TRIANGLE -59ページ目
そっと下ろした
言葉の先は
何一つ変えず
馬鹿らしいなぁ、なんて
思ってもいない事を
呆けた様な瞳に叩きつけて
誰が言ったんだっけ?
そんな大それた事じゃないけど
夢を描いてみようか
壮大すぎる夢を、
まるで世界を塗り潰す様にさ
そうでもしないと
君は逃げてしまうだろう?
言い出した事が最初で
そっから続きを書き出すのに
君がいなけりゃ
なんの意味もないからさ
一つ、丁寧に書きあげて
その隣に僕がいなかったとしても
それは何も悪い事じゃないよ
きっとそう言ったら
君は僕の頬をぶん殴るだろうね
諦め、なんて言葉は
気付けばどっかに置いてきたからさ
何時かの果てにいこうか
君と僕と、大切なそれを抱えてさ
夢を見るのは勝手だろう?
なら最後くらい、でっかくやってやろうか!
嘘を吐いた事。
謝るには
少し時間が経ち過ぎた
ささくれだった心も
気付けばあやふやになって
バイバイ、なんて手を振る
君の事も気付かないで
白い部屋の中じゃ
何一つ届かないけど
届けようとして
文字を並べた手紙は
此処に転がったまま
もう、いいよ。
君はそういうけど
僕は嫌なんだ
口にしようと
音を乗せてみたけど
君は振り向かず
まるで引き離されたよう
君は笑ってる?
それでも
僕は嘘を吐いたんだ
どうしようもなくて
幾重に折り重なった
明日の事は
忘れてしまおうか
考えたって
君は見付からない
白い部屋から出る時
君が其処にいるなら
僕はそれでいいや
ごめんね。
ただいま。
届かない手紙は
二度と開けなくていいように。
曖昧な嘘被って
君の頬に温もり棄てた
どっちつかずの愛なら
言い訳一つ与えてさ、
甘ったるい誤魔化しと
向こう見つめる仮面の瞳に
幾つの夢を塗りたくったのかい?
楽しそうな歌声は
いつしか途切れ途切れの息切れに
暈してリズムを狂わせていく
「知らんふりだろう?
君は何時だってそうさ。
見ないふり知らんふり、
そんな憎らしげな表情でさ!」
捕まっちゃった君と
手綱握った僕とでさ
何度ワルツ踊ろうか
今日だって明日だって
終わりはまだ来ないだろう!
最初から諦めを手にして
一体何と向き合ってた?
どうにもならない事を
両手一杯に抱えてさ
それでも奇跡に似た事だって
意外と簡単に出来てしまってさ
でもそれを奇跡の一言で済ますには
僕らは子供になりきれなくて
仕方ないな、なんて言って
何度でも「奇跡」を起こそうか
そうすれば全部解決するし?
軽く自分に言い聞かせて
見開いた両目に焼き付けた
何時かの夢だってそう遠くはなくてさ
諦める理由が一つ二つと減って
気付けば勝ち取る自信しか
この胸ん中には残って無くて
馬鹿みたいだと笑いながら
諦める事は簡単な事だと
大人になりきれずに足掻く
僕らを滑稽だと笑うか?
それでもいいよ
なんだっていいんだ
ただ最後にするには
あまりに惜しいだけで
それなら最初から天辺目指せばいい
ただそれだけの事なんだ
一つ呼吸をして
笑えてるかな?
顔をあげて
また一つ呼吸をする
冷たく入りこむ
何処からかの風は
悴む掌を過ぎていくから
その赤みを増す頬が
笑みの形を作るまで
君が諦めて
その足を止めた時
僕は諦める事を
諦めろと伝えた
そして僕が諦めようとした時
君は諦める事は止めない
ただ傍に居る事だけを
静かに選択したんだ
我がままで、身勝手な
僕の独りよがりな幻想を
馬鹿にする事もせず
呆れた様に笑って
「そんな事、忘れた」
なんて、
きっと僕はまた、君を好きになる。
一つ呼吸をして
吐き出す白の夢を
追いかけるだけの時間は
何よりも愛おしく
大切なものだから、
ねぇ。
聞いてくれる?

