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カナダからの一時帰国中だった2012年の11月上旬、ついにバラタナゴのピンポイントスポットの情報を入手できたので、この日は早朝から遠賀川水系へ出向いた。

到着後、はやる心を抑えるために車の中で缶コーヒーを飲む。そしてシマノのホリデー小継の穂先三本にたなご専用ウキと新虹鱗タナゴバリの仕掛けを結んだ。エサは迷わずマルキューのヤマベチューブハエを使った。

最初に仕掛けを投入したスポットは深く、横の動きでは親ウキの下の糸ウキにもアタリが出ないほどだった。障害物周りやアシ脇などを探ったがアタリが遠く、やっとあったアタリはモツゴだったりカゼトゲタナゴだったりした。

あまりにもアタリが遠いので、同じポイントの中で 10 メートルほど移動しながら岸辺を覗いていると、偏光グラス越しにうっすらと底が見えるようになり、ヒラ打ちこそないものの、魚の気配が感じられた。

底に大きな石や板片らしきものがあるスポットへ投入。すぐにウキが消しこんだ。だがこれは空振り。おそらくモツゴだろうが、アタリが早いのはいい兆候だ。

この後このスポットからカネヒラのペアやモツゴなどが釣れた。そろそろ本命が来てもいいはずなのだが、と思いながら 30 センチほどスポットをずらして投入。

非常に細かい前振れの後、親ウキがわずかに押さえ込まれた。アワセる。確かな手応えの後上がってきたのは、体型的にはカゼトゲかバラだった。だがくるくる回ってよく見えない。

濡らした手の上に乗せる。ストライプは短く、コバルトブルーではなく黄緑だった。思わず、「やったー!」と叫んでいた。ついにバラタナゴを釣った!

 

 

これで終わってもよかったのだが、もう少しきれいな個体が釣れるかもと思い、同じスポットへ再投入。

そして同じようなアタリで釣れてきたのは、ありがたいことにまたバラタナゴで、しかも一尾目よりも色がはっきりしていた。

 

二尾目のニッポンバラタナゴ。撮影後オートリリースとなった。

 

タイリクバラタナゴの侵入によって純系のニッポンバラタナゴはいずれ野生からはいなくなる運命だが、厳密な顕微鏡的および遺伝的同定による純系ではなくて、腹びれ前縁が白くないという基準でよければ、まだまだ北部九州ではニッポンバラタナゴに出会うことができる。

 

2017年2月に矢部川水系でアブラボテ狙いの外道として釣れたニッポンバラタナゴ系と思われるオス

2018年12月に佐賀のクリークで釣れたニッポンバラタナゴの血の濃さを感じさせるバラタナゴたち

 

2019年4月に佐賀県内で釣った婚姻色を纏ったオス

 

2019年11月下旬に佐賀で釣れたオス

 

2020年1月中旬に佐賀で釣れたメス

 

福岡県内の筑後川水系で釣れたオス

 

ニッポンバラタナゴのハビタット

 

福岡県内の筑後川水系のクリークの一角から冬季に釣れた個体

 

2021年3月中旬に福岡県内の筑後川水系クリークで釣ったバラタナゴ

 

2021年3月中旬に佐賀県内の筑後川水系で釣れたオス(同一個体)

 

2022年3月上旬に筑後川水系で釣ったバラタナゴ 

 

2023年4月下旬に佐賀県内の筑後川水系クリークで釣ったバラタナゴ

 

2023年4月下旬に筑後川水系で釣れたバラタナゴのオス