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金融制裁の米朝合意 適切に使われるか 監視必要

 【北京=有元隆志】北朝鮮の金融制裁問題は凍結資金の全額返還で米朝が合意し、約18カ月ぶりに決着した。米政府は人道目的とはいえ全額返還することで、核問題をめぐる6カ国協議の進展を優先した格好だ。ただ、グレーザー財務次官補代理は資金が適切に使用されるか「保証はない」と述べるなど、今後に課題を残した。

 グレーザー氏は19日の記者会見で、「18カ月前は、バンコ・デルタ・アジア(BDA)の資金が(北朝鮮による)違法活動に活用されてきたことを考えると大成功だ」と述べ、合意の意義を強調した。同席したヒル国務次官補も「北朝鮮はわれわれの懸念を理解し、資金を適切に使うことを約束した」と語った。

 米政府はBDAの資金が北朝鮮の違法活動に使われていると結論づける一方、資金の扱いはマカオ当局に委ねると決定した。ただ、実際にはBDAの北朝鮮資金は「違法か合法資金かはほとんど見分けがつかない」(テロ・金融犯罪担当のリービー財務次官)といい、区分け作業は困難が予想された。

 しかも、北朝鮮は全額返還が実現しない限りは、核施設の稼働停止・封印を完全履行しないとの態度に出ていた。米政府としては資金の区分けで、北朝鮮をこれ以上追い込めるよりも、北朝鮮の提案を受け入れる形で、全額返還に応じたほうが、今後の核問題を進展を図るうえで得策と判断したとみられる。

 もっとも、北朝鮮は国際機関による人道目的の食糧支援を軍用に流用してきた過去がある。最近でも国連開発計画(UNDP)が外貨の不正流用疑惑を受け、北朝鮮鮮向けの開発支援事業を停止した。凍結されてきた2500万ドルが、本当に北朝鮮国民のために使われるのか、徹底した監視が求められるといえそうだ。

(2007/03/19 11:51)


金融制裁の米朝合意 適切に使われるか 監視必要|朝鮮半島|国際|Sankei WEB

北朝鮮の口座凍結、全額解除で米朝合意

【北京=五十嵐文、黒見周平】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の米首席代表、クリストファー・ヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)は19日朝、第6回協議の開会に先立ち、北京市内で記者会見し、マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」(BDA)で凍結されている北朝鮮関連口座の資金約2500万ドル(約29億円)を全額返還することで北朝鮮と合意したと発表した。

 北朝鮮の主張を米側が受け入れたことで、6か国協議は、核施設の稼働停止など、4月中旬までの「初期段階措置」の履行に向けた環境が整った。

 6か国協議の日本首席代表を務める佐々江賢一郎・外務省アジア大洋州局長も同日朝、北京市内のホテルで記者団に、「(BDA問題が)一定の解決を見たことによって、(6か国協議が)前に進む環境が醸成された。一定の評価が与えられてしかるべきだ」と歓迎の意向を示す一方、「特に非核化の分野において北朝鮮が約束した通り、初期段階の措置を着実に進めることが重要だ」と述べ、北朝鮮が2月の合意通り核施設停止に向けた措置を取るべきだとの考えを強調した。

 6か国協議は19日午前、北京の釣魚台国賓館で首席代表会合を開いた。前日まで順次開かれた分野別の五つの作業部会での結果について報告を受けた後、今回の協議の進め方を論議した。続く開会式で議長国・中国の武大偉外務次官が「初期段階の措置を期日通り実現する条件が整った」などとあいさつをした後、全体会合が開かれた。北朝鮮首席代表の金桂寛(キムケグァン)外務次官も出席した。

 今回の協議では、2月の合意から60日以内の「初期段階」で北朝鮮が取るべき核施設の停止・封印と、国際原子力機関(IAEA)要員による監視・検証や、見返りの重油5万トン支援などの手順を取りまとめるとともに、それに続く「次の段階」での核計画申告や核施設の無能力化に関する議論進展が中心議題となる。
(2007年3月19日13時35分 読売新聞)

北朝鮮の口座凍結、全額解除で米朝合意 : 国際 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

米朝両国:口座解除で「最大の懸案」にひと区切り

 【北京・西岡省二】マカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」で凍結されていた北朝鮮関連資金約2500万ドルが全面凍結解除されることになり、核問題をめぐる6カ国協議の進展を障害だった米朝間の「最大の懸案」にひと区切りがついた。全面解除に固執してきた北朝鮮は、今回の措置を「一定の外交的成果」と位置づけているとみられるが、米国側はこれをテコに北朝鮮に核廃棄プロセスを迅速に進めるよう圧力を強める考えだ。

 BDAでの口座凍結は最高指導者の金正日(キムジョンイル)総書記らの資金源を圧迫しただけでなく、北朝鮮の国家的イメージを汚したといわれる。貿易取引や投資の誘致、国際金融体系への加入などの点で、直・間接的に北朝鮮の対外取引に大きな影響を与えていた。

 米国側は当初「北朝鮮がまず不法活動を停止すること」を主張して北朝鮮との取引には応じなかった。しかし、昨年10月に北朝鮮が核実験を実施したのに加え、11月の米中間選挙でブッシュ政権が敗退したことを受け、米国は政策を転換。BDA問題で強硬姿勢を取り続けるより核不拡散に主眼を置いて核問題解決を優先させるよう方針を変え、北朝鮮に対する譲歩の姿勢を見せ始めた。

 米国側は14日のBDA問題に対する決定で、凍結資金の解除の範囲を決める権限がマカオ当局にあるとの判断を明確にし、北朝鮮が要求する全面解除への道を開いた。米国は「マカオ当局一任」の立場を示しながらも、実態としては全面解除を容認していたようだ。また、特別行政区のマカオに対しては、中国政府が強い影響力を持つため、今回の全面解除の背景には中国側の政治的配慮があったことは間違いない。

 「BDAが解決されたので、60日以内の(北朝鮮の)核施設停止・封印は、大きな障害はないだろう」(千英宇(チョンヨンウ)韓国外交通商省朝鮮半島平和交渉本部長)など協議進展への期待は高まった。だが、BDA問題によって米国が国際社会に示した北朝鮮の不法金融活動の実態解明という課題は残されたままだ。グレーザー副次官補は19日の会見で「(過去18カ月間のBDA調査で)米国は国際金融システムの不法行為には寛容さを見せないことを証明した」と強調しており、米朝対立の火種は依然残されたままだ。

毎日新聞 2007年3月19日 12時12分 (最終更新時間 3月19日 12時43分)

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