日経「税金考}を読んで -税が惑わす??
おはようございます。今朝日経の朝刊の一面で「税金考」を
読みました。(下部参照)
記事を読んでいわゆる年収103万円の壁の問題が挙げら
れていました。いわゆる年収103万円を超えると配偶者控除
がなくなるので、パートの時給をあげると労働時間が減ると
いう話が載っていました。これについては納税者側の誤解で
配偶者特別控除が受けられる(合計所得1000万以下)ので別
に損をするわけでありません。これについては社会保険の
130万円の壁の方がインパクトが大きい気がしますし、大企
業の配偶者手当の基準など複雑に絡み合った問題かと思
われます。したがって、税の制度が問題の所在のようにされ
るのはやや厳しすぎると思われます。ただ「税制が惑わして
いる」ことは確かだと思います。
と事業をきっちり峻別した合理的経営を考えていこうという意思
でされるのはこの国の発展のためには望ましいです。しかし、
法人化したほうが個人事業よりも税率が安いためという理由が
一方で非常に多い気がします。したがって実情は家事・事業が
分離していないほぼ個人事業と変わらない法人が乱立して
います。そして、プラスして記事でもあるような中小企業への
優遇措置が助長しています。
昔と比べ人々や企業ののライフスタイルや取り組みは多様化
して、いくら優秀な官僚の方でもとらえられなくなってきていま
す。税制を様々な政策的・経済的誘導・優遇措置として用いる
より中立性・簡素性を重視して、できるだけ広く薄く徴収する
方向性に舵をきっていくほうが良いのではないでしょうか?
税理士などにとっては飯のタネが減るかもしれませんが、
国が衰退すればもっと飯のタネが減るはずなのでそのあた
りは税理士業界も協力していくべきと思います。
税が惑わす日本のかたち
「賃上げ辞退します」/2030年、大企業ゼロ
2015/6/1付情報元
日本経済新聞 朝刊
税金が静かに日本をゆがめている。時代にあわない税が暮らしや企業を惑わし課税の公平も揺らぐ。目先の消費増税に気を取られ税財政のひずみを直す「棚卸し」がおろそかになっていないだろうか。税金という鏡にニッポンを映すと、この国の未来へのヒントが見えてくる。
「賃上げ? せっかくのお話ですが辞退します」。東京都内の金属加工会社で契約社員として働く河本信子さん(51)が上司にこう伝えたのは4月上旬だった
海外投資家の新築マンション購入ー気になること
最近、海外投資家、主として華僑系の方から不動産会社を
通じて税務関係のご相談を受けることが多くなりました。別に
私はとりたてて不動産に強い税理士というわけではないの
ですが、英語対応ができて国際税務経験のある個人経営
税理士はあまり多くないのでということだと思います。大手
税理士法人はそのような方を当然取り揃えていますが、
レートが高いと思われるようです。
さて日経で以下のような記事が出ていて日本の新築マンショ
ンが香港、上海、台湾、シンガポールより円安の影響もあり
割安で海外投資家の資金が日本に流れ込んでいるとのこと
でした。ただ、先日投資不動産に強い不動産会社の方とお
話ししていると、「利回りや値下がりリスクを考えると新築
マンションは進めないのですけどねぇ」とのことでした。新築
マンションは経年による価格の下落は避けられないようです。
ただ、海外からの投資なのでロットはどんなに小さくても億
単位でかつせっかちな方が多いので中古の手当ては難し
く結局新築の1棟丸ごとなどが主な投資対象のようです。
私は不動産投資コンサルタントでもなく相場観もないですし、
もともと不動産会社経由で来た話なので投資の利回りや
キャピタルゲインのことまで気にする必要はなく税務上
投資家の方に有利な方法をご提案するだけです。相手も
不動産にかけては私よりも知識のある投資家でセミプロ
以上だと思われます。ただ、やはり損になりそうな投資
についてはそのまま淡々とすすめていいのかなぁとやや
気になるところではあります。
東京の新築マンション、香港の半額 円建て比較
- 2015/5/29 0:39(日本経済新聞)
国際市場の中で日本のマンションやオフィスの割安感が強まっている。民間のまとめによると、4月1日時点の東京の新築高級マンションは、円建てに換算した香港の価格と比べ半額以下の水準だった。為替相場の円安が影響した。海外からみた割安感は強まっており、海外投資家の資金が日本へ流入している。国内不動産値上がりの一因になっている。
28日の日本不動産研究所(東京・港)の発表によると東京の新築高級マンション価格を100とする指数で、香港のマンション価格は4月1日時点で234.9だった。マンションの供給量が限られる香港は高値になりやすい。2014年10月1日と比べ、東京と香港の差が2割弱広がった。
また東京の高級マンションは上海、台北、シンガポールよりも割安だ。
円安で海外の投資家からみた時の割安感が強まったのに加え、20年の東京五輪を控えて先高観があるとみられている。「14年度の香港、台湾などからの投資件数は、10年度と比べて約20倍となった」(野村不動産アーバンネット)
足元でもマンション価格は上昇傾向だ。日本不動産研究所のまとめでは、東京のマンション価格は昨年10月1日と比べ2.4%上昇した。香港の同3.6%、上海の同3.6%と比べ上げ幅は小さい。
東京ではオフィスの賃料にも割安感がある。4月1日時点の東京を100とすると香港は185.2、ロンドンは151.5となった。
米不動産サービス会社のジョーンズラングラサール(東京・千代田)によると、東京、ロンドン、ニューヨーク、香港など世界のオフィス賃料は08年のリーマン・ショック後に下落したが、現在は回復しつつある。ただ、東京のオフィス賃料の上昇はペースが鈍い。11年の東日本大震災の影響で低迷が続き、現在もリーマン・ショック前の水準とは開きがある。
石山GWH架空販売で元社長ら逮捕 -まだあったこの手の会社
石山GWHの元社長らが架空販売で自社株を売り抜け逮捕され
ました。昨年の段階ですでに証券取引等監視委員会の強制
捜査が行われ12月に第3者委員会の報告が出ています。
非常に長い報告書で細かくは読んでいませんが骨子としては
社長の三木氏の完全なワンマン経営でほぼガバナンスも内部
統制も働いていない状態であったことが明らかにされています。
この取引についても様々な関係会社や架空と思われる法人を
経由したものでお金の流れと言い、不自然な取引であることが
一目瞭然で綿密に偽装するために練られたものであることは
よくわかります。
2000年前半のITバブルのころにはこの石山GWHのような
事業として何をやっているかわからない不思議な会社が新興市
場に上場していました。石山GWHのHPをみても資金調達や事業
提携を支援するなどと書かれていて、会社概要はメーカー事業、
トラベル、アパレルなど何の脈らくもない事業が並んでいて怪
しいです。
このような怪しい上場企業には大抵フロント系の投資家が入り
込み新株や新株予約権の発行を繰り返し、そのお金を社外に
流失させたり、提灯IRで株価を上げて売り抜けたりとやり
たい放題でした。
随分、このような新興市場の信用を著しく失墜させるような
企業は退出したと思っていたのですが、まだまだあるのは
健全なベンチャーの発展のためにも本当に残念です。この件に
関しては監査法人の責任は非常に重いと言えます。この取引
は明らかに不自然ですが第3者委員会の報告を見る限り表
面的に決められた手続きを行ったに過ぎないようにみられます。
当然不自然かつ重要性のある取引については追加の監査
手続きを行いかなり綿密な監査を行うのは当たり前です。
また、内部統制が働いていないのも明らかなようでJ SOX
の監査がおざなりであったことは明らかです。
会計士として非常に悔しく残念な事件でした。


