TRIANGLE -65ページ目
戦う為に手にした物も
戦う度に失った物も
全て飽和していく
掻き上げた前髪
澄みきった蒼の舞台
切り取られた様な視界
水平線は遠くまで広がる
「嘘吐き、」
空は落ちていく
茜と同化した赤の大地は
風を引き連れて旗を翻す
枯れた喉は痛みを覚えて
海の白波を引き裂いていく
高熱に魘されて
滲んだ世界は
何時だって美しい
「嘘吐き。」
誰も護りはしない
誰も譲りはしない
どれだけ痛くとも
悼む心すらも棄てて
セピアに溶け込んだ
放り出された身体は
軋む歯車の様で
そんな迷いすら
もう何処にもない。
「うそつき」
もう何も言いはしない
熱を孕んだままの身体で
喉を枯らしたまま
音に鳴らない叫びを上げる
望みはない
願いもない
祈りは手折った
ほら、もう何もない。
「×××」
歪んだ口元で
掠れた言葉が
撃ち落とされていく
ほら、もう何もない。
嘘ばかりの世界
下り坂で一人
影法師を見送る
夢の話は
茜に染まってしまえと
飛ばした紙飛行機は
どっかに落として
涙に乱反射した
過去の話は
君には届かない
プラマイゼロの感動と
指切った約束の離し
不安ばかりが募って
君の背中ばかりを見ていた
また、嘘ばかり。
あの坂を越えたって
君はいないのに
時間が僕を連れて
君との未来を奪い取る
予測なんて出来なくて
推測ですらも困難な
そんな嘘吐きは
もう僕の手を離して
笑うんだ。
まるで君は、
溶け出した影法師
離れていく距離すら
黒く塗りつぶされて
また、明日が来る。
それでもさようなら。
どうしてだろうね、
吐き出した言葉が
気付けば突き刺さってる
心の奥深くの方。
逢えないね、
それじゃあ。また。
続かない
その言葉の続きを
手を振ってしまえよ
浮かせた踵は
振り返りもせず
その場所へ
約束した
小指が悲しく
伝えられないね、
言えないのは
何時だって一緒なのに
じゃあ、ね。
さよならの言葉だけ
丁寧に並べて
明日はきっと、
もう、来ないね。
泣き笑いの表情で
踵を鳴らして
離れていくよ
手を振ってしまえ、と。
泣いていたのは
何時だって僕のほうだ
刺さったままの棘が
寂しげに頬を掠めて
冷た くなっていった
悲しげに
歪めた表情
少しだけ
昔話をしようか、
「まるで一人きりの
そんな夢を見ていた」
小さな恋の歌は
何時までも耳に残って
歩けない時ですら
淡く胸に燻っていたんだ
でも時間は残酷で
過ぎた時間が長い程
そんな恋心すら
いつしか褪せてしまって
寂しいと思ってた事も
いつしか忘れてしまって
踏み出した足跡が
増えれば増えるだけ
君への距離は遠くなって
「まるで、一人きりね。
悲しい事は、忘れる事。
何よりも寂しく、苦しいのに」
思い出せないまま
歩き出した君の背を
僕は何時だって見ていたんだ
本当の心だって
手探りで探して
きっとそれは幸せだ。
もう思い出せなくても