さようなら


零す言葉も遠く

何度赤く目を染め上げ

君を独り待てばいいのだろう


きっと幸せだよね、


その隣を見れない事

泣き出した弱い事

きっと僕は許せなくて

其処で待つ僕の背を

雨宿り過ぎた雲の切れ間に

笑う事すら出来ずに


落ちていくよ

忘れてしまう前にさ

愛している、なんて

拙い言葉で変わらないように

明日を迎えてさ

同じ様に笑って

また擦り切れた心が

泣き出してしまわぬよう

君を迎えにいこうか


そうしたら、きっと。

僕らは笑えるからさ

朝の緩やかに溶け出す

そんな特別な時間も

もうやってこないって

泣き出す瞳に映して


痛いんだよ


探したのは何時だって

忘れたくないんだ

愛した事も

君と二人分け合って


さようなら


そんな言葉に

心の全部を乗せて

覚えてないふりを

何度も何度も繰り返して


今日に生きる僕の事


明日に死んだ君の事


きっと覚えているのは

瞳を閉じた二人の話。


開いて三秒


嘘を吐き出して


白を切って進む


いたずらっ子の笑い声


ドロドロしたまま


過去を一つ引き摺って


笑えないよ、笑えない


そっぽ向いたままの


君に手を伸ばして


歪んだままの


頬に手を伸ばしても


閉じて十秒


何も見ないでいてよ!


引き攣れた心隠して


笑えない、と零した


いっそ見付からない様に


隠れてしまおうか


影は伸びていく夕暮れに


君にバイバイ。


また開いて三秒


目を開けて


息を吸って


吐き出す言葉の先


「笑えよ、」


君はそう言って笑った。


閉ざした瞳の奥

暗闇に揺れる懺悔

曖昧に辿る言葉は

何時だって途切れたまま


雑音と嘘で固めた

誰かの言葉が突き刺さる?

知らないのはどちら様で、

綺麗事ばかりを重ねて

本当の望みを殺した


『××の事を知らないので、

だから死んでください。』


そう言って突き立てた刃は

毒の様に緩やかに侵されていく

呑み込んだ黒い感情

壊してしまった檻の中で

君は膝を抱えたまま

眠ってしまえば、

もう傷つかずに済む気がして


ねぇ、知っているの?

本当に欲しいモノを

僕が心の底から望んだモノを

君が知ってるというのですか?


願う事すらも残酷な

夢は何時しか失楽園の栄光

現実に還るくらいなら

いっそ閉ざしたほうが楽だった


それでも僕は、


二つとない話が

飽和して溶けていく

夢の中の君は

何時だって白いまま

少年は茹だる様な世界で

そのコードを掻き切った


「どうせ、目が覚めるだろう。

そうすれば結局は

最初からやり直すのさ」


エンドレスの世界は

終わりのない夢は

立ち止ったって

何の意味も持たない

ヘッドホンの中身だって

ノイズ塗れの雑音で

流れていく景色の果ては

雑踏に揺れる顔の群れ


「白い世界の最後は、

きっとそういう夢なんだ。

似ている僕らの最後だって

そうなるプログラムなんだよ」


知らないなら良かった?

嫌いなままの君が向けた

その銃口の先で

少年が笑えたなら


きっとこの世界の夢は、


目が醒めるのに。




「少年は最後の時に気付いて笑う」


曖昧になぞって

疑う様に辿る

どれだって

美しいのは本当だ

それなのに何故か

今だけは霞んで見えた


呑み込んだ言葉は

喉に貼り付いたまま

毒を孕んで

熱を生み出した


気付かないふりが

僕の心を蝕んで

置いてきたはずの愛は

静かに隣に鎮座している

僕の二つの瞳を覗いて

「知ってるくせに、」って

毒を吐いて歪に笑った


今日の僕は君を知りません。

だから見ないでくれよ

もう何も知りたくはないから


緩やかに嚥下して

見ないふりの大人たちは

僕らに背を向けて笑う

行き交う電波の城は

何時だって悲しげに

僕を見下ろしているのに


美しくないよ、

本当は何も美しくはないよ。

どれだって汚いよ

醜く歪んで、

それでも美しいと

僕はそう言えないよ


綺麗なままの言葉が

抉り出す様な刃に反射して

さようなら、もう一度

言えるものならば。