山茶花のけふ開く者撓ふ者

 

「雲の峰」2024年3月号青葉集掲載。

毎年初詣は近所の神社へ散歩がてら行く。その道すがら、JRの線路沿いに、山茶花の木があり、鮮やかな赤い花を咲かせる。一気に咲いて、一気にすべて散ってしまう訳ではない。今日は3つ、明日は4つという具合に咲いて、また同じペースで散っていく。年末年始、年を越えて咲き続ける花もあれば、年を越せずに散ってしまう花もある。人間の人生が同時に始まり、同時に終わる事がないように、花もまた少しずつ、時間をずらして、ずっと咲き続ける。皆それぞれの一生を謳歌する。自分も人生を精一杯過ごさねばと、新春の抱負として詠んだ句。

今日は1月3日。世間は箱根駅伝の復路。非常に月並みな表現だが、人生はマラソンに似ている。登りもあれば、下りもある。思うように走れない時もある。それでも走り続けるのは、目の前にゴールがあるから。皆それぞれの生き方があり、それぞれのゴールがある。今年も新年を迎えられる事に感謝し、今年も駆け抜けたい。

 

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影といふ影を伸ばせる初日かな

明けましておめでとうございます。

旧年中は当ブログをご覧くださりありがとうございます。

普段から早起きの私。元日もいつもの時間に起きて、おせちを食べて、Eテレのテレビ体操で体を動かして、近所の神社へ初詣。初日の出は7時5分頃見込み。神社の近くの、初日の出がよく見えるスポットで、暫しビデオカメラを回しながら、写真も撮る。そして詠み初め。これがここ数年の元日のルーティーンになった。去年は雲が厚かったので、少し初日の出が遅れたが、今年は天候にも恵まれ、見事な初日の出を拝む事が出来た。そして初日の出と共に、自分の影も、周りの建物の影も、西に長く伸びる。その影も鮮やかな黒。光も影も、全てが美しい。今年は幸先がいいかも知れないと感じて、初日の出とそれが描く影を詠んだ句。

ちなみに、おみくじは末吉。何事も控えめにとの事。過度な期待をするのではなく、正直に一生懸命生きて、その結果幸せが舞い込んだらと思う。今年も宜しくお願い申し上げます。

 

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春:霾や石室の奥靄るほど
夏:邪鬼踏みしまま夏に入る四天王
秋:ゑのこ草勝手気儘でありたしと
冬:しはぶきて心の澱を吐き出せり

 

2024年も今日で終わり。そこで今日は、この1年で「雲の峰」で高評価を頂いた句を、季節ごとにご紹介したい。

春の句。「雲の峰」2024年2月号青葉集掲載。当月抄。春分の日、近鉄平群駅から十三峠を越えて竜田川駅に至るハイキングコース。道中古墳がいくつかあるが、中でも西宮古墳は公園の中にあり、石室が覗けるようになっている。空はうっすらと黄砂が舞っており、石室がよく見えない。そんな光景が幻想的に見えて詠んだ句。

夏の句。「雲の峰」2024年7月号青葉集掲載。当月抄。奈良国立博物館に常設されている、なら仏像館での一コマ。四天王は、ご存じの通り憤怒の表情で邪鬼を踏み、四方を睨んでいる。暑い日も寒い日も、その表情、その格好のまま、じっと睨んでいる。季節は立夏。そろそろ本格的な夏に向かいつつある季節。ずっと変わらない様式美を堪能して詠んだ句。

秋の句。かきもり句会10月主宰特選。エノコログサが方々で見られる季節。この時色々あって落ち込んでいた。そんな中、風にふわふわ揺れているエノコログサを見て、「君らは勝手気儘そうでええなあ」と思わず呟いてしまう。そんな願望を素直に詠んだ句。

冬の句。「雲の峰」2024年2月号青葉集掲載。「しはぶき」とは咳の事。家で咳が止まらなくなった時があった。やがて治まったが、その時言いようのない心地よさがあった。恐らく咳と一緒に心のモヤモヤも飛んで行ったのではないか。そんな事を考えて詠んだ句。

今年1年、沢山の景色を見た。それが全て句になった訳ではないが、景色一つ一つは、心の中に残っている。そんな景色を見せてくれた自然に感謝したい。

2024年、拙句を読んでくださり、ありがとうございます。2025年も宜しくお願い申し上げます。

 

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冬虹や都へ続く捨て畑

 

「方円」2023年2月号円象集掲載。

時雨気味のお天気。よく歩く散歩道を歩いていたら、遠くに虹がかかっていた。この散歩道は、母校の中学校から少し歩いたところで、一面田畑が広がる、実に景色のいい場所だ。京奈和自動車道の高架を挟んで、遠く京都タワーまで見渡せる。田畑は全て使われている訳ではなく、休耕田が目立っている。そんな光景がはるか遠くまで続く。そんな休耕田でも、虹の足元に当たる部分は、七色を帯びて輝いている。そんな光景に心打たれて詠んだ句。

子どもの頃、あの虹の橋を渡りたくて、虹の足元目指して一目散に進んでいったという記憶がある方もいらっしゃることだろう。大人になってから、虹発生のメカニズムがわかってしまうと、虹は「触る対象」から「眺める対象」に変化する。遠くにあるからこそ、美しく見える光景というものがあるのかもしれない。俳句の世界、殊に写生句に限って言えば、全体の景色を俯瞰して、情景を詠むのが醍醐味でもある。部分に執着せず、全体を見る。中にはそうも行かない事もあるかも知れないが、そんな感覚を大切にしたい。明日、「第九」の演奏会を鑑賞する。音楽においても、そういう事は当てはまるだろう。

 

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訃報聞き聖夜飾りを外しけり

 

「方円」2009年3月号雑詠掲載。

クリスマスイブ、いかがお過ごしでしょうか。私は独り暮らしで、いつもと変わらないイブを過ごしています。

今回の句、方円に投句したのは1月だが、ご覧の通りクリスマスイブの句。ご近所に、いつも凝ったイルミネーションを飾るお宅があった。今はそういうご家庭が多いが、かつてはまだ珍しい存在。いつも賑やかに飾られていたイルミネーションが、この時は輝いていなかった。詳しい状況はわからず、あくまで想像だが、どうやらご近所でご不幸が合ったご様子。綺麗な灯りがないだけで、寂しさが増す冬の夜の情景を詠んだ句。

現在所属している結社「雲の峰」の主宰曰く、「原爆忌」や「震災忌」という季語は確かにあるが、あまり暗い状況を強調した句を積極的に詠むのは避けた方がいいとの事。作者は伏せるが、歳時記にもそういう句は確かにある。見るだけで暗く沈んだ気持ちになりそうな句。そう言う意味で言えば、楽しいはずのクリスマスに「訃報」という文字を入れていいのか。今ならそう思う。あえて詠んだという事は、それだけインパクトが強かったのかもしれない。あまり暗い気持ちを引きずるのはやめて、よいクリスマスを。

 

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