【主張】日朝協議 制裁の時が近づいている | trycomp2のブログ

【主張】日朝協議 制裁の時が近づいている

 拉致、国交正常化、核・ミサイル問題に関する日朝並行協議は、肝心の拉致問題が解決に向けて一歩も進展しないまま閉幕した。

 この並行協議方式は、北朝鮮を協議の場に引き出すために日本が提案したものだ。日本は三つのテーマを同時並行で協議する態勢で臨んだが、北が「一日に複数のテーマを扱うのは希望しない」と主張し、各テーマを一日ごとに分けて協議する方式で行われた。

 その結果、北は各テーマで一方的な主張を繰り返すだけで、全く誠意を見せなかった。拉致問題では、日本が被害者の帰国や実行犯の引き渡しを求めたのに対し、北は非政府組織(NGO)の脱北支援活動を「拉致だ」として支援者ら七人の引き渡しを要求し、横田めぐみさんのものとして出してきた偽遺骨の返還まで求めてきた。

 最優先課題である拉致問題で、北の時間稼ぎを許さないためには、北のペースになってしまった今回の並行協議方式も含め、対北外交戦略を練り直す必要があろう。

 安倍晋三官房長官は先月下旬の衆院本会議で、経済制裁について「いかなる措置をいかなるタイミングで講じるかが重要だ」と述べた。北の度重なる不誠実な対応に経済制裁も辞さないという決意をにじませたものだろう。

 いよいよ、その制裁のタイミングを考える時期が近づいたといえる。

 日本には、北への送金停止などを可能にする改正外為法と万景峰号などの入港を禁止する特別措置法がある。拉致問題で、北に期限を切って回答を迫り、回答の中身によってどの法律をどう適用するかの具体策を、政府内で改めて真剣に検討すべきである。

 核・ミサイル問題でも、北は「米国の金融制裁解除がなければ、六カ国協議には復帰できない」と主張し、日本に米国への制裁解除の働きかけを求めてきた。米国の制裁は、北のマネーロンダリング(資金洗浄)に対する措置だ。日本が北の理不尽な要求をすべてはねつけたことは評価できる。

 北の国家犯罪は、拉致やマネーロンダリングだけではない。紙幣偽造や覚醒(かくせい)剤密売、偽ブランドたばこなど北のあらゆる不正に対し、日米が一層、緊密に連携し、監視体制を強めていかねばならない。

Sankei Web 産経朝刊 主張(02/10 05:00)