傘一つ広げて
お伽噺の道を歩く
夜は撓んだように
浮付いた理想は
街灯に垂れて
映した影は
光に隠れてしまって
下らないと吐き捨てた
溶け出す時間は
何時だって
隣にあるんだろう?
泣き出す君の手を
握りしめたまま
歌い出す子守唄
跳ねては飛沫上げる
頑丈に閉ざした心の
奥底にすら残さないで
小さな水たまりが笑う
君の言葉を落として
ぼやけていく嘘と
約束なんて曖昧な声で
傘は僕を隠して
後ろに進んだ斑模様
もう動かない足と
立ち竦んだままの瞳
もう分かっているんだろう?
夜に溢れだした話は
回り疲れた様に泣いて
膝着いた理想を語った
眠ってしまえば
朝焼けに溺れる君を
僕は愛せるだろう