春:霾や石室の奥靄るほど
夏:邪鬼踏みしまま夏に入る四天王
秋:ゑのこ草勝手気儘でありたしと
冬:しはぶきて心の澱を吐き出せり

 

2024年も今日で終わり。そこで今日は、この1年で「雲の峰」で高評価を頂いた句を、季節ごとにご紹介したい。

春の句。「雲の峰」2024年2月号青葉集掲載。当月抄。春分の日、近鉄平群駅から十三峠を越えて竜田川駅に至るハイキングコース。道中古墳がいくつかあるが、中でも西宮古墳は公園の中にあり、石室が覗けるようになっている。空はうっすらと黄砂が舞っており、石室がよく見えない。そんな光景が幻想的に見えて詠んだ句。

夏の句。「雲の峰」2024年7月号青葉集掲載。当月抄。奈良国立博物館に常設されている、なら仏像館での一コマ。四天王は、ご存じの通り憤怒の表情で邪鬼を踏み、四方を睨んでいる。暑い日も寒い日も、その表情、その格好のまま、じっと睨んでいる。季節は立夏。そろそろ本格的な夏に向かいつつある季節。ずっと変わらない様式美を堪能して詠んだ句。

秋の句。かきもり句会10月主宰特選。エノコログサが方々で見られる季節。この時色々あって落ち込んでいた。そんな中、風にふわふわ揺れているエノコログサを見て、「君らは勝手気儘そうでええなあ」と思わず呟いてしまう。そんな願望を素直に詠んだ句。

冬の句。「雲の峰」2024年2月号青葉集掲載。「しはぶき」とは咳の事。家で咳が止まらなくなった時があった。やがて治まったが、その時言いようのない心地よさがあった。恐らく咳と一緒に心のモヤモヤも飛んで行ったのではないか。そんな事を考えて詠んだ句。

今年1年、沢山の景色を見た。それが全て句になった訳ではないが、景色一つ一つは、心の中に残っている。そんな景色を見せてくれた自然に感謝したい。

2024年、拙句を読んでくださり、ありがとうございます。2025年も宜しくお願い申し上げます。

 

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