ボウフィンも随分長いこと追いかけていた魚だった。一番最初にボウフィンを見たのは、オンタリオ湖西端のクーツパラダイスで、岸近くを悠然と泳いでいた。その次がウィンザーのデトロイトリバー支流で、やっぱり岸近くにいた。

これらの釣り場には機会があるごとに足を運んだが、クーツパラダイスの方はその後目にすることは無く、下流の広い水面にボートで出たこともあったが空振りに終わった。デトロイトリバー支流の方は最初に見た時にソフトルアーを目の前で動かしたがダメで、その後は現地調達したスポットテールシャイナーエサ釣りを昼夜行ったが、大きなイエローパーチが釣れただけに終わった。また同じ場所をスピナーベイトなどのルアーで攻めたがやはりダメだった。

その他のスポットとしては、グランドリバー河口近くの水路があった。ここでもスポットテールシャイナーをエサに狙ったが、ブラウンブルヘッドが釣れただけだった。その同じスポットで、2005 年8月上旬に私はロングノーズガーを狙っていた。タックルはライトスピニングに4ポンドモノラインで、メップス2スピナーシルバーブレードを使ったルアー釣りで攻めていた。

そして 数投目でヒット! てっきり初ガーがかかったのかと思い、慎重にやりとりして寄せて来たが、まさかのボウフィンでびっくり。サイズは 27.5 センチと小さかったが、とうとうボウフィンを済ませたという安堵感に包まれた。クラッピーにしてもボウフィンにしても、さんざん探しまわっている時は釣れず、思わぬ時にゲットするものである。

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初めて釣ったボウフィン(アイテールボウフィン)


アミア目アミア科アミア属。一属一種とされていたが、2022年の論文により二種となった。恐竜時代からの生き残りの古代魚である両種の分岐は500万年前から始まる鮮新・更新世に遡る。 ボウフィンとは長い背びれが弓のようなところからその名がついたという。日本では属名のアミアで呼ばれてきた。本種アイテールボウフィン(Amia ocellicauda)のオスは繁殖期になると喉や腹部、腹びれなどがエメラルドグリーンになる。幼魚のうちは尾びれの付け根近くの上半分に黄色やオレンジ色の輪に縁取られた暗色の丸い斑が見られ、眼のようなところから本種名の由来となっているが、成魚になるにつれて不鮮明になり、メスでは消失する。最大全長 109 センチ。カナダではスペリオール湖を除く五大湖とその支流、セントローレンスリバー、ニピシン湖、シムコー湖、およびオンタリオ・マニトバ州境のレイク・オブ・ザ・ウッズに分布している。暖地の湖の藻の多い湾入や、低地の河川の流れの緩いプールやバックウォーターに棲む。35°C までの高水温や濁り、低酸素に耐性があり、空気呼吸ができる。エビ、ザリガニ、小魚やカエルなどを食べるが、エサは必ずしも生きている必要はなく、ガー類と同様、魚の切り身でも釣れる。 さらには、魚である必要もなく、ステーキ用の豚肉でも釣れる

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2013 年 10 月にテネシー州で釣ったアイテールボウフィンとその近影


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2013 年 10 月にジョージア州で釣ったラディボウフィン。タンニンを多く含むいわゆるブラックウォーターに棲んでいるため黒化している。




アイテールボウフィンのハビタット




2013年10月にバージニア州でブルーキャットフィッシュ狙いの外道として釣れたラディボウフィン2尾


アイテールボウフィンの俯瞰


<2023年7月14日記>
2022年11月発表の論文により、ボウフィンはアイテールボウフィン(Amia ocellicauda)とラディボウフィン(Amia calva)の二種に分かれたため、本種名をボウフィンからアイテールボウフィンに変更した。