TRIANGLE -30ページ目
傘一つ広げて
お伽噺の道を歩く
夜は撓んだように
浮付いた理想は
街灯に垂れて
映した影は
光に隠れてしまって
下らないと吐き捨てた
溶け出す時間は
何時だって
隣にあるんだろう?
泣き出す君の手を
握りしめたまま
歌い出す子守唄
跳ねては飛沫上げる
頑丈に閉ざした心の
奥底にすら残さないで
小さな水たまりが笑う
君の言葉を落として
ぼやけていく嘘と
約束なんて曖昧な声で
傘は僕を隠して
後ろに進んだ斑模様
もう動かない足と
立ち竦んだままの瞳
もう分かっているんだろう?
夜に溢れだした話は
回り疲れた様に泣いて
膝着いた理想を語った
眠ってしまえば
朝焼けに溺れる君を
僕は愛せるだろう
嘘吐きを見つけて
正しく泣けるように
その双眸を眺める
この心は
感情を無視して
少しずつ遠くなる
掌と温もりを
掴む事さえ
もう叶わないと
離してしまった
二人の未来を
きっと愛して
また静かに零した
嘘吐きの愛を
掬いあげては泣き出し
変わる事を許さない
世界の中で僕は泣いて、
泣いて
泣いて
泣いて、
この嘘が叶うなら
この言葉が叶うなら
この運命を殺して
僕も殺して
もう何もかもを
許してしまえたら
きっと愛を咲かせて
この嘘を咲かせて
二人の世界を叶えて
世界に隠し続けた
感情を救って
離れていった掌が
もう一度この手に戻る様に
満足したように
笑みを零した
足元に咲き誇った
名前を知らない花は
きっと僕の姿を
埋め尽くしていくだろう
貴方が選んだ未来は
辛いだけの未来ですか?
苦しいだけの未来ですか?
そうじゃないだろう、
きっと僕が居ない未来は
同じ様に時間が過ぎる
在り来たりな日常が
どこにだって転がってる
愛おしい限りの世界だろう
僕の姿が映らない
水面は溢れる
少しだけで良かった
願いを込める両手は
決意を握り締めて
濁りない瞳を仰いだ
祈り続けた世界が
翼を折っても
心までは折らないで
腕に抱えた大切なものが
沢山増えていって
失くしてしまう事を
恐れて、恐れて、
無力な自分を呪っても
僕は笑い続けるよ
添え木の様に
隣に静かに寄り添って
例え君が僕を知らなくても
それでいいんだ
真直ぐな瞳が
未来を選んだとき
また僕は世界に落ちていくよ
眠りについていつかまた
笑える事が出来たのなら
きっとそれが幸せなのさ
深く根付いた
罪の意識に
瞳を覆う
影を含んだ
砂の様な心を
一つ一つ千切って
手折る夢は
咲かすことなく
歩けなくもないのさ
痛みから逃げることも
出来る筈なのに
僕は君を見る事が出来るか?
只管に真直ぐに
君を見る事が出来るか?
長い夢の先で
踏み付けた理想を
掌から静かに落として
罰を選ぶのならば
伸ばした腕に
爪を立てて
陰鬱に覆い尽くす
深い闇の底まで
立ち止る事無く
零れた心は全部
忘れてしまえばいいさ
俯いて願いを選ぶ
僕の腕を取って
もう止めにしようかと
君は分からないまま
消えていく声を奪った
何も変わらないから
優しいままでいたくて
涙を拭う様に
狂ったリズムで
一人踊り続けた
疲れ果てて
動けなくなる頃には
歯車は軋んでしまう
鈍く照り返した
鉄の色に目蓋を伏せた
何も知りたくはなかった
笑えないんだよ、
知っていたくせに。
温い体温を分け合う様に
手を取ることを躊躇わず
僕の先を歩く君が
どうしてか泣いてる気がして、
そうして僕は、僕を。
変わってしまう事を
怖がるように腕を振り払って
狂い始めたリズムの中
君は知っていたんだろう?
最後の瞬間まで
美しく笑ったまま。

