この記事は6133文字です。(読破予想時間:約14分36秒)
■はじめに
コロナ禍でイベントが次々と延期、中止になって、緊急事態宣言の解除後、ようやくライブハウスも活動を再開し始めています。
タイトルをみて内容を読み進めると、嘆きや愚痴の吐露の様に誤解される方もいらっしゃるかもしれませんが、決してそのつもりはありません。
自分の現状を、そのままを記事にしているだけです。
コロナの第一波が過ぎた後、こんな立場になりこんな風に感じている人間がいると言う事を発信する事も、何か意味を持つのかも知れないと思っています。
意味を持たなければ、単に、あってもなくても誰にも害がない記事って事ですので、それはそれで問題はないでしょうし。
それでは、一人の音楽アーティストのコロナの第一波後の話です。
■この記事を書くきっかけは自分のTweetから
僕は、ブログ記事を新しく書いた時はいつもTwitterとFacebookページに更新情報をアップする。
そして、TwitterやFacebookページで紹介する時には、いつもブログ記事の紹介文を書く様にしている。
しかし先日は、紹介文ではなく、過去記事を紹介するのにこんなTweetで記事のシェアをした。
『永遠のネットミュージシャンではダメだと思う』2015.10.16up
— 皆見つかさ (@minami_tsukasa) June 10, 2020
⇒ https://t.co/laEtErUAo7
ここの所、徐々にライブ復帰が進んでて去年のクリスマスイベントでは楽器の演奏だけではなく、とうとうソロでライブで歌う所まできて、今年はもっと前へ進もうと思ってたら新型コロナ。
戻る場所がない・・。
『永遠のネットミュージシャンではダメだと思う』と言う記事の紹介をしたTweetなのだが、Tweet内容はブログ記事の内容を紹介した訳ではない。
この記事を書いたのは2015年なので、新型コロナウイルスはまだ存在していない頃に書いた記事だ。
ただ、コロナ禍になって以降、「また、ネットだけの活動になってしまったな」とふと思って、こんなTweetになってしまったのだ。
今回の記事は、このTweetをもっと深く掘り下げてみようと思って書き始めた記事である。
■自分のソロ活動の近況と経緯
僕は、長年バンド活動とソロ活動の両方を同時にやってきたのだが、数年前にバンド活動をやめて、ソロ1本でやり直すと決めて、全てをリセットしてソロ活動を新たに始めた。
そして、ここまで、アルバム1枚とシングル2曲をリリースしている。
何せ、ソロ1本でやっていくとなると、僕の様にお客さんを呼ぶ事の出来ない人間には、なかなかライブが出来ない。
その中で、2年程前から、色々な楽器の奏者として人前でようやく演奏する機会が出てきて、去年のクリスマスイベントでは、とうとう人前で歌う所まで漕ぎ着けたのだ。
そして、今年は本格的に弾き語りでステージ復帰を目指していたら、いきなりの新型コロナウイルスのパンデミック。
出演予定だったイベントも次々に延期・中止で、ライブハウスも営業自粛で、今年に入って僕はまだ一度も人前で歌ったり演奏したりしていない。
緊急事態宣言も解除され、最近になってようやくライブハウスも徐々に営業を開始し始めている。
■ようやくライブハウスが営業を開始し始めたけれども
ようやくライブハウスが営業開始したと思ったら、そこにはやはり新型コロナウイルスの壁がある。
各自治体が営業再開のガイドラインを出していて、ライブハウスがそれを守りつつ独自の工夫をしていくと言う形だ。
実際に自治体の言った通りの対策だけをしていたとしたら、ライブハウスにお客さんは戻って来ないだろう。
だからこそ、各ライブハウスは独自の工夫を真剣に考え、行っている。
各自治体は、各都道府県民の命を守らなければならないので、音楽と言う芸術・文化を楽しむ空間では従来有り得なかったガイドラインを引いている。
これにケチをつける気はないし、これはこれで仕方がないとは思っている。
悪いのは全てウイルスなのだから。
しかし、そのガイドラインを何も考えずに守るだけなら、そんなライブは観る価値のないものだと、僕には思えてならない。
だから、皆、ガイドラインの遵守によって失われるいくつかの従来のライブ良さの代わりに、また違う良さや楽しみ方を加えようと模索するのだ。
これは、先日書いた、生のライブと真っ向勝負しても、レコーディングやライブ映像ではその良さは、全て伝える事は出来ずに、引き算ばかりになるので、各分野の技術やノウハウで、生のライブとは違った良さを聴かせたり観せたりする工夫を凝らしていると言う話と共通する所だ。
■ガイドラインそのままだとどうなのか
1)マスクをつけて歌う
この話は、どこか忘れたがどこかの県の案だったのか、実際のガイドラインだったのかは忘れたが、ステージに立って歌う歌手もマスク着用と言うのをテレビのニュースで見た記憶がある。
「歌手」と言う表現は、ニュースで言ってた通りに正確に表現したと言うだけの話なので、あまり、幅狭く受け取る必要はないと思う。
マスクで歌うと確かに飛沫は飛ばない。
でも、鍛え上げた一流の歌い手のスコーン!と抜けるハイトーンや、渋く響く中低域など、聴き手にとって、最も酔いしれるポイントがマスクと言うフィルターによって、その響きが制限されてしまうのだ。
個人的には、これはない!
有り得ない!
マスクをつけて歌うのなら、どんな高額なギャラであろうと、どれだけ注目度の高いフェスや番組であろうと僕なら出たくない。
これでは、評判を落としに言っている様なものだ。
まあ、マスクをしていようがしていまいが大して変わらないであろうプロの看板を掲げた歌い手もかなり多いと言う事も事実だし、歌い手の歌をそこまで深く鑑賞しているのではなく、単純にその人が歌っていればそれでいいと言うお客さんがいるのも事実だから、それぞれ考え方は違うと思うが。
2)透明の軟質塩ビのシートでステージと客席を仕切る
これも絶対守らなければならないガイドラインなのか「例えば」と言う話なのかは分からない。
それは、客席に飛沫を飛ばさない様に、ステージと客席の間をビニールシートで仕切ると言うものだ。
この映像もテレビでチラっと観るには観たが観るまでもなく、最初にこうなるだろうと頭の中に浮かんだ光景そのものだった。
スポットライトは屈折して乱反射し、赤やら青やらのライトも軟ビシートに変にぼんやりと映ってしまっている。
きっと、ステージのバックから光る、フラッシュやストロボの効果も思った様には発揮出来ないだろう。
ライブステージとは、ステージそのものが舞台芸術であると僕は考えている。
出演している音楽アーティストや音響さんや照明さんやその他スタッフが魂削って作り出した非日常空間であり、異世界であり、観客が日常を忘れて魅入る事が出来る芸術作品がライブステージなのだ。
透明のビニールシートでステージと観客席の間を仕切った瞬間ににそれは一瞬にして台無しになる。
そう言う意味で僕、個人としての感覚では、ステージと観客席を今までよりもっと離して、少人数のギャラリーでやる方が断然いいと思っている。
■それぞれの工夫
1)ライブ配信
無観客でライブ配信を始めたライブハウスがけっこうある様だ。
一言でライブ配信と言っても、その内容もクオリティーもまちまちだ。
ライブ配信と言っても、有名アーティストのライブをプロフェッショナルが撮っていると思われる映像で配信していて、いわゆるテレビなどのライブ中継に劣らないクオリティーのライブを配信している所もある。
固定カメラで、普段、出演しているいわゆる箱バンが出ていて、YouTubeなどに個人で出している、スマホなどで撮ったライブ映像とさほど変わらないものもある。
クオリティーに関して、だからどうだと言うつもりもなければ、特に腹に何か持っている訳でもない。
ただ、現状を素直にレポートしているだけの事だ。
嘆きでも愚痴でもなくありのまま思った事を書くと「ほんの少し僕は乗り遅れたな」と思っているだけだ。
乗り遅れた件については後述するので後ほど詳しく。
コロナ終息後も、リモートでライブ出演、ライブ配信のたぐいは、おそらく、ライブハウスの一つのあり方として残っていくのではないかと思っている。
2)オーケストラの工夫
先日、緊急事態宣言解除後、初の観客を入れてのコンサートを行ったオーケストラ、京都フィルハーモニー室内合奏団
の映像を見たが、演者は基本マスク姿で、マスクをつけると演奏できない吹奏楽器などのパートの人は、他のパートとの間をアクリル板で仕切って、上手に配置して演奏していた。
大きなホールなので、観客席への飛沫は心配ないだろう。
そして、観客は2メートルの距離を確保してマスク着用。
お客さん達は凄く喜んでいた様だ。
これは、コロナ終息後には残る形ではないが、ジャンルに関係なくやる人はどんどん工夫をしながら前へ進んでいるなと感じさせられる。
■無観客ライブはチャンスだったかもしれない
ライブハウスでのリモート出演について後述すると言っていた件について。
先ほど書いた、僕が出演した去年のクリスマスイベントの話。
去年のクリスマスにライブ勘を取り戻すためにエントリーしたのがそのクリスマスイベントだったのだが、その頃には、まだ話題にはなっていなかったが、実は既に中国の武漢では新型コロナウイルスが人に感染していたのだ。
つまり、今、ライブハウスにリモートで出演させて貰うには、その頃には、数件のライブハウスに顔と歌声と曲と演奏を知って貰っている必要があったと言う事になるのだ。
そんなタイミングを読める人間などいる筈もなく、これはついてないなと思っていると言う話だ。
本当に愚痴ではない。
僕の様なお客さんを呼ぶ事が出来ない音楽アーティストにとっては、無観客でライブを配信して貰えるなんて願ったり叶ったりの大きなチャンスだ。
YouTubeなどで観客なしで生演奏している動画をアップロードしたりしてみたが、やはり、自分で三脚を使ってデジカメで撮影しただけの動画は、熱や迫力やその他諸々、映像からは伝わらないものが多すぎて、寧ろ、マイナスイメージだと思って今は更新はしていない。
しかし、いくつかのライブハウスのライブ配信を見ると映像が本当にテレビのライブ中継並みの映像で、これならば、是非ともやらせて貰いたいと思った次第であるが、そこは、先述の通り、タイミングを逸してしまったなと言うのが正直な感想だ。
■今年戻る予定だった場所
そして、記事タイトル『コロナで戻る場所がなくなったある音楽アーティストの話』に戻ってくるのだが、ある音楽アーティストとは僕の事だ。
僕の今年の予定は、歌い手としてステージ復帰する予定だったのだが、コロナ禍で、その戻る筈だった場所がなくなってしまったのが今の状態だ。
もう一度言うが、歌い手としてだけではなく、一切のライブを今年に入ってまだ一度もしていないし、その予定もない。
それでもいつかは戻る場所なので、その時に備えて、変わらずリハーサルは重ねていくつもりだ。
■最後に
取り敢えず、コロナ禍にあって、その真っ只中の5月15日に1stアルバム『解放』の再リリースが出来た事は、戻る場所がなくなった僕の心の隙間を埋めてくれる材料にはなっています。
気休めに過ぎないのかも知れませんが。
これによって、ネット上では、音楽アーティストとしてやるべき事が色々出来ましたのでね。
そして、次の行動をじっくり考えます。
こんな時ですから、皆さんも、おうちで音楽を聴き込んでみてはいかがですが。
コロナ後のライブで弾ける為にも、コロナ後のカラオケで弾ける為にも。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
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