第2回:インフルエンザワクチンの「デメリットと限界」

第3回:インフルエンザワクチン「医師 野上徳子の選択」

 

第4回:インフルエンザを遠ざける“マインドセット”

第5回:インフルエンザワクチンの「保存剤」

 

毎年この季節になると、外来でよく聞かれます。 

「先生、インフルエンザワクチンって本当に効くの?」と聞かれます。

 

 

外来では、予防接種を希望する方が多く来られるようになり、

企業や介護施設にも出張予防接種も始まったので、

 

今日は、インフルエンザワクチンの“本当の予防効果”を、できるだけ分かりやすくお伝えしますね。 

 

 

 

 

インフルエンザを“完全に防ぐ”ワクチンではありません 

まず大切なのは、 インフルエンザワクチンには 限界がある ということ。 

 

世界的な研究では、 発症予防効果:40〜60% と言われています。 

 

100%防げるわけではないけれど、 「かかりにくくなる」ことは確かです。 

 

 

 

 

ワクチンの本当の価値は“重症化を防ぐ”こと 

ここが一番大切なポイント。 

インフルエンザの怖さは、 高熱よりも 肺炎・心筋梗塞・喘息悪化などの合併症。 

 

ワクチンを接種していると、 

・入院リスクが約40%減少 重症化

・死亡リスクが50〜80%減少 

というデータがあります。 

 

つまり 「かかる・かからない」よりも「倒れないためのワクチン」 というイメージが正確なんです。 

 

 

 

 

子ども・高齢者・持病のある方は特に効果が大きい 

・子ども → 反応が良く、予防効果が高い 

・高齢者 → 免疫は上がりにくいが、重症化予防効果は大きい 

・持病がある方 → インフルで状態悪化しやすいため恩恵が大きい 

 

家族全体の感染も減らすため、 家族でインフルエンザ予防したい時にも効果があります。 

 

 

 

 

まとめ 

・インフルエンザワクチンは 発症を4〜6割減らす 重症化を防ぐ力がとても強い 

・子ども、高齢者、持病がある人は特におすすめ 

・「インフルにならないため」より 「倒れないため」「家族を守るため」のワクチン 

 

 

 

次回は、 “インフルエンザワクチンのデメリットや限界について” 医師として正直にお話ししますね。

 

 

 

 

 



野上徳子(のがみとくこ)
内科医・心理カウンセラー
1967年生まれ、岡山県育ち。現在、愛媛県松山市在住。

医師として30年診療に携わる中で、昔から‟病は氣から”というように病気の原因は氣(潜在意識)が大きく関わっていることに気付き、現在は、病気や生きづらさの中に生きる価値を見出し、本当の自分として命を輝かせて生きるサポートをしています。