感想書くのが遅くなっちゃったー!!!城田優ローラを大阪で2回鑑賞。

 

初演と再演の感想はこちら↓作品自体についでは今までたっぷり書いていると思うので割愛。

 

 

 

 

演じる人が代わったことによってまったく異なるキャラクターになり、全体の印象自体が少し変化していた。(もちろんテーマや楽しさは同じだけどね!)

 

城田優のローラは、愛に溢れた優しい人物だった。三浦春馬のローラももちろん愛に溢れていたが、同時に深い影を背負っているようなギリギリ感があった。「厳しさ」とか「覚悟」と言い換えてもいいかもしれない。他人に対して、それ以上に自分に対して厳しいローラの姿からは、父親との葛藤についてもかなりシリアスな過去を彷彿とさせた。

 

城田優にはそれがない。その代わり、すべてを包み込むような大きさがあった。父親との関係も、おそらく大半はとても温かいものだったのだろうと思わせた。どこか他人を寄せ付けない孤高のオーラではなく、ついくっついていきたくなるような親しみ。この城田ローラの温かさは、チャーリーがキレて暴言を吐くところで最大に効いたと思う。城田ローラが(おそらく生まれながらの性質として)前のめりに愛で包み込んでいこうとするキャラクターな分、ローラを貫く言葉の刃が鋭く客席に届いた気がする。

 

歌の要素も大きい。声量がありピッチが安定しているので余裕がある。それも城田ローラが厳しさよりも包容力を醸し出していた要員だと思う。良くも悪くもどこか力が抜けているリラックス感があった。下手に触れたら壊れてしまいそうな繊細さはないが、ドーンとぶつかっても笑って許してくれそうな安心感があった。

 

どうしても巻き肩が気になる部分、踊りの精度という点では物足りないナンバーもあった(特に前半)。その代わり、ローラの余裕が生きてくる後半のナンバーは抜群に良かった(特にWhat a woman wants)。ブロードウェイミュージカル初挑戦という驚きと、ミュージカル役者として十分な経験を積んでいる役者という違いもある。正直に、甲乙つけがたい。力強く厳しいけれどとてつもなく繊細で、愛と信念を持って真っすぐに立っている気迫ある美しいローラも良いし、日だまりのように温かくてどこか放っておけない親しみ溢れる可愛いローラも良い。

 

そう、大切なのは「どちらのローラも良い」ということなのだ。

 

舞台における役柄というのは、色々な人物が演じることを前提としている。誰か【じゃなきゃ】やっちゃいけない役などないし、それは舞台の可能性を狭めることに他ならない。今回ローラを演じるのは相当に勇気が必要なことだったと思うが、彼のおかげで日本におけるローラの未来はまた開かれ、だからこそ初代日本人ローラも未来において本作が上演されるたびに思い起こされ続けることになるのだ。それはね、良いことなんだよ絶対に。

 

なお、私は次のローラには中川大志を推します!!!

 

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