むきだしの心は

感じたままに走り

全身で大地を感じ取る


転んでは泣いて

起き上がってはまた笑顔

全ての感情にためらいもなく

分け隔てもなく


むきだしの心は

見てるこっちが恥ずかしくなる

それを隠すことに

必死になってきた自分だから

こんなに死んでるのに

どうして

生きているんだ俺は


孤独ぶっても

風が

触れてくるんだ腕に


呆然として

立ちすくむ世界は

途方もなく広い


橋の上を

通り過ぎる電車の音が

耳にこだまする

私の中に

いると信じてた

信じてたのに


外の世界に

出てくるはずだったのに

消えてしまった

あなたがいない


いつか逢える日と

いつも会える日々を

信じてたのに


縁取れないくらいに

薄れてしまった

私の中

あなたがいない

僕らが通り過ぎていく場所に

留まり続ける人


訪れる人を待ち遠しく

待ちながら暮らしている


僕らが忘れゆく場所に

留まり続ける人


何かの拍子に思い出して

戻ってくれば

「おかえり」と言ってくれる


僕らが捨て去る場所を

手入れし続けた人

無口な約束は

闇の中の理想は

誰にも理解されない


たった一人で

守り続ける

彼自身が選んだ

決め事なもんで


素顔を見られぬよう

正体を知られぬよう

内ポケットに夢を隠した

口にすることも

許されない過去を抱いてから

私の中で時が止まった


書き換えられた歴史を上に

未来へ向かう人々を上に

あなたは何度消されたのだろう


変わりゆく街の中で

奪われた過去だけが

今を生き続ける


いつものように玄関の

扉を開いて旅立ったまま

私の元に戻ってこない物語

あの空は今日も気持ちよさげだね
時々うらやましくなるよ
君が

思い出の1ページが破れた瞬間
その痛みは轟音を鳴らして
今も眠れない夜に響くよ

いつかの終わりを
知っていても
まだここにいたい
ここにいよう

あの空を見上げ
君が愛した歌を歌うよ
君が渡りきれなかった青春を
僕は抱きしめて歩くよ
じゃあね

言葉は世界を模倣する

元からある世界よりも

人々は模倣の方に飛びつく


言葉は幻影

捕まえようとしては逃し

追い求めているうちに

実体を見失う


言葉は世界を模倣する

その模倣が世界を作り変える

言葉は生きている

実体が死んだ後も


言葉は展示している

人々が切り捨てていったものの模型

幼い頃に食べた

今はないお店のオムライス

あの味を取っておきたかったのに

思い出せるのは

おいしかったっていう感想だけ


どんな旨い料理でも

記憶することはできない味

ふっと思い出したくなるから

何度も通いつめたりする


あの雰囲気も

あの盛り付けも

一緒になって作り上げた味

取り戻したいのは

あのオムライスだけじゃない


時は過ぎ

貸ビルになったあのレストラン

もう再現できない味にも

「また思い出したい」と

舌は訴えかけてくる

あいつは戻ってきて

そしてまた去っていく

君の前から

僕の前から


僕の本気より

あいつの気まぐれに

君の体は引き寄せられる

抱きしめられることなく

立ち尽くすはめになっても


あいつがどんな奴かって

君にはどうでもいいことだったんだ

僕の存在くらいに


見え透いた善意に

君は去っていく

僕の前から

どこにもいないあいつの元へ