顧問CFO川井隆史のブログ -96ページ目

東芝の内部統制報告書訂正へ -2つの大きな問題点




東芝が過去の内部統制報告書を「内部統制が有効である」という


判断を取り消すようです。以前にも財務数値に大きな影響を与える


数値について、事業部の裁量が多く他部署のチェックが働かないと


いうのは基本的な内部統制の体制が不備であるとの指摘をして


おりました。また、内部統制報告書について適正意見を出した


監査法人の責任も小さくはないと指摘しました。これはバイアス


のかかった意見かもしれませんが、内部統制報告の監査手続き


はやたらと印鑑(サイン)の有無など細かい形式的なチェックが多


く、一方で本質的なコントロールの部分についてのチェックが


少ない気がしておりました。形式主義にかなり偏った監査手続


きという感じが内部統制監査に何社か同席した企業側のコンサ


ルタントとして感じたことです。


もう一つの問題点はこの事件が証券取引等監視委員会への


内部通報で発覚したということです。実は内部統制の重要な


要素として内部通報制度があります。仕組みとして内部通報が


行いやすいような窓口を整えるということです。もし、内部通報


を握りつぶしたのであればかなり大きな内部統制上の欠陥と


言えるかもしれません。このあたりの動向は今後も注目して


いきたいと思います。

日本の財政 -一般企業では考えられない感覚だと思いませんか?

おはようございます。最近天候が不順でなんとなく疲れがたまります。


皆様もお体にお気を付けください。


今朝の日本経済新聞で財政健全化計画でプライマリーバランスの


黒字化を目指すための歳出削減額を明記しないことを決めたよう


です。本来ならば今16.4兆円ある赤字を20年度にはほぼトントン


にするわけですから相当な努力が必要なはずです。ただ、1000


兆円を超える借金といってもピンとこないのでちょっと少し身近な


数字にしてみてみます。


現状は株式会社日本国の1年間の収入は800万ですが支出は


960万円です。当然払えませんから160万また借金は増えます。


現在借金は1億円を超えています。要はプライマリーバランス


というのは借金が増えないというだけで別に減るわけでは


ありません。当然一般企業だと借金は返済しなければな


らないはずですが支出がゼロでも約12年(1億÷800万)


かかるわけです。


5年後返す見込みどころかこれ以上借金しないためにはどう


するという見込みもないのに借金を増やし続けられる感覚に


驚きます。





歳出削減額の明記見送り 政府、諮問会議で骨太方針骨子案

2015/6/11 0:51
情報元 日本経済新聞 電子版

 政府は6月末にまとめる財政健全化計画で、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化を目指す2020年度の歳出削減額を明記しない方針を固めた。歳出削減の目標額をあらかじめ決めず、毎年度の税収動向などを見ながら弾力的に対応する。ただ、過去の財政計画では目標額を示していただけに、実効性を疑問視する声も出そうだ。

トヨタの新型株に米国年金2位の投資家が反対 -なぜ?




そろそろ株主総会が近づいてきましたがトヨタの新型株について


株主総会でどれだけ反対がでるのか野次馬的にみています。


種類株式の発行なので3分の2の賛成が株主総会で必要な議題


です。株主構成を見ると30%程度外国株主なのでこのあたりが


焦点でしょう。


やや語りつくされている感はありますが簡単にこの株式について


述べると以下です。


1)日本国内で個人投資家向けに発行する5年間譲渡できない種類株

2)5年後普通株に転換または発行額での買い取り可能

3)配当利回りは段階的に上昇し、1年目は0.5%だが段階的に上昇して最終的には2.5%になる

4)議決権行使会社でISSは反対、グラスルイスは反対と対応は分かれる



主な反対理由としては5年間売却ができない株主ができると経営規律


が弱まるということであり、賛成は財務の柔軟性を高め将来のビジネ


スチャンスにつながるということでした。今回の米国公的年金2位の


Calstrsの反対は海外の投資家に閉ざされているという理由で反対


と述べていると新聞記事に載っていました。今一つよくわからないの


でCalstrsのウェブサイトを見ました。(下部のURL参照)

 

 トヨタは米国でも上場していますが日本だけでこの種類株は売り


出されるので反対という趣旨なようです。また、将来の転換価額が


不明なので将来の予想以上の希薄化の可能性があること、実質的


にはほぼ社債に近いのに議決権があるのはおかしいなどの理由が


あるようです。


  日経などの論調は長期的株主になってほしいならば、なるよう


にガバナンスや業績で勝負すべきでこのような5年間売却できない


などの一種強制で行うのはガバナンスの緩みになるのではないか


という方向にみえます。


  全体的な論調はわかるのですがどちらかというと企業側の立場


に立つ人間としてはトヨタに同情的ではあります。それならばどれ


だけ業績などの企業努力やガバナンスなどをみて長期保有して


くれる投資家がいるのだという現実です。所詮投資家は安ければ


買い、高くなれば売りますから。それも上場のコストだといわれて


しまえばそれまでですが・・・

http://www.calstrs.com/news-release/calstrs-votes-against-toyota-proposal-create-dual-class-shares