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拉致被害者の家族らは、9日夜、政府の担当者から日朝の政府間協議の説明を受けたあと記者会見し、こう着する協議を打開するためにはもはや経済制裁しかないと訴えました。
拉致被害者の家族らは、9日夜、内閣府を訪れ、日朝の政府間協議に出席した外務省アジア大洋州局の梅田邦夫参事官らから今回の協議について説明を受けました。それによりますと、拉致問題について日本側が生存者の帰国や容疑者の引き渡しを求めたのに対して、北朝鮮側はまったく応じず、横田めぐみさんのものとして提出した遺骨の鑑定について「偽物だというのなら速やかに返還すべきだ」と主張するなど、協議は平行線のまま終わったということです。この後、家族は記者会見し、家族会代表の横田滋さんは「いくら協議を繰り返しても時間かせぎが続くのでは意味がなく、政府にはやはり経済制裁をお願いしたい。圧力がなければ北朝鮮との協議は進まない」と話しました。また、事務局長の増元照明さんは「今後の北朝鮮の対応に誠意はあるのか見極め、誠意がなければどう対応していくのか家族にはっきりと示してほしい」と訴えました。さらに横田早紀江さんは「北朝鮮との外交は難しいと思いますが、『拉致問題の解決なくして国交正常化はない』という姿勢を最後まで貫いてほしい。世界からみてもとんでもないことをやっているのだとはっきりと突きつけていただきたい」と話しました。
NHKニュース 日本と北朝鮮の政府間対話が8日、対話継続を確認しただけで終了した。今回は日本人拉致、核・ミサイル、国交正常化の三つのテーマを個別に話し合う並行協議方式を取り入れたが、話し合いは後退した印象すらある。このままでは進展は望みがたい。対話と並行して米国とともに様々の圧力を強め、北朝鮮を揺さぶる必要がありそうだ。
拉致問題は10時間余り話し合った。日本は生存者の帰国や事件の真相究明、拉致実行犯とされる辛光洙(シン・グァンス)容疑者らの引き渡しを求めた。北朝鮮はこれを拒否するばかりか、北が横田めぐみさんのものとして提供した「遺骨」の返還や、日本の脱北者支援の非政府組織(NGO)関係者7人の引き渡しを求めた。
国交正常化交渉で、北朝鮮は「過去の清算が重要」として「強制連行」や従軍慰安婦問題での補償を求めた。日朝平壌宣言では、日本が植民地支配を反省して各種の経済協力を行うことで合意していたが、北は要求をつり上げた形だ。
核・ミサイル問題で日本は6カ国協議への復帰を求めたが、北朝鮮は「米国が金融制裁を解除しなければ応じない」として、日本が米国に解除を働きかけるよう求めた。北は三つのテーマすべてで新たな要求を持ち出し、平壌宣言から後退した。
理由はいくつか考えられる。帰国した被害者の証言などから拉致の真相が少しずつ明らかになりつつある。これ以上、日本側の要求に応じると金正日総書記が指揮したとの見方が多い拉致の全容が判明し、政権に与えるダメージが大きい。
そこで日本側が到底受け入れられない新たな要求を持ち出して、相手の矛先をかわす。しかし協議をやめるわけにはいかない。小泉政権が続く間に国交正常化と援助獲得へのレールを固めたいし、米国の金融制裁解除に日本を利用したい。
日本は「対話と圧力」のうち圧力を強める時だ。米国の金融制裁に積極協力して北朝鮮のドル札偽造などの不法行為を厳しく取り締まる。日本は北朝鮮への送金や船舶の入港を規制できる二つの法律を有している。次回協議では経済制裁も辞さない強い姿勢で譲歩を引き出すべきだ。
NIKKEI NET:社説・春秋 ニュース 拉致、国交正常化、核・ミサイル問題に関する日朝並行協議は、肝心の拉致問題が解決に向けて一歩も進展しないまま閉幕した。
この並行協議方式は、北朝鮮を協議の場に引き出すために日本が提案したものだ。日本は三つのテーマを同時並行で協議する態勢で臨んだが、北が「一日に複数のテーマを扱うのは希望しない」と主張し、各テーマを一日ごとに分けて協議する方式で行われた。
その結果、北は各テーマで一方的な主張を繰り返すだけで、全く誠意を見せなかった。拉致問題では、日本が被害者の帰国や実行犯の引き渡しを求めたのに対し、北は非政府組織(NGO)の脱北支援活動を「拉致だ」として支援者ら七人の引き渡しを要求し、横田めぐみさんのものとして出してきた偽遺骨の返還まで求めてきた。
最優先課題である拉致問題で、北の時間稼ぎを許さないためには、北のペースになってしまった今回の並行協議方式も含め、対北外交戦略を練り直す必要があろう。
安倍晋三官房長官は先月下旬の衆院本会議で、経済制裁について「いかなる措置をいかなるタイミングで講じるかが重要だ」と述べた。北の度重なる不誠実な対応に経済制裁も辞さないという決意をにじませたものだろう。
いよいよ、その制裁のタイミングを考える時期が近づいたといえる。
日本には、北への送金停止などを可能にする改正外為法と万景峰号などの入港を禁止する特別措置法がある。拉致問題で、北に期限を切って回答を迫り、回答の中身によってどの法律をどう適用するかの具体策を、政府内で改めて真剣に検討すべきである。
核・ミサイル問題でも、北は「米国の金融制裁解除がなければ、六カ国協議には復帰できない」と主張し、日本に米国への制裁解除の働きかけを求めてきた。米国の制裁は、北のマネーロンダリング(資金洗浄)に対する措置だ。日本が北の理不尽な要求をすべてはねつけたことは評価できる。
北の国家犯罪は、拉致やマネーロンダリングだけではない。紙幣偽造や覚醒(かくせい)剤密売、偽ブランドたばこなど北のあらゆる不正に対し、日米が一層、緊密に連携し、監視体制を強めていかねばならない。
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Sankei Web 産経朝刊 主張(02/10 05:00)
