戦う為に手にした物も
戦う度に失った物も
全て飽和していく
掻き上げた前髪
澄みきった蒼の舞台
切り取られた様な視界
水平線は遠くまで広がる
「嘘吐き、」
空は落ちていく
茜と同化した赤の大地は
風を引き連れて旗を翻す
枯れた喉は痛みを覚えて
海の白波を引き裂いていく
高熱に魘されて
滲んだ世界は
何時だって美しい
「嘘吐き。」
誰も護りはしない
誰も譲りはしない
どれだけ痛くとも
悼む心すらも棄てて
セピアに溶け込んだ
放り出された身体は
軋む歯車の様で
そんな迷いすら
もう何処にもない。
「うそつき」
もう何も言いはしない
熱を孕んだままの身体で
喉を枯らしたまま
音に鳴らない叫びを上げる
望みはない
願いもない
祈りは手折った
ほら、もう何もない。
「×××」
歪んだ口元で
掠れた言葉が
撃ち落とされていく
ほら、もう何もない。