日のはずだ。

 補講はあるのだろうか。

 

 ○○さんのことばかり思い浮かぶ。

 みなさんさようなら。

平成16年7月30日(金) 勾留81日目

 弁護士が来た。

 会社の○○さん、予備校の××先生と連絡が取れたという。

 2人とも証人に立つのはカッタルイが、情状を記した書面を提出してくれるかもという。

 多謝!!

 

 

 【過去の過ちを振り返って】

 

 ××先生は、その後何度も、弁護士に電話をくれたという。

 たかが一生徒にしか過ぎない私に、本当に有難いことだ。