インフルエンザワクチンについて調べていると
「保存剤が入ってるのが心配…」という声をよく聞きます。
そこで今日は、よく使われる保存剤について 医師として簡単にまとめてみました。
保存剤が入っている理由
インフルエンザワクチンには 1本の瓶を複数人で使うタイプがあります。
開封後のワクチンに雑菌が入らないよう、 その瓶には 「保存剤」 が入っています。
よく使われる保存剤:チメロサール
日本でも世界でも、最もよく使われているのが 「チメロサール」。
これは水銀の一種を含んでいるため、
「水銀=危険?」と心配されやすいのですが、 チメロサールに含まれるのは エチル水銀 というタイプ。
魚に含まれる「メチル水銀」とは代謝のされ方が全く違い、 体内に長く残らず、数日で排泄されます。
世界中の研究で、 チメロサールと発達障害・自閉症などの因果関係は否定されています。
妊婦さんは「保存剤なし」を選ぶのがおすすめ
厚生労働省の添付文書には、次のように書かれています。
「妊娠中は、可能な限りチメロサールを含まない製剤を使用することが望ましい」
「胎児への明確な有害報告はないが、妊娠中の接種は慎重に判断すること」
つまり、
危険とまでは言い切れないものの、 より安全性を考えた場合は“保存剤フリー”が推奨 ということです。
医療機関で 「単回使用の(保存剤なし)ワクチンがありますか?」 と聞けば教えてくれます。
日本のワクチンの現状
● 単回使用(1人分) → 保存剤なし
● バイアルタイプ(複数人分) → チメロサール入り
最近では、単回使用のワクチンも増えてきました。
医療機関によって採用しているタイプが異なるため、気になる場合はお問合せください。
最後に いちばん大切なのは “マインド”
安全性は確認されているとはいえ、 どう感じるかは人それぞれ。
大切なのは、 情報を知って、自分の感覚で選ぶこと。
私個人的には、「打つ選択」「打たない選択」
どちらを選ぶにしても、マインドセットをしておくことをお勧めします。


