終わるなら

愛おしさを棄て

崩れ落ちた虚像

城壁は罅割れて

土に埋もれていく

風化した物語


最後の瞬間は

純粋に赤く染まる

隠さないまま

誘惑に踊る

二つの羽を翻して

千切られた約束

溶けてしまえよ、

白く飽和した

何時かの闇の中

黒いだけの心を

消してしまって


錆付いた鎖も

月の弧の様に歪めた

瞳の奥に浸る

喰い千切った

その指先に残す

最後に笑みを浮かべて

打ち付けたままの杭も

逃がさない様に、と

罰を嚥下して

罪は其れなのでしょう?


何時だって朝は来るのに

戻れる筈もなく

その羽の向こう側で

貴方は願い続ける


君に魔法をかけてあげる、


少しだけ、優しくなれる

そんな魔法。


指を絡めて

穏やかに死んでいく

呼吸の中

灰色にくすんだ

瞳は遠くに


忘れてしまって、

どれだけ悲しくても

いつかはそれすら

忘れてしまうから。


大丈夫だよ、


根拠のない正義と

振り翳した罪悪は

同じ様な感覚で

溶けてしまうから

何もない日々は

穏やかに染み込んだ

明日はきっと終わる。


走り出して

いっそ失くしてしまって

この言葉が零れたら

きっと何も言えなくなるから

また笑える様に

魔法をかけてあげる


優しくなれる魔法で

僕を殺してしまって


白んだ空

浮付いた一言

仮面被ったままの

笑みを浮かべたピエロ

夢は何処に在るんだい?

そんな事聞けもせず


「嗚呼、まるで今日は。」


それは遮断機が下りて

舞台から突き落とされた

つまりそれはそうだ。

丁度今揺り起こした様な

夢は醒めないまま

褪せた記憶さえも

思い出せない癖に

君は居ないよ

僕だってそうだ、

まるで、それが当たり前の様な


「嗚呼、そうだ。」


続かないのに

届かないのに

先走る様に零れた

声はくすんで

掠れた音の継ぎ目も

錆びた歯車の軋みも

何一つ関係ないんだ


列車の中で君は何を思う?

踏切越し僕は君を追いかけて

伸ばした分だけの言葉が

撃ち殺されてしまって

マルチエンドは嫌いだよ

一つだけが良いんだ

選んだって結局

道は一つしかないんだから

辿る指先に宿した

温度は追い付けないまま


君は居ないよ

白んだ空に返した

ピエロは何時だって泣いてる


僕は


君まで届かない。


意味のない言葉並べて

祈りを捧げる様に

紡いだ音に溺れる

夢は拙く、

その道を辿る


このまま失う為に

今日を生きる位なら

逸れてしまった物を

一つ一つ丁寧に辿って

呼ばれた声の方へ

歩いて行こうか。

もう離れなくて良い様に


手を振る幼い掌

もう顔も思い出せない位

昔の話になってしまったけれど

それでもあの時の願いは

確かに今も此処に在る。


理由を求めた言葉は

そのまま地に還る様に

涙を流して

君が願う世界は

何時だって愛しく

弾ませた息も

溶けあった呼吸も

時間を返す様に


過ぎていくんだ

言葉に込めた

一つが転がって

届きますように、と。


置いていく


言葉の全て


君には言わないよ


僕だけの言葉


繋いだままの


掌は何時だって


背中を押して


優しいだけの


夢なんて


何処にもなくて


それでいいよ。


それでいいから


またね、


君の明日が


広がりますよう


僕は祈りましょうか


僕は願いましょうか


最初に戻って


笑い合う世界と


さようなら、と


静かに手を振って