見える化 -M&A 聞かれないことは答えるなその3
見える化経営コンサルタントのかわい たかしです。買収される側
では「聞かれないことは答えない」という話をしました。「予測がある
か」と言われれば楽観的な予測を出してしまいます。かなり後で
その担当者とざっくばらんに話す機会がありました。資本参加
後、こちらサイドも努力はしたのですがやはり楽観的なシナリオ
通りにはならず、再度資金援助を依頼することになった後
です。この会社は超ワンマン社長の会社でその社長はもう
資本参加を決めていて、担当者としては社長が望むシナリオ
がほしかったようです。したがって、楽観的な資金繰りシナリオ
は双方にメリットがあったようです。ただ、担当者は後で、
そのシナリオと現実がずれ始めたので、会議などでは
責められたそうです。
結構買収側としては結論ありきだと担当者は結論に
沿った証拠を求めてしまい、客観的に判断する材料を
集めなくなってしまうという怖い例です。個人的な感想
ですが長期的にこの資本参加は結果オーライで多少資金負担は
生じてもお得な買い物だったとは思いますがね。
オーナー社長の勘というのは細かい分析をうわまわることはあります。
見える化 -聞かれないことは答えない その2
見える化経営コンサルタントのかわい たかしです。前回
「聞かれないことは答えない」と書きましたが、これは被買収
側の人に対して、話さないことを推奨しているわけではなく、
買収側として、きちんと重要と思われることは聞いておく
ということです。ただ、被買収側として往々にして不利な
ことはできる限り、話したくありません。
自分の経験としてこんなことがありました。ある会社に
出資をお願いすることとなり、デューデリジェンス(買収調査)
が始まりました。当時、資金繰りに窮して出資してもらわなければ
倒産も考えなくてはならない状態でした。当然資金繰り表は要求され
ますので、過去のものについては正しいものは出します。
予測については資金を出していただかなくても回る仮定で作成
したものを出しました。可能性は一応ないわけではないので虚偽
ではありません。そして淡々と作成の仮定についてお話をしました。
仮定が現実的かどうかは判断するのは買収側であると開き直って
いたわけです。買収側として特に取得したい特殊な技術、
ノウハウがある、競合がいるなどでなければ、資金繰りが窮して
倒産寸前の会社は買いたがりません。民事再生など法的処理後
二束三文で買う方法もあるわけです。どうなったでしょうか?
見える化 -M&A 「聞かれないことは答えるな」
見える化経営コンサルタントのかわい たかしです。しばらく
M&Aの話です。独立してからの話はまだお話しできない
のですが、企業に属していた部分の話はある程度は差し支え
ないと思っています。経験としてはGEキャピタルにいたころ
はひたすら買収側、ベンチャーにいたころはどちらかというと
被買収側で両方の立場でM&Aを見ることができたのは
貴重な体験だったなぁと思います。
Valuationなどの話はよい教科書はいくらでもあるので、あまり
本には載っていないような話を中心にはしていきます。
さて、当たり前なのですが、買収側は「見える化」をして、いか
に変なリスクを負わないかという点は非常に重要なのですが、
被買収側からすると都合の悪いことは見せたくないというのが
実情です。正直ベースでお話しすると、被買収側だったとき
はっきりとこう申し上げました。「聞かれたことはネガティブな
情報でも包み隠さずきちんとお話しします」。
買収側にとっては「ネガティブな情報でも包み隠さずきちんと
お話しします」と感じたようですが、実は「聞かれたことは」
の部分がこちら側にとっては重要で「聞かれないことは
お話ししない」ということになります。相手も「プロ」なはず
なので重要なことを聞かない方が悪いのです。ただこの
あたりも程度問題で、将来一緒にやっていく相手に変な
隠し事をして不信感をもたれてしまうのもまずい
ですよね。
続きは次回で。