生きてるだけで

風呂場は汚れ

部屋は散らかり


油断しているうちに

家全体が

とんでもない有り様


拭いても

どうせまた

汚れるんだろ


そんな諦めに

沈んでいく

霞がちな希望


自分が消費したものに

埋もれていく日々

ビー玉の光に

見とれていた


「よくできました」のシールが

まぶしかった


子どもの頃は

ちゃちなかがやきが

何より素敵で


そう思えてた頃の自分を

今はまぶしく感じる

心を深く潜れば

君に逢える気がしてた

何を話さなくても

分かり合えるような気がしてた


心を深く潜れば

僕に逢える気がしてた

自信満々の

自分になれるような気がしてた


心を深く潜り過ぎて

今僕は溺れそうだ

目の前の現実に

あっぷあっぷして

互いを思いやることで

僕らは離れていく

二度と逢えない場所へ


いろんなこと

笑いながら話したけど

一番言いたかったことは

宝物みたいにしまっていた


太陽の温もりが

砂に染み込む涙を

空へ連れていくだろう


僕の知らない未来を生きる

君が幸せであるように

見えないところから見守ってる

遠い国の戦争は

実感なく記憶を通り過ぎていく

胸を痛めた事件や事故も

今では言葉以上に響かない

たった一人の君でさえ

もう関わりあえない人


何から始めたらいいか

優先順位を見失って

付ける宛てのない手は

結局ポケットに収まるんだ

絵だろうが音だろうが

人はそれを言葉で解釈しようとする

好き嫌いの理由を説明しようと


受け止める相手がいて

始めて作品は成立する

結果としてどんなにいびつな姿になっても


歴史と共に持つ意味は変わり

語り継がれるうちに聞き間違えは生じ

もはやそこに作者の心の原型はない


作る者と読み取る者との縮まることのない距離

全てを委ねられず

作る者の悩みは尽きない

自分で落とした食器について

笑ってくれる人も

怒ってくれる人もいない

散らかっている破片を

ただ黙々と拾い上げる


幽霊なんて信じてなかったのに

ちょっとした物音にびくっとして

誰もいない部屋を見渡す

ほっとした後で

また独り


髪を拭き

歯を磨いて

せっせと眠る準備をする

鏡が映し出す孤独を

見ないようにして

照りつける日差しが

飲んだばかりのミネラルウォーターを

あっけなく汗にした


こんなに暑くても

涼しげに着こなさにゃならん

背広姿の営業マン


帽子を頭に

タオルを首に

こまめに水分補給しながら

完全装備で子どもらは夏休みに挑む


地球温暖化という言葉が

頭をよぎりつつも

使わなきゃやってられないクーラー

金魚すくいや

りんご飴

普段だったら

買わないようなものを

買いたくなる雰囲気


何もない場所に

熱を巻き起こせる

踊りや神輿

人々の呼吸


熱狂しても

しなくても

そこに集うことが

祭りを作ってる


川原から空へ

打ち上がる花火が

騒がしい夜を締めくくり

人々は瞬間の

余韻を持ち帰る

涙の後にも

暮らしはある

破壊の後にも

明日はある


どうして

死に

残されていくのか

僕らは


体が

記憶が

遠すぎる過去の

感触を求めてる


言い切れない答えと

宛てのない未来に

言葉をなくした後の

祈り