毎年この季節になると、外来でよく聞かれます。
「先生、インフルエンザワクチンって本当に効くの?」と聞かれます。
外来では、予防接種を希望する方が多く来られるようになり、
企業や介護施設にも出張予防接種も始まったので、
今日は、インフルエンザワクチンの“本当の予防効果”を、できるだけ分かりやすくお伝えしますね。
インフルエンザを“完全に防ぐ”ワクチンではありません
まず大切なのは、 インフルエンザワクチンには 限界がある ということ。
世界的な研究では、 発症予防効果:40〜60% と言われています。
100%防げるわけではないけれど、 「かかりにくくなる」ことは確かです。
ワクチンの本当の価値は“重症化を防ぐ”こと
ここが一番大切なポイント。
インフルエンザの怖さは、 高熱よりも 肺炎・心筋梗塞・喘息悪化などの合併症。
ワクチンを接種していると、
・入院リスクが約40%減少 重症化
・死亡リスクが50〜80%減少
というデータがあります。
つまり 「かかる・かからない」よりも「倒れないためのワクチン」 というイメージが正確なんです。
子ども・高齢者・持病のある方は特に効果が大きい
・子ども → 反応が良く、予防効果が高い
・高齢者 → 免疫は上がりにくいが、重症化予防効果は大きい
・持病がある方 → インフルで状態悪化しやすいため恩恵が大きい
家族全体の感染も減らすため、 家族でインフルエンザ予防したい時にも効果があります。
まとめ
・インフルエンザワクチンは 発症を4〜6割減らす 重症化を防ぐ力がとても強い
・子ども、高齢者、持病がある人は特におすすめ
・「インフルにならないため」より 「倒れないため」「家族を守るため」のワクチン
次回は、 “インフルエンザワクチンのデメリットや限界について” 医師として正直にお話ししますね。

