王様と正月の天気 6
王様は言いました。「なるほど、では、急に死んだり、急病になるのはどうしてだ?」少師は言いました。「『三虚』の場合、人の死は病からあっという間です。『三實』であれば、邪が人を傷つけることはできません。」王様は言いました。「まずは、三虚について、聞かせてくれ。」少師は言いました。「年が歳気不及の虚の上に、月の形に光が無く黒い日にあって、気候が季節に合っていない、という三つが重なれば、賊風は人を傷つけ病にします。年・月・時(季節)、の三つが虚の状態を『三虚』といいます。どんなに体の構造にくわしい名医でも、三虚を知らなければ、だめな医者です。」王様は言いました。「では、三實について、聞きたいぞ。」少師は言いました。「年が歳気が盛で、月が光る満月で、気候が季節に合っている、これが『三實』です。賊風の邪気が吹いても、人を危い目にあわせることはできません。」王様は言いました。「すばらしいお話であった、はっきりと道理まで、よく分かったぞ。少師よ、たのみがある、今の話を、金匱(素問46)の本に書いてくれないか。しかし、少師が一人で話したことなので、岐伯にも聞いてみよう。」