日米外相会談: 対北圧力に期限区切った麻生外相の真意
1日(日本時間)の日米外相会談は、北朝鮮が核廃棄に向けた「初期段階の措置」を早期履行しなければ圧力強化すべきだとの考えで一致、歩調を合わせて北朝鮮をけん制した。これを受け、麻生太郎外相は「数日の間に答えが出ないなら」と記者団に語ったが、数日以内に事態が動くことは考えにくい。政府内は「制裁カードは切り尽くした」との意見が大勢で、期限を区切った外相発言は、対北融和路線に傾く米国務省へのメッセージとの見方が出ている。
北朝鮮による昨年7月の弾道ミサイル発射、同10月の核実験を受け、政府は(1)北朝鮮からの全品目の輸入禁止(2)北朝鮮籍船舶の全面入港禁止(3)同国民の原則入国禁止--などの制裁措置を単独で実施。また、北朝鮮のミサイルに関係する企業など(15団体1個人)の口座凍結などを国際的な連携の下で行っている。
これ以上の制裁は、全面輸出禁止や在日朝鮮人の再入国禁止などが浮かんでいるが、内閣官房幹部が「これでは戦争状態になる」と述べるなど現実的選択肢とはなっていない。国連も制裁決議に基づき、核開発関連の金融制裁リストを作成しているが、難航中だ。
こうした中での日米外相会談に対し、日本政府は「『圧力路線』で連携することが重要」との姿勢で臨み、意見の一致は一定の成果だった。
しかし、期限を区切るのは外務省などには想定外だったとみられ、同行筋は「大臣が何かおっしゃったのであれば、おっしゃった通り」と説明するにとどまった。麻生外相は会談でも、ブッシュ米大統領が先の首脳会談で圧力強化を訴えたことに触れ、「大統領の言葉を非常に大事にしている」と述べており、ライス国務長官にクギを刺すことにも重点を置きたかったようだ。【ワシントン中田卓二、小山由宇】
毎日新聞 2007年5月1日 21時37分 (最終更新時間 5月1日 21時38分
日米外相会談:対北圧力に期限区切った麻生外相の真意-その他:MSN毎日インタラクティブ
米、北のテロ支援国指定を継続 ただし記述は簡素化
【ワシントン=有元隆志】米国務省は30日、2006年版の国際テロ活動に関する国別報告をまとめた。北朝鮮は引き続き、テロ支援国家として明記された。報告では、「日本政府は北朝鮮の国家機関によって拉致されたと信じられている日本人12人の安否の詳しい説明を求め続けている」と指摘し、日本人拉致事件をテロ支援国家指定の理由として挙げた。北朝鮮のほかイラン、シリア、スーダン、キューバの5カ国がテロ支援国家に指定された。昨年5月に米国が国交正常化したリビアは、リストから外された。
報告では北朝鮮について、1987年の大韓航空機爆破事件以降、テロリストの活動を支援したとは知られていないとする一方で、拉致事件のほか、1970年に日航機よど号乗っ取り事件を起こした元赤軍派4人をかくまい続けていると非難した。2月の6カ国協議で、北朝鮮を指定から解除するための作業を開始することが合意文書に盛り込まれたことも記された。
日本国内には作業開始合意を受けて、直ちに指定解除されるのでは、との懸念も出ていた。
ブッシュ大統領は27日の日米首脳会談で、指定解除に慎重な対応を求めた安倍晋三首相に対し、「拉致問題を考慮に入れる」と述べ、進展がない限り、指定は解除しないとの方針を伝えていた。
報告は米側の説明を裏付けたもので、日本側の懸念はひとまず解消された。
ただ、昨年までに比べると簡素化した説明となっている。2005年版では、拉致事件を先に記したが、今回はよど号事件の後に言及されている。理由について問われた国務省担当者は「深読みしすぎないように」と述べるに止まった。
拉致被害者家族会などの活動により、国務省は2003年版に初めて、テロ指定の理由として、拉致事件を挙げた。それ以降、毎年の報告で拉致について言及している。
(2007/05/01 15:44)
米、北のテロ支援国指定を継続 ただし記述は簡素化|米国|国際|Sankei WEB
韓国 拉致優先の日本に懸念
韓国のソン・ミンスン外交通商相は、拉致問題を最優先する日本の立場に懸念を示し、北朝鮮の核問題の解決にまず取り組むことが、拉致問題の解決にもつながるという考えを示しました。
これは、ソン・ミンスン外交通商相が、1日、ソウルで自民党の加藤元幹事長らと会談した際に述べたものです。この中でソン外交通商相は、「日本は『拉致問題の解決なくしてほかの問題の解決はない』というが、それでは話が進まない」と述べ、拉致問題を最優先する日本の立場に懸念を示しました。そのうえで、「各国が北を対話の場に引き出し、関係正常化を議論する中で自然に解決される」と述べ、まず核問題を解決することがひいては拉致問題の解決にもつながるという考えを示しました。これに対して加藤元幹事長は、「核問題と拉致問題は分けて取り組む必要がある」と述べ、韓国側の考えに同意したということです。一方、これに先立ち、韓国のイ・ジェジョン統一相は、加藤元幹事長らとの会談で、「韓国でも400人以上の拉致被害者がいるが、私たちはまず核問題の解決に向けて取り組んでいる」と述べました。韓国政府としては、 日本の国会議員との会談を通じて、拉致問題における日本側の立場に強い懸念を示した形となりました。
NHKニュース