この記事は3729文字です。(読破予想時間:約8分52秒)
こんな事を初心者で悩む人がいるのかどうか疑問だが、今になって、プチ苦労を自分がしてるので、楽器を持つ高さについて書いておこうと思う。
逆に、ありがちな悩みについてなら、今時、いろんな人が解決策をアップしてるので、こういう体験からくる少数派であろう悩みの方が、むしろ、一人でも二人でもこういうのを知りたかったって人がいるかもしれないし、そういう人の為にあげておく事にする。
誰にも読まれなければ、それはそれでかまわない。
では、本題に移らせて貰う。
ギターやベースを弾く時、立って弾くならストラップの長さを調整して、高さを決めなければならない。
毎回、ギターやベースと書くのは面倒なので、ベースもギターの一種である事だし、ここから先はギターとだけ書かせて貰う事にするので、これからベーシストを目指そうって人や今現在ベーシストであるって人は、脳内でギターをベースに変換して読んで欲しい。
初心者の時、僕がギターを覚えるのに読んだ本の中には、座って弾いてる時の高さと同じになる様にストラップの高さを調節するのが望ましいと書いてあった本があったのを覚えている。
今でもこれが間違っているとは思っていないが、自分の考え方とは違う。
実際、座って弾いてる時の高さって、ストラップを調節して、その位置のままギターを抱えて立ち上がってみれば分かるのだが、案外ギターの位置が高い。
ほぼ、ギターが胸元に来る。
いろんな高さに調節してみれば分かる事なのだが、確かにその位置がダントツ一番に弾きやすい。
でも、プロの有名ギターリストの映像や画像を見るなり、姿を思い出すなりして欲しい。
ほとんどのロックバンドのギタリストは、もっと低い位置でギターを構えている事に気付く筈だ。
勿論、例外もいるにはいるが。
そこで、ギターを胸元に抱えてる場合って、ジャンルが限られてる事に気付いた人は、なかなか鋭い。
演歌・歌謡曲系の流しスタイルとかフュージョン系の人は、ギターをけっこう高い位置で構える。
演歌・歌謡曲系の場合は、弾きやすさを重視したそういう時代だったのだろう。
そして、フュージョン系の場合、超絶なテクニックを必要とする事がジャンル的にも多いので、このギターの位置も、必然と言えるだろう。
そして、この手のジャンルがそんな風に構えていても全く違和感はないし、文句もない。
バンドマン全体を見渡した時、最も低い位置で楽器を構えるジャンルと言えば、おそらく、パンク系だと思うのだが、パンクが胸元でギターやベースを抱えてたら、これは相当な違和感があるだろう。
はっきり言うと、ブサイクで格好悪いと正直思ってしまう。
とっさに心の中で「ダサっ!」って呟くのはほぼ鉄板だろう。
逆に演歌やフュージョン系のプレイヤーがパンク並みに低い位置で弾いてたら、おそらく違和感もあるし、同じくきっと、痛い、ダサいプレイヤーに見えてしまうだろう。
昔、僕は18才か19才くらいの時、3つ上の先輩に「格好つけてたらアカンぞ。そんなんでちゃんと弾けるか!もっと楽器を上にあげろ」って言われた事がある。
確かに、当時の僕より、その時はその人の方がキャリアもあって上手かったが、何をどんなスタイルで弾くかまで、命令される筋合いもなかったので、全く従う気もなかったが。
でも、ハッキリ言わせてもらうと、ロックやポップスやってんだぞ!?
「見た目はめちゃくちゃ大事だろ!」と言いたい。
ロックなどのポピュラーミュージックをやるのに、「格好をつけたらダメ」だとか、全く意味が分からない。
確かその時、心の中では「この人上手いけど、この人はダメだ」って思った事を覚えている。
まるで、これからステージに立ってバンドでロックをやろうって時に、「人前に出るのにそのハデな服装と髪型はなんだ!」って言われてる様な妙な気分がした。
弾きやすさを取るか、見た目にこだわるか、その両方のバランスをとるかは人それぞれだろう。
ダサいと思うのも格好いいと思うのも、僕個人の感性だし、お互いそれを押し付ける事自体、何かおかしいと大きな違和感を感じた。
その後、その先輩は、しばらくでバンドなんてやらなくなってしまった様だが、今となってはどうでもいいし、今現在、どうしているかも知らないし興味も無い。
先程の文中では、ロックやポップスなどポピュラーミュージック全般を含ませて貰ったが、結局、この話の中に出て来た、ロックをやろうとしてるんだって所に話の核心がある。
それを言いたいが為、必要な話なので例としてあげさせて貰ったが正直、今の今まで完全に忘れてた話だ。
日本では、ギター一本で弾き語りをしてると、フォークのイメージがいまだに強くあって、ロックと一線を画すところがあるが、ボブ・ディランを筆頭に、日本のフォークに影響を与えたアーティスト達も、ロックの王道である事は間違いない。
ここでのロックは、そんな幅の広い本場USロックの価値観で見て欲しい。
日本のフォークと欧米のフォークの違いについてはまた別の機会に詳しく話したいとは思っているが、今は、このまま話を進める事にする。
座って(高い位置にギターを構えて)弾くのと、立って低い位置で弾くのと、そんなに違うの?と初心者の人は思うだろう。
これは、手首の柔軟性とか腕の長さとか身体的な特徴の違いで大きく変わるので、個人差はあると思うが、確かに違う。
僕は、手首はかなり柔らかい方なのだが、それでも、ギターを高い位置に持ってくると弾きやすいと感じる。
というより、どちらかと言えば、僕は初心者の頃から座ってばかり練習してたので、それが弾きやすいと言うより、立って低い位置で構えると弾きにくいと言う印象だ。
座って弾き語るスタイルとか、一部のブルーススタイルの様に座ってしか弾かないって人なら、それでいいと思うが、バンドでロックやポップスをやりたいのなら、ある程度、最初から立って弾く事を視野に入れて練習した方がいいと思う。
僕は、最初に覚えた楽器がアコースティックギターだったので、バンドで立って弾く事を視野に入れて、どの高さで持つべきか初めに考え抜いたのは、アコギの次に覚えたベースでの事だった。
結論として、現在のスタイルになっているのは、ブサイクに見えないギリギリの線まで楽器を下げて弾くスタイル。
どの辺りがダサくないギリギリの線か、かなり迷った覚えがある。
ちなみにエレキギターは、ベースより低く構えている。
ベースはそうして初心者のうちから、立って弾く事を視野にいれてたので、苦痛はないが、アコギは違う。
よく考えると、アコギを人前で立って演奏する事なんて、ほとんどなかったので実は立って弾く事を意識する様になったのは、ごく最近の事である。
アコギを人前で弾く時はいつも、一人で座って弾き語りしてるか、3人くらいで座ってブルースを演奏してるかってくらいだったので、一番キャリアが長い楽器でありながら、立って弾くのが弾きにくいと感じる唯一の弦楽器になっている。
その体験があるので、初心者の人には、最初から立つ事を意識した楽器の位置決めと練習をオススメしている次第である。
あとで、苦労するより、苦労はまとめて最初にしておいた方が絶対にいい。
と言うより、一旦身に付けた癖を後から矯正するのはもの凄く大変だし、最初からそのスタイルを身につけるのは、たいした苦労を伴わないので、最初から弾く位置は決めとおいた方がいいと言うのが正しい表現なのかもしれない。
少し話は戻るが、ではどれくらいの楽器の高さが丁度いいのかと言うと、決してブサイクにならないギリギリのラインをオススメしてる訳ではない。
憧れてるいろんなアーティストの楽器の位置を、VTRなんかで確認しながら、自分のスタイルを決めていけばいいのではないかと思う。
弾きやすさと格好良さのバランスを何度も調整してるうちに自然とその人に合った、その人らしいベストな位置が見つかると思うので、いろいろ楽しんで前へ進んで欲しい。
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