この記事は3101文字です。(読破予想時間:約7分13秒)
『ラストレター「1リットルの涙」亜也の58通の手紙』、読みました。
ラストレター「1リットルの涙」亜也の58通の手紙/木藤亜也
と言っても、読んだのは『1リットルの涙』を読んだすぐ後なので、読んでから随分日が経ちますが。
◇『1リットルの涙』を読んだ感想や受けた影響を語ろう!
最初にずばり結論を言いますと、読んで良かったと思ってます。
『1リットルの涙』を読んで良かったと感じている方にはオススメの作品です。
『1リットルの涙』と言う本は、脊髄小脳変性症と言う難病と闘い続けた木藤亜也ちゃんと言う少女の日記なのですが、『1リットルの涙』のドラマ・映画・本の比較レビュー記事でも書いた通り、僕がもっともっと亜也ちゃんの話が聞きたい、話がしたいと思って『ラストレター』を読んだのですが、その欲求に答えるかの如くその内容は、また違った亜也ちゃんの一面を見せてくれる内容でした。
◇1リットルの涙、日記・ドラマ・映画の3人の亜也ちゃん
『1リットルの涙』は先述の通り日記なのですが、この『ラストレター』と言う本は、亜也ちゃんが3人の親友に宛てて書いた手紙です。
親友だからこそ話せる話や、家族相手とは違った甘え方だとか、友達だけに見せる弱い部分や愚痴など、『1リットルの涙』では見る事が出来なかった顔を見せてくれます。
『1リットルの涙』の内容と繋がる話が手紙に書かれていたりして、「あ、あの話だ!」だとか「ああ、そう言う事だったのか」と思う場面もあって、日記の理解を更に深めたり広げたりしてくれる内容でもありました。
『1リットルの涙』ではイニシャルだった友達の名前もキチンと書かれていて、親友達のキャラクターもより濃く理解出来て、とても身近に感じられる様になりました。
『ラストレター』は、『1リットルの涙』があってその後発売された書籍です。
いろんな意味で、この『ラストレター』は『1リットルの涙』と深く繋がっている本です。
なので、この記事を読んで『ラストレター』に興味を持たれた方は、先に『1リットルの涙』から読まれる事をお勧めします。
この記事は前回の『1リットルの涙』の時とは違い、レビューと言うよりオススメ要素が強い為、『ラストレター』本編についてのネタバレに繋がる話は書かない様にしましたが、ここから先の20年後の親友からの手紙についてはネタバレが入ります。
ここから先を読まれるかどうかのご判断は、読者のみなさんにおまかせしようと思います。
3人の親友達は今も元気にされている様なので、本来なら年上の大人の女性として敬称には気を遣うべき所なのでしょうけど、失礼ながらここは敢えて、当時、亜也ちゃんが呼んでいたままの「ちゃん付け」で呼ばせて頂こうと思います。
この本のあとがき前のラストに、亜也ちゃんが亡くなった20年後、3人の親友が亡き亜也ちゃんに宛てた手紙が掲載されています。
そこで、親友の一人ようこちゃんは、『1リットルの涙』も亜也ちゃんのお母さんがその後書かれた本も長い間読む事が出来なかったと言ってます。
やっぱりそうなのかと思うのと同時に、亜也ちゃんが東高を去る時の気持ちにようこちゃんは気付いていたんだと言う事に僕は救われた気がしました。
亜也ちゃんは日記に「亜也行かないで!」とみんなに言って欲しかったと書いてましたが、それは思っていてもなかなか安易に、無責任に口に出来る言葉ではありません。
僕もようこちゃんの様な立場で亜也ちゃんの様な立場の友達を見送る時、きっと口にはしないし出来ないだろうと思える言葉です。
でも、言わなかった事を後で後悔するかも知れないそんな言葉です。
亜子ちゃんは、自分の手紙の内容について後悔を綴ってます。
亜也ちゃんがやりたくても出来なくなった事や、亜也ちゃんの行けなかった大学や卒業したかった東高での話を手紙に綴った事を恥じていると書いてます。
どうしてあの時の亜也ちゃんの気持ちを分かってあげる事が出来なかったのかと後悔を滲ませてました。
でも、僕はそれで良かったんじゃないかと思っています。
それだから良かったのだと思っています。
勿論、自分が果たしかった夢が本当の夢に終わった事は悔しい事だと思います。
しかし、親友である亜子ちゃんがその果たせなかった夢を体験してそれを語ってくれる事は嬉しかったのではないでしょうか?
親友だからこそ、自分の代わりに体験してくれてる様な気持ちもあるでしょうし、それを屈託なく話してくれる亜子ちゃんの話だからこそ、読んでて嬉しく楽しいと言うか、上手く言えないけどそんな感じだったのではないでしょうか。
変に気を遣って、亜也ちゃんの出来なかった事を隠したりせずに話してくれる亜子ちゃんだからこそ、亜也ちゃんはいろいろ心を救われたりしたんじゃないのかなって思います。
そこで変な気を遣う事って、哀れみであり、もう友達と言う同じラインには立てていない事を意味するのではないでしょうか?
つまりは、そんな亜子ちゃんだから、意識するしないに関わらず、亜子ちゃんは亜也ちゃんの友達であり続けたのだと思います。
最後に佳子ちゃん。
佳子ちゃんも、今でも1リットルの涙を読む時は覚悟がいると書いてます。
これも、やっぱりそうなんだと深く思った部分です。
佳子ちゃんも亜也ちゃんが東高を去った時に、亜也ちゃんをどうして引き止めてあげなかったのか、どうして一緒に東高で頑張ろうと言ってあげられなかったのかと後悔を滲ませてます。
でも、僕の意見はようこちゃんの手紙に対して書いたものと同じです。
そして佳子ちゃんは亜也ちゃんと出会った意味をちゃんと考え、感じて、キチンとそれを意味のあるものとなる様、子供達に伝えると言う事でその思いを実践されてます。
きっと、この3人の親友の皆さんは、出会うべくして亜也ちゃんと出会ったのでしょう。
出会いには、大きな意味があったのでしょう。
そして、それぞれがその意味を深く考え、感じながら、それぞれその意味を大切にして生きておられる様です。
何の罪もない少女が難病に突然冒され、最後まで必死に闘うも若くして天に召されてしまうと言う何の救いもない残酷な、現実にあったこの話に、この本は救いをもたらせてくれました。
その救いと言うのは他でもありません。
この3人の親友の存在と彼女達のその思いです。
日記は当然著者である亜也ちゃんからの視点だけなので、日記を読んだだけでは親友達の本当の思いは分かりませんし、親友達の思いは読み手の想像で推し量る以外にありません。
それぞれご本人の思いを、ご本人が語っておられるこの手紙は、読者である僕にとってはとても価値のあるものでした。
そして、今でも亜也ちゃんの手紙を大切に保管されてたからこそ、亜也ちゃんのお母さんがこの本を出版する事が出来たのだと言う点には感動を覚えました。
そして、僕は亜也ちゃんの死後、本を通じて木藤亜也ちゃんと言う女の子がかつてこの世に存在した事を知った訳ですが、その事にも意味があると思えてなりません。
本当に読んで良かったです。
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
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