昨日は、更年期障害の症状についてお話しました。

 

更年期は、ホルモンの変化に加えて、子育てや親の介護、仕事や人間関係などの環境要因も重なりやすい時期。

だからこそ「体」と「心」の両方を整えるケアが大切です。ここでは日常生活で取り入れやすいセルフケアをご紹介します。

 

 

1. 生活習慣の見直し

■ 食事

  • 大豆製品(豆腐・納豆・豆乳など):大豆イソフラボンがエストロゲンに似た作用を持つ

  • 小魚や乳製品:カルシウムで骨粗しょう症予防

  • 緑黄色野菜・果物:ビタミンC・Eで抗酸化作用、血流改善

  • 鉄分やタンパク質:疲れやすさの改善に

→「足りないものを意識して摂る」というより、カラフルでバランスの良い食事を心がけることが大切です。

 

■ 運動

  • ウォーキングや軽いジョギング:血流を良くし、自律神経を整える

  • ヨガやストレッチ:緊張をゆるめ、睡眠の質改善にも効果的

  • 筋トレ:筋力維持により基礎代謝を下げない

→1日10分でも「体を動かす」ことが、心の安定にもつながります。

 

■ 睡眠

  • 就寝前はスマホやパソコンを避け、照明を落としてリラックス

  • 温かい飲み物や入浴で体を温めて眠りやすい状態に

  • 昼寝は20分以内にして夜の睡眠リズムを崩さない

私は、ただひたすら横になって寝ていました。
家事も手抜きをして、自分を労わるようにしていました。

 

 

2. 心のケア

■ ストレス対策

  • 深呼吸や瞑想、マインドフルネスで心を落ち着ける

  • アロマや音楽、入浴など「五感を心地よくする習慣」を取り入れる

  • 感謝日記やポジティブ日記を書くことで気持ちを整理しやすくなる

 

■ 自分を認める時間

  • 「今日もよく頑張ったね」と自分に声をかける

  • 趣味や好きなことに時間を使い、「母」「妻」「会社員」以外の自分を取り戻す

  • 無理をしない。「できない自分」を責めずに受け入れる

 

 

3. 専門家のサポートを活用する

  • 婦人科・更年期外来
    ホルモン補充療法(HRT)、漢方薬など、医学的な治療で大きく改善することもあります。

  • 心療内科・カウンセリング
    気分の落ち込みや不安が強い時に効果的。安心して話せる場を持つことが回復の第一歩。

  • 家族や周囲に伝える
    「イライラは更年期のせいかもしれない」「体調が揺らいでいる」と言葉にするだけでも、理解やサポートを得やすくなります。

 
 
 
 

まとめ

更年期は「終わり」ではなく、自分の体と心を見つめ直し、新しいスタイルを作るチャンス。
小さなセルフケアの積み重ねで、日常がずっとラクになります。

 

今日のあなたは、どんな小さなケアを自分にプレゼントしますか?

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。
 

 

「最近、急に汗が出たり、イライラしやすくなった」「眠れない日が続いてなんとなく元気が出ない」
そんな体や心の変化を感じていませんか?

 

 

更年期とは、閉経の前後約10年間(おおよそ45〜55歳)に訪れる心身の変化の時期をいいます。

 


この時期は、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少し、ホルモンのバランスが大きく揺らぎます。

その結果、自律神経の働きや脳内の神経伝達にも影響し、さまざまな症状が現れます。

 

 

よくある身体の症状

  • 顔のほてり、急な発汗(ホットフラッシュ)

  • 動悸や息切れ

  • めまい、頭痛、耳鳴り

  • 肩こり、腰痛、関節の痛み

  • 手足の冷え、しびれ

  • 皮膚や粘膜の乾燥(肌荒れや膣の違和感など)

  • 寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなどの睡眠障害

 

 

心に出やすい症状

  • イライラしやすい、怒りっぽい

  • 気分が落ち込みやすい、不安感が強い

  • 集中力や記憶力が低下する

  • やる気が出ない、無気力

 

症状の出方や重さには個人差があり、「全く症状を感じない」という方もいれば、「日常生活がつらくなるほど強く出る」という方もいます。

 

私も40代半ばに、体もだるく、やる気はでず、気分が落ち込むことが多かったと思います。

その時には、自分が更年期だなんて思ってもみませんでした。

実は、この記事を書きながら、振り返ってはじめて更年期だったと気づきました💦

それくらい、気づきにくい場合もあります。

 

 

このような心と体の変化は、「年齢だから仕方がない」と我慢する必要はありません。
正しい知識を持ち、体や心に寄り添ったケアを取り入れることで、より楽にこの時期を過ごすことができます。

 

 

 

次回「更年期をラクに過ごすためのセルフケア法」についてお話しますね。

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。
 

 

 

 

せ私たちが日常で当たり前のように口にする「ありがとう」。
でも実はこの言葉、世界的に見てもとてもユニークな語源を持っていることをご存じでしょうか?

 

 

 

「ありがとう」の本来の意味

 

「ありがとう」は古語の 「有り難し(ありがたし)」 が語源です。
「有ることが難しい」=めったにない、珍しい、尊いという意味。

 


つまり、

「あなたがしてくれたことは奇跡のように尊い」
という気持ちが込められているのです。

 

 

この「稀少性」に基づく感謝表現は、実は世界的に見てもかなり珍しいと言われています。

 

 

 

世界の「ありがとう」はどう違う?

 

多くの国の「ありがとう」は、語源的には

  • 恩や恩恵に報いる(義務的な意味)

  • 好意に対する返礼(心に留める)

  • 神や人からの恩寵に感謝

といったニュアンスから発展しています。

 

 

たとえば:

  • 英語 Thank you は古英語の thanc, thonc(思考、好意、感謝)

  • フランス語 Merci はラテン語の merces(恩恵、報酬)や merx(商取引)

  • スペイン語 Gracias はラテン語の gratia(恩寵、恩恵、魅力)

  • 中国語 謝謝 は「謝」は古代中国で「詫びる・お礼を言う」の両義を持ち、「恩義に礼を尽くす」の意味

  • ドイツ語 Danke  は英語と同じく古ゲルマン語 thancōjaną(思う、感謝する)

  • サンスクリット語(古代インド)Dhayavad  は「富(dhanya)」+「与える(vad)」

 

どれも素敵な言葉ですが、「めったにない」「奇跡的な」という発想からの感謝ではありません。

 

 

 

 

日本語が伝える“奇跡”の感覚

 

日本語の「ありがとう」だけが、
「存在そのものが当たり前ではない」「だからこそ感謝」
という発想から生まれています。

 


この背景には、

  • 自然や人とのつながりを「いただきもの」と感じる日本文化

  • 「当たり前」ではなく「有り難い」と受け止める感性

が根づいていると考えられます。

 

 

ありがとうを言うとき、思い出したいこと

 

誰かがしてくれた親切だけでなく、

  • ここに生きていること

  • 大切な人がそばにいること

  • 今日も呼吸できていること

これらすべてが、実は「めったにない」「奇跡」かもしれません。
「ありがとう」の語源を知ると、何気ない日常や人間関係にもっと深い感謝と喜びが広がっていくのではないでしょうか。

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。
 

 

 

 

おはようございます。
今日はちょっとドキッとするテーマ、「医者から嫌われる患者のタイプ」についてお話しします。

 

 

実は、先日「うち(大病院)では、診れません」と断られた方が病院に来られました。

 

もちろん、医師も人間です。

患者さんを“嫌う”というより、「診療がスムーズにいかなくて困ってしまう」タイプがあるのです。

そこを知っておくと、信頼関係を築きやすくなりますよ。

 

 

 

医師が困りやすい患者タイプ

1. クレームばかり言うタイプ

小さなことでも不満をぶつけたり、前の医師を否定したりすると、どうしてもコミュニケーションが難しくなります。

 

2. ネット知識を振りかざすタイプ

「ネットにこう書いてあった」「テレビの先生はこう言っていた」と主張ばかりで、医師の説明を聞かない人。

情報収集は大切ですが、医師の判断を全て否定されると診療が進みません。

 

3. 無責任タイプ

薬を勝手にやめて悪化したのに「先生のせい」と言う。

治療を守らず責任転嫁する態度は、医師との信頼関係を壊します。

 

実は、処方通りに飲まない方は、意外と多いんです。

WHO(世界保健機関)によると、慢性疾患のある患者の約50%が処方通りに服薬していないと推定されています。

厚生労働省による高齢者調査では、「飲み残さない」と答えたのは42.27%、「たまに飲み残しがある」39.57%、「飲み残しが多い」4.00%などと分かれており、約57〜60%が何らかの服薬漏れ経験ありと考えられます。

 

以前こんな方がいました。

薬のヒートにその薬の容量が記載されていますが、それを見て、「数字の大きいものは、強い薬だから飲まない」と言って、勝手にやめていた方がいました。

 

ヒートに書かれた数字と、薬の効果とは一致していません。用法は守りましょう。

 

 

4. 過度に依存するタイプ

少しの症状でも何度も救急に駆け込む、「先生がいないと不安」と過度に頼りすぎると、冷静な診療が難しくなります。

 

また、「すべて、先生にお任せします」と言う場合も困ります。

自分の身体の主導権を医者任せにしてしまっています。

 

5. 情報を隠すタイプ

服薬中の薬や健康食品を黙っている。病歴をごまかす。これが一番危険です。

正しい診断や治療ができなくなってしまいます。

 

 

 

医師が喜ぶ患者とは?

実は「質問する患者さん」や「自分で調べる患者さん」は嫌われません。

むしろ、自分の健康に主体的に取り組む姿勢は、医師にとって心強いもの。

大切なのは、

  • 相手を信頼して耳を傾けること

  • 自分の体の情報をきちんと伝えること

  • 自分の身体の責任を人任せにしないこと

この3つです。

 

 

おわりに

「嫌われる患者」とは、医師にとって診療を難しくする患者のこと。

逆に、協力し合える患者は医師にとって大切な存在です。

 

 

あなたはどうでしょうか?
病院での自分の関わり方を、ちょっと振り返ってみませんか。

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。
 

 

 

 

先日の夕食のとき、主人がぽつりと
「今日、怒られた」と言いました。

 

 

「どうしたの?」と聞くと、
「○○先生に“論文出さないの?”と言われた」

 

……え?それが「怒られた」になるの?

 

 

 

実は主人、部下に「論文を書け、書け」と言っているけれど、なかなか出せていない状況。(論文の数も評価になるので)


部下への指導が悪いと指摘されたように感じ、恥ずかしさが湧き、「怒られた」と受け取ってしまったようです。

 

 

私たちも日常の中で、
ふとした一言に落ち込んだり、傷ついたりすることがあります。


でも、それは言った人が悪いのではなく、
受け取る側の心の状態によって生まれるものかもしれません。

 

 

 

今の時代、
パワーハラスメント、セクハラ、○○ハラスメント…と
“ハラスメント”という言葉をよく耳にします。


けれども、受け手が被害者意識でいると、
なんでもハラスメントになってしまうのです。

 

 

 

そんなときは、
一度感情を脇に置いて、ただ事実だけを見てみる。

 


そして自分に問いかけてください。

「本当に? 本当に? 本当にそう?」

 

繰り返してみると、
「あれ、そうでもないかも」と気づくことがあります。

 

 

 

心のフィルターを外して事実を見つめ直す。
それだけで、世界は少し優しく見えてきます。

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。