岐伯は続けて言いました。
「三の法則は、人です。
人を生かしているのは、血脈です。
治療は、脈を上から按じますが、
圧しすぎて凹ませないように、
鍼は、鍼体が大きく、鍼先は丸い形です。
鍼の名前は鍉鍼といいます。
長さは三寸五分、鍼先は黍や粟のように丸みのある形で、
経脈を上から圧して按じて、邪気だけを出します。
四の法則は、季節です。
季節によって八つの異なる方向から吹く風が、
経絡に居座ると、瘤のできる病になります。
瘤にある熱を寫し、血を出し、瘤を涸れさせるために、
鍼の形は、筒状で、鍼先が剣のように鋭い形です。
鍼の名前は鋒鍼といいます。
長さは一寸六分、鍼体は筒で、鍼先は剣の形で、
出来物の熱と血を出しますが、
見た目は、わた布を縫う針と同じ形です。
五の法則は、音です。
五は、一から九までの中央であり、中間です。
冬至を含む子の月からの一年では、
夏至を含む午の月が中間です。
子と午の月の間では、
冷から温へ、暑から涼へ、と変わります。
体の中で、寒と熱が互いにぶつかると、
両方の気が合わさって、膿のある出来物ができます。
大きな出来物から膿を取り除くために、
鍼の形は、両刃の剣先のように鋭く、
幅は二寸半、長さは四寸で、剣の形です。
鍼の名前は鈹鍼といいます。
大きな出来物に溜まっている膿を出して、
邪と熱が争ってのを治します。」