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抑圧…改善へ圧力強める
【ワシントン=山本秀也】ブッシュ米大統領が十一日、中国の人権活動家をホワイトハウスに招いた異例の面会は、予定の倍に相当する一時間以上に達した。ブッシュ政権は、脱北者の処遇を含めた人権問題に対する中国政府の冷淡な姿勢に不信感を募らせており、この日の面会は、人権状況で中国に圧力を加える同政権のシグナルとなった。
ブッシュ大統領と会ったのは、反体制作家、余傑氏▽成都大学法学講師、王怡氏▽弁護士、李柏光氏。三氏は官製宗教団体に属さない「中国家庭教会」(いわゆる「地下教会」)のキリスト教徒であり、言論や社会活動のほか、自由な信仰そのものが抑圧の理由になるという、米国社会に最も人権問題をアピールしやすい事情を抱えていた。
面会で三氏は、中国国内で発禁処分となった余氏の散文集「光と影」や、地下教会の活動ぶりを収めたDVD「十字架-中国のイエス」を大統領に贈ったようだ。ホワイトハウスは、三氏と歓談する大統領の写真をウェブサイトで公開した。
ブッシュ政権は、先月末に日本の拉致被害者家族、横田早紀江さんとともに、中国・瀋陽の日本総領事館から中国の武装警察官に連行されたハンミちゃんら脱北者もホワイトハウスに招くなど、中国の人権問題にかかわる人物を選んで大統領の面会を繰り返していた。
ここにきてブッシュ政権が中国の人権状況に関与を強め始めた背景には、中国が国内で拘束した女性脱北者、キム・チュンヒさんを北朝鮮に送還した事件が絡む。
ホワイトハウスは今年三月三十日、この事件での中国側の送還処分に対し「重大な懸念」を表明する報道官声明を発表。四月の米中首脳会談でも、この事件にブッシュ大統領が直接、言及して中国側にこの事件での善処と人権状況の改善を迫ったが、「中国側がほとんど米側の要求を無視した状態」(消息筋)といい、ブッシュ政権のいらだちを誘う結果となった。
人権問題については、中国の役割を大幅に認め、国際社会での責任ある「ステークホルダー(利害共有者)」とすることを掲げるゼーリック国務副長官も、労働者の権利保護のため、中国国内での「自由労組の結成」が望ましいとの考えを下院国際関係委員会で表明していた。
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≪中国、国際社会の非難無視≫
米政府はこれまでも一貫して中国の人権状況に厳しい姿勢を示してきた。中国における人権侵害が大きく注目されたのは一九八九年の天安門事件。西側諸国は経済制裁に踏み切るなど中国政府を強く非難したが、その後も米国が中心となり「人権状況の改善」と「自由の拡大」を中国当局に求め続けている。しかし、江沢民、胡錦濤指導部はいずれも要求を拒否し続けたままだ。
最も批判を集めている人権侵害問題としては、(1)キリスト教など宗教団体の活動に対する政府の管理、干渉(2)気功団体「法輪功」の活動禁止と、メンバーの不当逮捕(3)チベットにおける宗教、民族弾圧(4)多くの死刑囚の臓器移植(5)民主活動家やジャーナリストなどの不当な身柄拘束-などが挙げられる。
最近では、政治情報などを規制するためインターネットの検閲体制を強化したことや、自由に言論を発表したメディアを締め付けたことが米中間の新たな問題として浮上している。(矢板明夫)
(産経新聞) - 5月13日3時5分更新
Yahoo!ニュース - 産経新聞 - 米大統領、中国人権活動家と面会 進まぬ対応不信感上杉隆(ジャーナリスト)
「毎日、聖書の上に手を置き、祈っている。めぐみさんが無事に帰ってくるよう、共に祈りたい」
4月28日、ブッシュ米大統領は、同じクリスチャンでもある、拉致被害者横田めぐみさんの母早紀江さんを前に、こう語った。
今回の面会実現は、大統領の親友でもあるシーファー駐日米大使の存在を抜きにして語ることはできない。3月、大使は新潟のめぐみさん拉致現場を視察し、直後、大統領に拉致問題の重要性を訴えた。安倍晋三官房長官の働きかけもあったのだが、背景には、米国の極東戦略の裏事情が見え隠れする。
昨年来、米国は「北朝鮮はドルを偽造している」(ブッシュ大統領)として、金融制裁を発動してきた。「スーパーノート」と呼ばれる偽百ドル札の押収を進める一方、金正日総書記の個人資産を預かっているとうわさされ、マネーロンダリングの温床ともなっていたマカオの銀行との取引も停止した。
この断固たる処置は、北朝鮮を慌てさせた。国家経営の大部分をブラックマネーに頼っている金正日政権としては、「制裁」はなんとしても避けたいところだったからだ。
北朝鮮の核をめぐる6者協議の北朝鮮代表、金桂寛外務次官は、4月の来日時にも「制裁を解除しなければ、核開発を協議しない」と揺さぶりをかけていた。だが、米国の態度に変化はない。むしろ、米国代表のヒル国務次官補が追加の経済制裁発動をにおわし、さらにスティーブ・チャボット米下院議員は、早紀江さんの訪米に同行した拉致議連の古屋圭司・事務局長に向かってこう迫っている。
「我々はやっているのに、なぜ日本は北朝鮮に経済制裁をしないのか」
日本政府は既に、北朝鮮をねらい撃ちにした改正外為法などの制裁法を成立させているが、小泉首相は依然発動を見送っている。確かに「制裁」は、一国が単独で行っても効果的とはいえないかもしれない。03年、筆者は訪朝してNGOの食料支援のスクリーニングに同行したが、特権階級だけが潤うような経済援助が、北朝鮮に対してはほとんど無意味であることを痛感した。日本だけが制裁を科しても、必ず抜け道を探して生き延びる。金正日が頂点に立つ北朝鮮とは、そうした国だ。
だが、複数の国家が連携すれば、事情は異なる。「制裁」は「封鎖」に変わり、強力な武器になるかもしれない。とりわけ、金正日総書記が最も恐れる米国がその先頭に立てば、これまでは「制裁」の抜け道となっていたとされる中国も容易には手を出せない。
拉致は、米国にとっても極東戦略上の新たな意味を持つ。この問題を取り上げることで、人権問題に絡めて中国を牽制(けんせい)する狙いもあるからだ。
日米関係を誰よりも重視する小泉首相が「制裁」への決断をするならば、今をおいて他にないのではないだろうか。
asahi.com :読み・解く - be-business北朝鮮船を捜索
警視庁組織犯罪対策五課と鳥取県警、海上保安庁などの合同捜査本部は十二日、覚せい剤取締法違反(営利目的密輸)の疑いで韓国籍の長野県伊那市伊那部、無職禹(ウー)時允(59)、東京都板橋区中丸町、指定暴力団極東会系組長宮田克彦(58)の両容疑者を逮捕、鳥取県米子市皆生五、遊漁船業権田修容疑者(54)や、暴力団関係者数人の逮捕状を取った。鳥取県の境港に同日入港した北朝鮮籍の貨物船など計八カ所を家宅捜索した。
奄美大島沖で二〇〇一年に沈没した北朝鮮の工作船から回収された携帯電話の通話履歴に、禹容疑者の携帯電話の番号が残っており、警視庁などは、北朝鮮に絡む覚せい剤密輸入の中心だった疑いがあるとみている。
調べでは、禹容疑者らは〇二年十月、北朝鮮の清津港で覚せい剤数百キロを同国籍の貨物船に積み込み、島根県の安来港で覚せい剤数百キロを密輸入した疑い。禹、宮田の両容疑者は「知らない」と否認している。
禹容疑者らは、覚せい剤を松江市沖で海上にいったん投下し、小型漁船で回収、陸揚げしていた。
禹容疑者は〇四年三月、盗難車を購入し、北朝鮮に輸出しようとしたとして、盗品等有償譲り受け容疑で福岡県警と警視庁の合同捜査本部に逮捕され、懲役二年六月の有罪判決を受けていた。
工作船事件は〇一年十二月、停船命令に従わなかった工作船に対し、海上保安庁が威嚇射撃を実施。工作船が自動小銃を乱射したため応戦し、工作船は沈没した。船体は〇二年九月に引き揚げられ、海保などは乗員十人を容疑者死亡のまま殺人未遂などの容疑で書類送検した。
<メモ>北朝鮮工作船事件
2001年12月22日、防衛庁から連絡を受けた海上保安庁の巡視船が、鹿児島県・奄美大島沖の東シナ海で北朝鮮の工作船とみられる不審船を発見。停船を命じたが逃走したため、巡視船との間で銃撃戦となり、不審船は沈没した。海保が乗組員の遺体を収容し、02年9月、船体を引き揚げた。回収した対戦車ロケット砲などから、不審船を北朝鮮の工作船と断定した。

