ウエストエンドで観劇三昧!ということで、続いてはこちらを。

 

『&Juliet』というジュークボックスミュージカル。ロミオとジュリエットの派生版のような作品で、2000年代~2010年代のアメリカンポップスを中心に、【もしジュリエットが死んでいなかったら?】という仮定から紡がれていく物語。

 

冒頭で、シェイクスピアが新作『ロミオとジュリエット』の結末を皆に披露。しかし、死んでいるロミオを見つけたジュリエットは自殺するという救いのないラストに周囲は引き気味……するとシェイクスピアの妻が「ジュリエットが死なないバージョンで続きを書こうよ」と言い出し、渋る夫を強引に説き伏せて話を進めていくことになる。

 

死後、ロミオは複数の男女と不適切な関係を結びまくっていたことが判明。寡婦になったジュリエットを両親は修道院に入れようとするが、本人は断固拒否!というわけで、ノンバイナリ―の親友、乳母、そしてなぜかジュリエットの友人役としてちゃっかり出演することにした妻の4人は「パリに行こうぜー!!!」と盛り上がってパリへと旅立つのだが……。

 

とっても良かった!何が良いって、とにかくテンションがめっちゃ高いのが良い。パリへ行こうぜー!!!とブチ上がるシーンはJessie Jの「Domino」が歌われるのだが、ものすごいハッピーな空気になんだかわからないけれど涙が止まらなくなってしまった。

 

 

こんな感じで、とにかくアゲアゲなの。Back Street Boysやジャスティン・ティンバーレイク、ブリトニー・スピアーズにケイティ・ペリーといった楽曲たちは世代ど真ん中でよく知っているし、とにかく強烈なガールズパワーの勢いに劇場中が包まれていることの多幸感たるや!

 

こんなノリなので当然コメディなわけで、笑いどころが多いのも魅力。特に「Teenage Dream」に合わせて繰り広げられるこのシーンは腹を抱えて大爆笑↓

 

 

ストーリーも上手く寝られていて、ジュリエットが自分自身の人生を歩むことを学ぶというメインテーマの他に、シェイクスピア夫婦の課題やノンバイナリ―の親友の悩み、ロミオが自分の傲慢さに気付く過程など、さまざまなテーマが重層的かつ複合的に描かれていく。お見事。

 

さらに、ジュリエットがとにかく魅力的。スタイル抜群、リズム感抜群、歌唱力抜群、愛らしさ抜群、という最強キャラクターで、どの衣裳もウルトラキュート。

 

 

一昔前のポップス、思いっきりコメディ、ゴチャゴチャした世界観ということで、やり方によっては相当ダサくなってしまうところを、絶妙なバランスでイケてるアゲアゲミュージカルに仕立て上げている手腕は見事。言い換えると、もしこれを日本でやる場合はかなり気を付けないと絶望的にダサくなってしまうはず。また、歌詞を生かしたり歌詞を起点にしている展開もけっこうあるので、翻訳はかなり難しいだろう。権利のこともあるから、曲だけ英語にせざるを得ないかもしれないしなー。

 

いやあー、それにしても「I want it that way」がこんなにもテンションを上げるキメ台詞になるとは思わなかったわあ。スッキリデトックスミュージカル!全女性に観てほしいチアアップ作品。おすすめ!

 

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