今、世界が激しく変わりつつ有ることは間違いないと思います。このブログでは、コロナ禍から「グレートリセット=新世界秩序の構築」の最終段階が始まったと書いてきました。そして、ウクライナ問題によりリセットは更に進められています。

 

*グレートリセットとは何か。グローバリストの望む「新世界秩序」

*コロナ禍とウクライナ問題を繋ぐもの。その向かう先は新世界秩序。

 

新世界秩序では、アメリカの1国独裁覇権から、分割され多極化されていくと思われます。以前の冷戦時はソビエト連邦とアメリカの2極対立でしたが、今後の大枠は中国共産党を中心としたアジア、EU(アフリカ含む)、南北アメリカの3つに分かれていくと思われます。ロシアやオーストラリアについては、アジアに含まれるように思われますが、ロシアはシベリアまでヨーロッパだと言っていますし、オーストラリアも現在は中共から脱して、反対側に居ますので、この辺りはまだ良くわかりません。

 

話が少し逸れますが、新世界秩序を主導するグローバリスト=国際金融資本も1枚岩では無いため、彼ら内部の勢力関係で変わってくると思われ、現状ではまだまだ見えないことも多々あります。もっと情報に通じた人達には、見えているのかもしれませんが・・・。

 

なので、日本が今後どうなっていくのかも分かりません。現状を踏まえると日本に選択の余地はなく、いくつかシナリオは考えられますが、どれも受け入れがたいモノになる可能性が高いと思っています。それが今回の主題です。

 

ロシアのウクライナ侵攻による、西側諸国の経済制裁、特に金融制裁は基軸通貨としてのドルの信用に疑問を投げかけ、新しい世界経済秩序が出来つつあるようです。そして、お金主義の現在において、新しい経済秩序=新世界秩序とも言えると思います。

 

*ロシアが主導する新しい世界経済秩序について思うこと

 

新しい世界経済秩序が出来たとき、日本にどの様な影響があるのでしょうか。それを考える時の参考のひとつとなる報道がありましたので、今回はその報道を取り上げて考察してみます。

 

来たるべき世界金融革命。ロシアはアメリカの脚本に従う

これまで、米ドルの世界覇権に挑戦した国はなかった。なぜ、このようなことが起こったのか、そして、このことが何を意味するのか。

 

海外の評論家は、世界基軸通貨としての米ドルの「法外な特権」に長い間不満を持っていた。米国はこの通貨を、「米国の全面的な信用と信頼」以外に何の裏付けもなく発行することができる。ドルを必要とする外国政府は、貿易でドルを受け入れるだけでなく、そのドルでアメリカの証券を購入し、事実上アメリカ政府とその対外戦争の資金を調達している。しかし、この取り決めを破るほど強力な政府はなかった-今まで。なぜこのようなことが起こったのか、そしてそれが米国と世界の経済にどのような意味を持つのだろうか。

 

この報道記事の中でも、ロシアの経済制裁として行われた、ロシア中央銀行の外貨準備6400億ドルの半分近くを凍結したことで、基軸通貨としての米ドルの信頼は完全に崩れ去ったと書かれています。この事は多くの国が明日は我が身と受け取ったと思います。そして、地球上の国の半数以上は民主主義国ではなく、アメリカや西側諸国の方針に従っている訳ではないことも事実です。

 

この新しい世界経済秩序で、もっとも興味深く感じることが、この記事にも書かれていました。それは、

Bloombergによると、3月30日、ロシア下院議長のVyacheslav Volodin氏がテレグラムの投稿で、ロシアが西側にルーブル(または金)での支払いを要求する商品のリストを、穀物、石油、金属などにも拡大する可能性を示唆したという。ロシアの経済規模は米国やEUに比べるとはるかに小さいが、ロシアは石油、天然ガス、穀物だけでなく、木材、肥料、ニッケル、チタン、パラジウム、石炭、窒素、コンピューターチップや電気自動車、航空機の製造に使われるレアアース金属など、主要商品の主要な世界供給国である。
 

食糧やエネルギー(ガス・石油・等々)が新しい金融価値を生む

ということです。

 

ロシアは自由市場のイデオロギーに魅了され自国の農業や産業を守るための手段を講じることができないままであった。そこで米国は、制裁によってロシアに国内自立を促すことで、必要な支援を行った。バルト諸国がロシアからチーズなどの農産物の市場を失うと、ロシアはすぐに独自のチーズや酪農の分野を作り上げ、同時に世界有数の穀物輸出国になったのである
 

そして、経済制裁がロシアの行動の契機となっていること。経済制裁はそれを誘発させるために行われたと思われること。記事の制裁は2014年のクリミア問題の時のことですが、結果をみるとロシアには良いことだったように感じます。

 

*ロシアへの経済制裁は、国際金融資本の思惑通りかもしれない

 

今回のウクライナ問題の影響は日本にとっても大きく、日本もこれを契機とし破壊改革ではない、日本の為の改善をしなくてはならないと思います。

 

 

ロシアは、インドには自国通貨ルピーで、中国には人民元で、トルコにはリラで石油を販売することに合意しているこれらの国の通貨は、それらの国が販売する商品やサービスに使うことができる。それこそが不換紙幣であり、国家の「全面的な信頼と信用」に裏打ちされた、商品やサービスの価値でそれを受け入れるという国民の同意に支えられた交換手段なのである。

しかし、このようなグローバルな物々交換システムは、ローカルな物々交換システムと同じように、一方の当事者が他方の当事者の商品やサービスを必要としない場合、崩壊してしまうだろう。その場合、交換の媒介となる中間基軸通貨が必要になる。

 

これがブレトンウッズⅢということでしょうか。

*ウクライナ問題を契機に金融システムは変わるのか

 

もし、このシステムが成功したら、アメリカ経済にどのような影響を与えるのだろうか?投資ストラテジストのリン・アルデン氏は、「米国世界通貨準備制度のほころび」と題する詳細な分析で、短期的には痛みが伴うが、長期的には米国経済に利益をもたらすと書いている。このテーマは複雑だが、要するに、基軸通貨支配が製造業の基盤を破壊し、巨額の連邦債務を積み上げる結果となったということだ。基軸通貨の負担を分担することで、ロシア経済への制裁のような効果、つまり関税のように国内産業を育成し、アメリカの製造業の基盤を再構築することが可能になる
 

これを契機に食糧問題、エネルギー問題、その他全ての亡国政策を見直し、改善しない限り、日本に選択肢は生まれないと思われます。理由は明白で、食糧とエネルギーを外国に抑えれれている=命を握られている訳で、これは自立していないということ、主権国家として成立しないことになるからです。

 

日本が現状のまま、主権国家としての体を持てなかった場合、考えられるシナリオはいくつかあります。

 

ロシアがウクライナ東部を制圧し、プーチン氏の思惑が叶ったとき。敵国に成った日本にロシアがどのような事をしかけてくるのか。または何も無いのか。

 

何も無ければそのまま終了し、いままで通りにアメリカの属国として、亡国に向かって進み、国民の総貧困化は確定し、植民地化していく。浸透している中共の影響が薄れない場合は、アメリカと中共の2カ国に搾取され続ける構図は変わらない。

 

ロシアが北方領土とアイヌを足掛かりに北海道へ侵攻することも有り得ます。その時ロシアと中共との合作は現実的であり、そうなった時は、アッサリと北海道は失われ、次は尖閣どころか沖縄までも失う恐れがあります。その時は、アメリカ、ロシア、中共の3国支配とあり、領土内に新たな国境線が引かれる可能性もあります。

 

プーチン氏が暗殺され、ロシアが完敗した場合、ロシアに国際金融資本の傀儡政権が誕生し、エネルギー利権、食糧利権は民間に移る。中共のバックは国際金融資本なので、中共が中心と成るアジア圏に取り込まれ、中共が1極を支配し米国、ヨーロッパと対立軸をつくり、国際金融資本の支配を支える体制ができる。

 

その場合、日本はどうなるのか。もっとも楽観的な見方は、現状維持。アメリカの属国のまま、中共に浸透され、2カ国から搾取され続け、将来的には国民は総貧民化し、隷属となリ国としての日本の体は破壊されていくと思われます。

 

最悪の場合は、ロシアが勝ったときの最悪シナリオ同様、領土内に新しい国境線が引かれ、アメリカ、中共双方の植民地として搾取され続ける。

 

どうのように転んでも、主権国家として自立出来ない限り、真の独立を果たさない限り、日本の未来は悲観的にしか見えてきません。

 

*ウクライナ問題から中国共産党の驚異を再認識する

*ウクライナ問題から始まる日本の危機について

*ウクライナは明々後日の日本だ。今、日本がやるべき事。

*国の安全保障は「対等」でなければ成し遂げられない

 

しかし、真の独立を果たせば、日本は世界一の国になるだけの力を持っていると思います。歴史、文明、民度、どれも確実に世界一です。さらに、世界で唯一の平和国家が日本です。

 

 

他の論者も、唯一の世界基軸通貨であることは法外な特権というより法外な負担である と述べている。その地位を失っても、米ドルの重要性は失われない

 

だから、彼らは現在の制度を変えたいのでしょう。ドルが危機的状況であることや、金融システム再編は、海外の一部メディアではウクライナ問題以降、よく取り上げられています。日本でこの様な報道が殆どされていないことが、信憑性を高めていると思っています。

 

*ウクライナ問題を契機に金融システムは変わるのか

*SWIFTによる制裁は意図しない結果をもたらす可能性があり、回避することも可能であると警告

*ロシアへの厳しい経済制裁により、世界の基軸通貨としてのドルは終焉を迎える。

*ウクライナ問題から始まる金融懸念

 

危機は大きな契機となります。ピンチ=チャンスと捉えられれます。今だからこそ、くだらない内圧・外圧を、危機という大義名分で跳ね返せます。

 

「平和」、「人道的」、「持続可能」、「多様性」、等々。彼らの使う耳障りの良いレトリックをそのまま利用し、こちらが有利なように進める事ができます。

 

*ロシアのウクライナ侵攻についても報道に惑わされないよう注意です。

 

 

その一方で反日勢力や売国奴たちは、これらを巧みに利用し、さらなる亡国、売国政策も仕掛けてくると思われます。だから、私たちは彼らが牛耳るメディアに洗脳されてはなりません。売国奴な政治屋に騙されてはいけません。そうならない為の意識改革と情報収集、精査、検討が必要です。

 

 

最後に報道記事を全文転載します。

ーーー以下 転載ーーー文字の装飾は私が行っています

来たるべき世界金融革命。ロシアはアメリカの脚本に従う

 

これまで、米ドルの世界覇権に挑戦した国はなかった。なぜ、このようなことが起こったのか、そして、このことが何を意味するのか。

海外の評論家は、世界基軸通貨としての米ドルの「法外な特権」に長い間不満を持っていた。米国はこの通貨を、「米国の全面的な信用と信頼」以外に何の裏付けもなく発行することができる。ドルを必要とする外国政府は、貿易でドルを受け入れるだけでなく、そのドルでアメリカの証券を購入し、事実上アメリカ政府とその対外戦争の資金を調達している。しかし、この取り決めを破るほど強力な政府はなかった-今まで。なぜこのようなことが起こったのか、そしてそれが米国と世界の経済にどのような意味を持つのだろうか。
 

ペトロドルの勃興と衰退
まず、歴史を振り返ってみよう。米ドルは1944年のブレトンウッズ会議で世界の基軸通貨として採用されたが、当時はまだ世界市場で金の裏づけがあった。その時の合意は、金とドルは国際準備として交換可能に受け入れられ、ドルは要求に応じて1オンス=35ドルで金と交換されるというものであった。他の通貨の為替レートは、ドルに対して固定されていた。

しかし、リンドン・ジョンソン大統領の「ガンズ・アンド・バター」政策が、ベトナム戦争と国内の「偉大なる社会」社会事業への資金提供によってアメリカの資金を使い果たし、この協定は破談となった。フランスのドゴール大統領は、アメリカの資金不足を懸念して、フランスのドルの大部分を金と交換し、残りを現金化すると脅した。

1971年、ニクソン大統領は、米国の金準備の流出を避けるため、国際的にドルと金の兌換を停止した(「金の窓の閉鎖」と呼ばれる)。その結果、ドルの価値は国際的な取引所で他の通貨に比べて急落した。そこでニクソンとキッシンジャー国務長官は、サウジアラビアやOPEC諸国と、OPECはドル建てでしか石油を売らない、そのドルはウォール街やロンドンシティの銀行に預けておく、という取り決めをしたのである。その見返りとして、アメリカはOPEC諸国を軍事的に防衛することになった。経済研究者のウィリアム・エングダールも、原油価格が4倍になるという約束の証拠を提示している。中東の短期戦争に端を発した石油危機で、実際に石油価格は4倍になり、1974年にOPEC協定がまとまった。

2000年、サダム・フセインがイラクの石油をユーロで売り、この協定を破るまで、この協定は堅持された。リビアのオマル・カダフィ大統領もそれに続いた。両大統領は暗殺され、その国は米国との戦争で壊滅的な打撃を受けた。カナダの研究者、マシュー・エレットはこう語る。

ムバラク、カダフィ、バシールの3人の指導者のもと、スーダン、リビア、エジプト連合が、IMF/世界銀行の外で、アフリカの大規模開発に資金を供給するための金を担保とした新しい金融システムを確立しようと動いていたことを忘れてはならない。もしこの計画がNATO主導のリビア破壊、スーダン分割、エジプトでの政権交代によって損なわれていなければ、世界は歴史上初めて、英米の支配する金融の不正なゲームの外で自らの運命を形作るアフリカ国家の主要地域ブロックの出現を見たことでしょう。
 

ペトロルーブルの台頭
ペトロダラーと呼ばれるようになったものに、大国が初めて挑戦したのは2022年である。ウクライナ紛争が始まった翌月、米国と欧州の同盟国は、違法な軍事侵攻に対抗して、ロシアに重い金融制裁を課した。ロシア中央銀行の6400億ドルの外貨準備の半分近くを凍結し、ロシアの大手銀行数行を国際決済システムSWIFTから追放し、ロシアの先端技術へのアクセスを制限する目的で輸出規制を行い、ロシアの飛行機や船舶のために領空や港を閉鎖し、ロシアの高官や有名な大物に対する個人的制裁を行うなど、西側の措置は、ロシアに大きな影響を与えた。その結果、1970年代初頭の米ドルと同じように、ルーブルの価値が国際市場で急落し、ロシア人は慌てて銀行からルーブルを引き上げた。

米国の全面的な信用と信頼」に裏打ちされた世界基軸通貨としての米ドルの信頼は、ついに完全に崩れ去ったのである。ロシアのプーチン大統領は3月16日の演説で、米国とEUは債務不履行に陥った、ロシアの外貨準備の凍結はいわゆる第一級資産の信頼性の終焉を意味する、と述べた。プーチンは3月23日、ロシアの天然ガスを「非友好国」に販売する際、現在使われているユーロやドルではなく、ロシア・ルーブルでのみ販売することを発表した。ロシアが「非友好国」としてカウントしているのは、米国、英国、ウクライナ、スイス、韓国、シンガポール、ノルウェー、カナダ、日本など48カ国である。

プーチンは、世界の人口の半分以上がロシアに「友好的」であることを指摘した。制裁に賛成しなかった国には、中国、インドという2大国と、産油国ベネズエラ、トルコなど「南半球」の国々が含まれている。プーチンは、「友好的な国々は、ロシアから様々な通貨で購入することができるようになった」と述べた。

ロシア財務相 原油取引におけるドルは "危険すぎる "ため放棄する可能性がある。

3月24日、ロシアのパヴェル・ザヴァルニー議員は記者会見で、西側諸国にはルーブルか金で、「友好国」には自国通貨かビットコインでガスを売ることができると発言した。

G7のエネルギー大臣たちは、ユーロかドルでの販売を義務付けるガス契約条件に違反するとして、プーチンの要求を拒否した。しかし、3月28日、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアは「慈善事業を行っていない」と述べ、欧州にガスを無料で供給することはないと述べた(現在貿易で使用できないユーロやドルでの販売であれば、このようなことをすることになる)。制裁そのものが、世界市場で通貨を尊重するという合意への違反である。

Bloombergによると、3月30日、ロシア下院議長のVyacheslav Volodin氏がテレグラムの投稿で、ロシアが西側にルーブル(または金)での支払いを要求する商品のリストを、穀物、石油、金属などにも拡大する可能性を示唆したという。ロシアの経済規模は米国やEUに比べるとはるかに小さいが、ロシアは石油、天然ガス、穀物だけでなく、木材、肥料、ニッケル、チタン、パラジウム、石炭、窒素、コンピューターチップや電気自動車、航空機の製造に使われるレアアース金属など、主要商品の主要な世界供給国である。

4月2日、ロシアのガス大手ガスプロムが、欧州のエネルギー供給の重要な動脈であるヤマル・エウロパイプラインを経由した欧州への供給を正式に停止した。

英国のリチャード・ワーナー経済学教授は、ロシアの動きは巧妙で、1970年代に米国が行ったことを再現しているという。ロシアの商品を手に入れるために、「非友好的」な国々はルーブルを買わなければならない。1974年以降、ペトロドールの必要性が米ドルを支えたように、世界の取引所でのルーブルの価値を押し上げることになる。実際、3月30日までに、ルーブルはすでに1カ月前の水準まで上昇していた。
 

「アメリカン・システム」プレイブック
ロシアは、自国通貨を重要な商品の販売に結びつけるだけでなく、それ以前のプロトコル、すなわち19世紀のアメリカの指導者たちが「アメリカン・システム」と呼んだ主権的貨幣と信用のシステムを、アメリカに倣っている。19世紀アメリカの指導者たちが「アメリカン・システム」と呼んだ、主権的な貨幣と信用である。その3本柱は、(a)国内改善と国の新興産業育成のための連邦補助金、(b)それらの産業を保護するための関税、(c)国立銀行が発行する簡単な信用、であった。

経済学の研究者であり、『超帝国主義』の著者でもあるマイケル・ハドソン氏は、このように語っている。経済学者で『超帝国主義-アメリカ帝国の経済戦略』などの著書があるマイケル・ハドソン教授は、制裁によって、ロシアはこれまで自らやりたがらなかったこと-輸入品への依存を減らし、自国の産業とインフラを発展させる-をやらざるを得なくなっている、と指摘する。その効果は、保護関税に匹敵するものだという。ハドソンは「アメリカ帝国の自滅」と題する記事で、ロシア制裁(実際には2014年にさかのぼる)について次のように書いている。

ロシアは自由市場のイデオロギーに魅了され、自国の農業や産業を守るための手段を講じることができないままであった。そこで米国は、制裁によってロシアに国内自立を促すことで、必要な支援を行った。バルト諸国がロシアからチーズなどの農産物の市場を失うと、ロシアはすぐに独自のチーズや酪農の分野を作り上げ、同時に世界有数の穀物輸出国になったのである。

ロシアは、ルーブルの為替相場の裏づけとして米ドルを必要としないことを発見している(あるいは発見しようとしている)。中央銀行が国内の賃金支払いと資本形成のための資金調達に必要なルーブルを作り出すことができるのだ。このように、米国の通貨没収は、セルゲイ・グラジエフが長年提唱してきたMMT(現代通貨理論)のような新自由主義的な金融哲学をロシアに終焉させることになるかもしれないのである。...

IMF、世界銀行、その他のアメリカ外交の武器に代わって、外国が自分たちでやらなかったことを、アメリカの政治家が無理やりやらせようとしているのだ。ヨーロッパ、近東、南半球の国々は、長期的な経済的利益を自ら計算して離脱するのではなく、アメリカはロシアや中国にしたように、彼らを追いやろうとしているのだ。

グラジェフ氏とユーラシア・リセット
前出のハドソンが言及したセルゲイ・グラジエフは、プーチン大統領の元顧問で、ユーラシア経済連合(EAEU)の監督機関であるユーラシア経済委員会の統合・マクロ経済担当相である。彼は、ロシア中央銀行をロシア独自の通貨と信用を発行する「国立銀行」に転換し、国内開発を行うなど、「アメリカン・システム」と同様のツールを用いることを提案している。グラジェフ氏は2月25日、「制裁と主権」と題する米国の制裁に関する分析を発表し、次のように述べている。

[米国の金融制裁による被害は、ロシア中銀の金融政策と表裏一体である・・・。その本質は、ルーブル発行と輸出収益、ルーブル為替レートとドルとの厳しい結びつきに集約される。実際、経済には人為的な資金不足が生じ、中銀の厳しい政策は貸し出しコストの上昇を招き、企業活動を殺伐とさせ、国内のインフラ整備を阻害しているのである。

グラジェフ氏は、「もし中央銀行が、欧米のパートナーから引き出された融資を自前の融資に置き換えれば、ロシアの信用力は大きく向上し、インフレを起こさずに経済活動の低下を防ぐことができるだろう」と述べた。

ロシアは、インドには自国通貨ルピーで、中国には人民元で、トルコにはリラで石油を販売することに合意している。これらの国の通貨は、それらの国が販売する商品やサービスに使うことができる。それこそが不換紙幣であり、国家の「全面的な信頼と信用」に裏打ちされた、商品やサービスの価値でそれを受け入れるという国民の同意に支えられた交換手段なのである。

しかし、このようなグローバルな物々交換システムは、ローカルな物々交換システムと同じように、一方の当事者が他方の当事者の商品やサービスを必要としない場合、崩壊してしまうだろう。その場合、交換の媒介となる中間基軸通貨が必要になる

グラジェフたちは、そのための研究をしている。The Sakerに掲載されたインタビューの翻訳版で、グラズィエフは次のように述べている。

私たちは現在、参加国の自国通貨とペッグし、実質的な価値を決定する為替取引商品とペッグした新しい世界決済通貨の導入に関する国際協定案を作成しているところです。アメリカやヨーロッパの銀行は不要になります。銀行の重要性が失われつつある世界では、ブロックチェーンを用いた現代のデジタル技術に基づく新しい決済システムが発展しつつあります

ロシアと中国は共にSWIFTメッセージングシステムの代替手段を開発しており、ロシアの一部の銀行はこのシステムからブロックされています。ロンドンを拠点とするコメンテーター、Alexander Mercourisは、SWIFTの外に出ることは、欧米の銀行がロシアと中国の取引を追跡できないことを意味するという興味深い見解を示している。

地政学的アナリストのペペ・エスコバルは、"Say Hello to Russian Gold and Chinese Petroyuan "という記事の中で、ユーラシアと中国の金融リセット計画を要約している。彼はこう書いている。

長い間待ち望まれていたことだが、ようやく多極化した世界の新しい基盤の重要な線条がいくつか明らかになりつつある。

金曜日(3月11日)、ユーラシア経済連合(EAEU)と中国は、テレビ会議の後、独立した国際通貨・金融システムのメカニズムを設計することに合意した。EAEUはロシア、カザフスタン、キルギス、ベラルーシ、アルメニアからなり、他のユーラシア諸国と自由貿易協定を結び、中国の一帯一路構想(BRI)と相互接続が進んでいる

現実的には、このアイデアは、ロシアの独立系経済学者の第一人者であるセルゲイ・グラズィエフのものである・・・。

グラジエフは、この構想が実現した理由を「世界経済の減速とEAEU諸国と中国に対する制限的な措置に関連する共通の課題とリスク」と、極めて外交的な表現で述べている。

翻訳すると、中国はロシアと同様にユーラシアの大国であるため、米国の一極体制を迂回するために戦略を調整する必要があるということだ。

ユーラシアシステムは、おそらく人民元を基準とした「新しい国際通貨」に基づいており、参加国の通貨と商品価格の指数として計算される。...

EAEUは、BRIに参加した国だけでなく、上海協力機構(SCO)やASEANの有力なプレーヤーも呼び込む可能性があり、ユーラシアシステムは米ドルに代わる重大なものになるに違いない。西アジアのアクター、つまりイラン、イラク、シリア、レバノンも必然的に関心を持つだろう。
 

法外な特権か法外な負担か?
もし、このシステムが成功したら、アメリカ経済にどのような影響を与えるのだろうか?投資ストラテジストのリン・アルデン氏は、「米国世界通貨準備制度のほころび」と題する詳細な分析で、短期的には痛みが伴うが、長期的には米国経済に利益をもたらすと書いている。このテーマは複雑だが、要するに、基軸通貨支配が製造業の基盤を破壊し、巨額の連邦債務を積み上げる結果となったということだ。基軸通貨の負担を分担することで、ロシア経済への制裁のような効果、つまり関税のように国内産業を育成し、アメリカの製造業の基盤を再構築することが可能になる。

他の論者も、唯一の世界基軸通貨であることは法外な特権というより法外な負担である と述べている。その地位を失っても、米ドルの重要性は失われない。米ドルは世界の金融にあまりにも深く浸透しているため、その地位を失うことはないのだ。しかし、世界唯一の基軸通貨としてのペトロドルの終焉を意味し、その支配を維持するための壊滅的な石油戦争の終焉を意味する可能性は十分にある。

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この記事はScheerPostに最初に投稿されました。
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