ウクライナ問題を契機に金融システム=通貨制度が変わるかもしれません。その時ドルは弱体化するという予想もあります。貧困化している日本はどうなるのか?

海外のニュースを見て思うことを書いてみます。

 

ロシアがウクライナに侵攻したことにより、西側諸国はロシアに対し経済制裁を行なっています。しかし、今回の経済制裁は西側諸国にとってもダメージを受けるため、現在の措置は中途半端なように感じられます。

世界経済フォーラムのシュワブ氏は、グレートリセットの中で、金融についても触れています。金融=お金の仕組みそのものを変えようとしているように思えるのですが、なぜ?というところが疑問でした。

現在、世界の基軸通貨は米ドルです。これは、新世界秩序構築=世界支配のために、ロスチャイルドが決めました。1971年のニクソンショックまでは、金本位制でしたが、このシステムでは、金の保有量に限界があり、事実保有量よりも大幅に多額の米ドルを発行したことで行き詰まり、その解決策として、「金」という「担保」を破棄してしまいました。

金の保有という「制限」が無くなった事により、米ドルは無限に発行出来るようになり、結果、彼らは「お金」を使いたい放題。儲け放題となり、ますます富と権力を増幅して行きました。しかし、実際には無制限に米ドルを発行出来るハズはありません。
 

現在米ドルは発行過多の状態にあり、いつ破綻してもおかしくない様な状況のようです。

現在米ドルは発行過多の状態にあり、いつ破綻してもおかしくない

さらに、レバレッジの効いた負債の超増殖と何兆もの新規資金印刷(特にCOVID以降)は、非常に不安定な世界的債務爆弾シナリオを生み出し、崩壊寸前まで来ている。全体を覆すには、たった一つのブラックスワン現象が必要なのだ。
 

そこで、彼らはこれをグレートリセットすると言っています。

シュワブ氏はデジタル人民会元押しの様でしたので、ロシアへの経済制裁に伴い、ロシアは中共のCIPSへ決済を移行して行くのでは無いかと思われましたが、そうでは無いような状況に成ってきました。
プーチン大統領は、非友好的な国にルーブルのみでガスを供給するよう命令した。

ロシアは、以前に締結された契約に定められた量と価格に従って、他国へのガス供給を継続する、と国家元首は強調した。

ノボオガレボ、3月23日。/TASS/. プーチン大統領は22日、閣議で、ロシアは天然ガス供給の支払いをドルやユーロなど「妥協した」通貨で受け取ることを拒否し、ルーブルでの支払いに移行すると述べた。

大統領は、「私は、いわゆる "非友好的 "な国々に供給される天然ガスの支払いをロシア・ルーブルに移行する措置のパッケージを、可能な限り短期間で実施することを決定した-まずはそこから始める」と述べた。

 

SWIFTからロシアの銀行が排除されルーブルは下落しています。しかし、全ての銀行が排除されている訳ではありません。このあたりの兼ね合いが良く分かりませんが、現在の兌換貨幣ではない、ドルに対し自国のエネルギー資源(天然ガスや石油)を担保にルーブルの価値を担保するという事なのか。

 

 

IMFは、ロシアに対する米国の制裁措置に応じて、各国がドル準備金を削減する可能性があると警告

 

IMFは、ロシアのプーチン大統領のお気に入りの一つである西側制裁の批判をオウム返ししたのだろうか?

IMFのギタ・ゴピナス第一副専務理事はForeign Policyとのインタビューで、欧米の対ロシア制裁、より具体的にはロシア中央銀行が保有するドル建て、ユーロ建て準備金の没収は、他の外国中央銀行がドルやユーロでこれだけ多額の外貨準備を保有することをより嫌がるようになり、逆効果になりかねないと警告している。

ここ数十年、ドルを基軸とした国際金融システムは、自由市場原理に支えられてきた。しかし、欧米の金融機関が独立した中央銀行の外貨準備を事実上没収することは、この概念に反し、他の国々に対して、次は自分たちの番かもしれないという可能性を、たとえわずかであっても考えさせることになる。

 

 

ロシアは金でルーブルを買い支えるか?

ロシアが「非友好的」な国に石油を売るときはルーブル建てでしか取引しないと言い出した今、通貨と経済の両方を必死で支えようとしているロシアにとって、次は金が安全な避難場所になると私は予想している。

ルーブルを金で支えるといっても、ルーブルと金を直接固定する必要はなく、ルーブルの最も普遍的で貴重な資源である石油の代金を金で受け取るという、より可能性の高いシナリオもあり得るのだ。

プーチン大統領からの新たな指令があり、昨日テレビで放映された政府会議で、プーチン大統領は次のように述べた。

"私は、いわゆる非友好的な国への天然ガス供給の支払いをロシア・ルーブルに切り替える一連の措置を...まず実施することを決定した。"

私は1ヶ月近く前から、ロシアは最大の商品である石油を自国通貨の裏付けに使うだろうと主張してきた。

私は先月、プーチンは「中国とさらに同盟を結び、現在の世界通貨制度の外にある通貨制度の見通しについて中国と議論さえする」ことによって、経済制裁を押し返すだろうと述べた。

 

通貨の発行にはなにかしらの裏付け=担保が必要なハズです。物質的な裏付け=担保がない現在は、アメリカの国力=経済力=軍事力がそれに当たっていたと思うのですが、アフガニスタンからの撤退が象徴するように、現在アメリカの国力は落ちてきていると言えます。

そして、今回のウクライナ問題でも、影で暗躍してはいるものの、表での支援は、ウクライナへの武器などの物資の供給とロシアへの経済制裁で、米軍が表立って行動することも、米国が仲裁に入ることもしていません。

もっともバイデン政権はDSの傀儡政権なので、彼らの思惑に添って動いていると思われます。

 

アメリカ大統領と国際金融資本の関係から世界の構造を知る

プレスレビュー ロシアがガスをルーブルで世界販売へ、米国がG20で更迭のターゲットに

イズベスチヤ ロシア、非友好国へルーブルでガス販売へ

ロシアは、非友好的な国に対して、ガスの供給について、速やかにルーブルでの請求を開始すると、プーチン大統領が発表した。リストには、米国や欧州連合加盟国のほか、オーストラリア、カナダ、シンガポール、モンテネグロ、スイスなど、45カ国以上の非友好国が名を連ねている。イズベスチアの取材に応じた専門家は、ドルの支配的な役割を克服するための唯一の方法であることを確信している。

「この動きは、ロシアがドルやユーロの決済から離れるという、長いけれども避けられない道のりのメッセージ、あるいは最初の一歩なのかもしれない。ひとつだけはっきりしているのは、ロシアの資産凍結は見過ごせないもので、モスクワはこれに反応し続けるだろう」というのが、このアナリストの結論である。

 

現在西側諸国はロシアに対し制裁を行っていますが、中立を保つ国や、ロシアよりの国もあります。それらの国の中には、現在のアメリカ(国際金融資本)が作った仕組みを、良く思ってない国も有ると思います。そして、その様な国は少ないくないようにも思えるのです。

 

インドはウクライナ危機をどのように受け止め、それがロシアや欧米との関係に何を意味するのか。

軍事攻勢で東アジアのパートナーは姿勢を見直す
ウクライナにおけるロシアの軍事行動、さらに言えば西側諸国との対立は、一部の人々が考えるほどには、インドとロシアの二国間関係を劇的に変化させないかもしれない。

東欧で起きている敵対行為によって、防衛や安全保障、政治・経済などあらゆる重要な分野を含む、伝統ある特別で特権的な戦略的パートナーシップに影響が及ぶことはないだろう。しかし、悪魔はいつも通り細部に宿る。

 

 

ロシアは、中国、イラン、そしてNATO以外の世界の他の国々とともに、新世界経済で最後の笑いを持っているでしょうか?

ウクライナで「戦争」が始まって以来、私はウクライナ情勢についてあまり書いてこなかった。なぜなら、それはほとんど今日世界で起きている現実の問題から目をそらすものであり、ウクライナで実際に起きていることについて、企業メディアや代替メディアで現在流れている十数の物語の中からどれかを選ぶことができるだろうからだ。

 

金本位制→国力に担保が変わり→次は何が担保になるのか?
ロシアは自国の天然資源+金を担保に新しい「お金の仕組み」を作ろうとしている。ようにも見えます。現在プーチン氏が戦っているのは、国際金融資本であることを踏まえれば、ロシアが独自の通貨システムと国際金融システムの構築を目指すことは、理にかなっていると思います。もっともロシア一国では出来ませんので、共賛する国が必要ではあります。

 

そして、ロシアと言う国はGDPで見れば、2021年度は韓国の次で11位。1位アメリカの7.6%に過ぎません。しかし、ロシアは世界第2位の軍事大国であり、エネルギー資源国であり、穀物輸出国ですので、エネルギーと食糧は自給出来ます。核兵器も持っています。工業製品や加工食品は輸入に頼っていますが、エネルギー資源と交換するような政策も取れると思われます。

 

実際に経済制裁をしているEU諸国などは、ロシアのエネルギー資源に頼っています。意地の張り合いが続けば、双方の国、特に国民にとってマイナスとなります。


【2021年】最新世界GDP(国内総生産)ランキング 2050年の予測も紹介
世界軍事力ランキング(2022年版)

海外のニュースを見ながら、いろいろと考えていたところ、クレディ・スイスの短期金利戦略のグローバルヘッドであるゾルタン・ポズサール氏のこんな記事がありました。

ゾルタン・ポズサール 私たちは新しい世界通貨秩序の誕生を目撃している
クレディ・スイスの短期金利戦略のグローバルヘッドであるゾルタン・ポズサールは、先に発表したメモの中で、今回の危機は、1971年にニクソン大統領が米ドルを金から外して以来、つまり商品ベースの貨幣の時代の終わり以来、我々が見てきたものとは異なると記している。この危機が終わったとき、米ドルはもっと弱くなっているはずだ。この危機の後、世界の通貨制度は決して同じにはならないだろう、と。
※最後に全文転載します。

 

プーチン氏がウクライナに侵攻した際、西側諸国からの経済制裁は想定内のハズです。国際金融資本と本気に対峙するなら、彼らの力(お金=権力)の源で有る金融システムからの離脱及び独立は考えているかもしれません。

金やエネルギー資源などの「裏付け」があれば、ルーブルが死なない可能性はあると思います。そして、現在の支配構造から抜け出したいと考える国も有ると思います。出来れば日本も抜け出すべきだと思います。

 

ただ、日本が行動を起こすには、現状では動けません。国内にアメリカの駐留軍が存在し、核兵器も保有せず、エネルギーも食糧も自給出来ない現状では、動きようがありません。どれも最重要で優先順位を付け難いのですが、相手国から恫喝されないために、核兵器保有は絶対条件だと思います。世界は「力づく」だということを認識しなくてはイケマセン。相手と対等で無ければ交渉は成立しません。

 

国の安全保障は「対等」でなければ成し遂げられない


そして、この様な懸念があります。米ドルのグレートリセットは、経済破綻していた方が都合がいいようです。なぜなら出回っている米ドルが少ない方が良いから。
シュワブ氏は、世界恐慌にも触れていました。そして、なんと言ってもこの世界はコロナ禍前には戻らないと言っています。

 

コロナ禍で世界経済は停滞しました。ウクライナ問題でエネルギー危機や食糧危機が加わりました。世界はインフレ傾向にあり、アメリカはドルの金利を上げています。このままインフレが続く場合、さらなる金利引き上げが考えられます。ドルの金利上昇に伴い、日本への影響としては円安が進みます。

 

世界的に物価上昇しているときに円安となれば、さらに価格を引き上げてしまいます。しかし、緊縮財政の我が国は増税はしても、労働賃金は上げない政策なので、負のスパイラルになる可能性があり。そうなると完全に貧困化が確定されると言えます。

 

緊縮財政とはどういう政策なのか

 

さらに、資源も食糧もなく、技術ごと企業も乗っ取られている日本は、「担保=裏付け」となる「モノ」がありません。新しい貨幣システムを作る事が出来るのか危惧されます。出来なかった場合は、作ったところにまた支配されてしまいます。

 

武力もありません。外国からの武力に対する抑止力もありません。

 

日本が持っているもの、それは世界最古の国であるという事実。培われてきた伝統と知恵、先人達から受け継いでいる魂があります。そして、日本人は強かった。大東亜戦争では米国に負けはしましたが、アジアの植民地は開放されました。日本もなんとか分割され植民地に成ることは避けられました。それは、当時の先人達が強かったからです。そして、私達はその子孫であり、同じ遺伝子を受け継いでいます

 

今、正にギリギリのところに追い込まれていますが、過去にも追い込まれたことはありました。先人たちはそれを全て跳ね返してきてくれたので、今が有ります。

このままでは日本は溶解してしまい、子どもや孫に明るい未来は残せません。

 

小さな事でも出来ることから始めましょう。

現実を正しく認識し、謀略に騙せれないように賢くなりましょう。

ぼんくら政治家と政府の意識を変えるため、声を上げていきましょう。

 

最後にクレディ・スイスの短期金利戦略のグローバルヘッドであるゾルタン・ポズサール氏の記事を全文転載します。

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クレディ・スイスの短期金利戦略のグローバルヘッドであるゾルタン・ポズサールは、先に発表したメモの中で、今回の危機は、1971年にニクソン大統領が米ドルを金から外して以来、つまり商品ベースの貨幣の時代の終わり以来、我々が見てきたものとは異なると記している。この危機が終わったとき、米ドルはもっと弱くなっているはずだ。この危機の後、世界の通貨制度は決して同じにはならないだろう、と。

クレディ・スイス 短期金利戦略グローバルヘッド ゾルタン・ポズサール氏
「私たちはブレトン・ウッズⅢの誕生を目撃している。東洋の商品通貨を中心とした新しい世界(通貨)秩序は、おそらくユーロドル・システムを弱め、西洋のインフレ力を助長することになるだろう。- Zoltan Pozsar、元連邦準備制度理事会および米国財務省職員、現在はクレディ・スイスの短期金利戦略グローバルヘッド(ニューヨークを拠点とする)。

ゾルタンは、先に発表したメモの中で、今回の危機は、1971年にニクソン大統領が米ドルを金から外して以来、つまり商品ベースの貨幣の時代の終わり以来、我々が見てきたものとは異なると書いている。この危機が終わったとき、米ドルはもっと弱くなっているはずだ。金塊に支えられたブレトンウッズ時代から、内部貨幣(没収リスクのある国債)に支えられたブレトンウッズII、外部貨幣(金塊やその他の商品)に支えられたブレトンウッズIIIまで、世界の通貨制度は危機後に決して同じにはならないとゾルタンさんは考えています。

ゾルタンは、コモディティの危機が進行している可能性を指摘した。商品は担保であり、担保は貨幣である。この危機は、内部貨幣よりも外部貨幣の魅力が高まっていることを意味する。ブレトン・ウッズ2世はインサイド・マネーの上に成り立っていたが、1週間前にG7がロシアの外貨準備を押収したことで、その基盤は崩れ去った。
 

さらにゾルタンは、現在進行中の危機と1997年、1998年、2008年、2020年の危機との類似性を検討することで、すべての危機は資金調達市場と担保市場の交差点で発生するという結論を導き出すことができると述べた。現在、コモディティが担保になっており、より正確には、ロシアのコモディティはサブプライム担保のようなもので、それ以外はプライム担保である。ゾルタン氏によると、これらを貨幣の4つの価格、すなわち額面、金利、為替レート、価格水準と結びつけると、懸念すべきパターンが見えてくるという。

・パー- 2008年にマネーファンドが破綻し、サブプライムローンの担保を恐れて資金調達市場が凍結したことで、破綻した。

・金利-これは、2020年にクレジットラインの引き下げが優良な担保から資金を引き離し、債券RV取引が失敗したときに壊れたものである。

・為替レート- 1997年に担保(外貨準備)が行方不明になり、アジアで米ドルの資金調達が突然停止したときに破綻したものである。

・価格水準-これが今注目されているところである。

さらにZoltanは、以前はコモディティは狭いスプレッドで取引されていた、と付け加える。もはや同等に取引されることはない。価格が暴落しているロシアの商品と暴騰している非ロシアの商品がある。これは、現在と将来の制裁関連の汚名に起因する2022年のロシアの供給ショックによるものだ。ゾルタンは、それは売り手のストライキではなく、買い手のストライキだと書いている。彼は、今日のロシアのコモディティは、2008年のサブプライムCDOのようなものだと考えている。逆に、ロシア以外のコモディティは、2008年当時の米国債のようなものだ。一方は値崩れし、もう一方は急騰し、どちら側であってもマージンコールが発生する。"商品ベース "が上昇している。

ゾルタンは、1997年、2008年、2020年の危機から、我々は、誰かが、何らかの形で、常に裏付けを提供しなければならないことを学んだとも指摘した。欧米の中央銀行が「商品ベース」を解消できないのは、自国の主権者が制裁を推進しているからだという。欧米の中央銀行は、「商品ベース」のインフレの影響に対処し、利上げによってインフレを抑制しようとしなければならないが、外部スプレッドを提供することはできず、「ロシア-非ロシア」スプレッドを縮小するためのバランスシートを提供することはできないだろう。商品トレーダーも無理だろう。では、今度は誰が背景を提供するのだろうか、と彼は疑問を投げかける。
ーーーここまでーーー

 

 

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