実は、この前の週末に、電車で1時間半くらいの街にいって、「アングリー・スクワッド」と「侍タイムスリッパ―」をハシゴして見ようと思ってたんだけど、やはり冬の遠出はおっくうで、やめてしまった。(-_-;)そんなに悪いお天気ではなかったものの、都会と違って電車の本数が少なくて、1本逃すと1,2時間待ちは当たり前なので。なんでここで見られないんだろう、「侍・・」は日本アカデミーにもノミネートされて、ブルーリボンの作品賞と主演男優賞もとったのになあ。仕方ない、配信を待とうか。それとも後になってから公開されるだろうか。
「推しの子」の後見た映画:「ギヴン~海へ~」
ポスターには、公開日9月20日と書いてあるが、ここには1月に来た。多分1週間くらいしか上映しなかったのでは?私が映画館のアプリで上映することにに気づいたのは確か10日、でも日中の早い時間に1日1回しか上映しないので、焦って11日に見に行った。これが劇場版ギブンの最終作。ポスターには、真ん中に真冬、後ろに立夏、少し離れて春樹と秋彦が見える。そしてメジャーデビューしたsyhの玄純と柊の電子看板も上に見えるし、左には雨月も見える。
ホールには女子のみでぱらぱらと席が埋まっていた。入場者特典に、色紙がもらえた。
内容はだいたい知っていた。なんでだろう、アニメで見たんだっけ?初めに、生前の由紀と真冬が一緒に海に行っていた。まだ寒いころで、二人ともコートにマフラーで。「初めて真冬が一緒に海に行った相手は俺なんだ」って、由紀が真冬の記憶に刷り込もうとしていた。そのあとの帰りがけ、「帰ったら風呂場でセックスしようぜ」と言った由紀と、「うん。・・・やだ」「どっち?」「やだ」という二人の会話が妙に記憶に残っていた。・・・今は、由紀はいない。
「じゃあ、僕のために死ねるの?」という真冬の言葉の前にどんなやりとりがあったのかはわからない。でも、由紀は命を絶ち、その母は、「あの子はいつかチキンレースでこんなことになるんじゃないかと恐れていた、でも真冬がその碇になってくれるのを期待していたの。真冬にこれを持っていて欲しい。」と、由紀の形見のギターを預けた。音楽に由紀を取られたような気がして、柊や玄純らとのバンドに参加しなかった真冬だったが、断れなかった。
その後は、ギター演奏の超絶うまい立夏と真冬が学校で出会い、音楽を拒んでいた真冬は心の空洞を立夏にギターを習うことで埋めていき、いつしか二人の間に恋が生まれた。(由紀の時とは違う、寂しさや足りないものを埋め合うような恋ではなく、もっと穏やかなものだ。)その歌のすばらしさを見出されて真冬と立夏・春樹・秋彦は4人でバンド「ギブン」を結成。フェス出場をかけたアマチュアのコンテストでは惜しくも入賞を逃すが、メジャーデビューの声がかかった。ほかのメンバーは前向きだが、真冬だけは立ち止まって踏み出せずにいた。夢中で走ってきたけれど、いざとなるとやはりもう引き返せなくなると思って音楽が怖くなる。一方立夏は、柊に請われ(由紀のかわりに)syhにサポートギタリストとして入り、柊に頼まれて、由紀が作りかけていた曲「海へ」を完成させようとしていた。柊と玄純、「寂しい子供たち」だった幼馴染も、真冬の事を心配していた。
立夏は、由紀のフレーズを生かして心をこめて作曲した。真冬がかつて由紀を愛したことを、立夏は何も否定しない。ただ真冬への想いを愛する音楽に込め、syhのコンサートで真冬に聴いてほしかった。真冬に渡したしわくちゃのチケット、真冬は受け取ることもできず、練習にも参加しない。そんな真冬を動かしたのは、無邪気に応援してくれるクラスメートであり、(初めてファンというものを意識した)音楽の面でも人生(恋愛)経験の面でも尊敬している雨月だった。そして、やっとのことでsyhのコンサートにいった真冬がきいた由紀と立夏の曲は、真冬の気持ちを根底から変えた。音楽から距離を取る必要はない、由紀は真冬の中にいる、真冬のかかえる空洞の中にずっといて、真冬の浴びる音楽を一緒に聴いているのだ。俺に届くように大きな声で歌え、と由紀は真冬に呼びかけている。その由紀の心と、共鳴する真冬の心がいじらしくて、涙が出そうになった。
こんなに長く書くつもりなかったのだが、結局長くなったので、他の映画は次のブログに譲ることにした。真冬は、立夏と電車に乗って海に出かけた。別に由紀との思い出を上書きする気ではなく、これから、真冬は自分の音楽と、そして立夏と向き合っていくのだろう。死んでしまうのは、忘却の彼方にいってしまうことではなく、むしろ(時には強烈に)刻印のように残ることでもあるよなあ。下は、立夏が買ってきたカフェオレを手にした真冬。場所は湘南ぽい。今回、春樹と秋彦があまり出てこなかったのはちょっと物足りなかったなあ。
一人ユニット・センチミリメンタルが担当したギヴンの曲は好きで、よく聴いている。今回の「海へ」は、「冬のはなし」と同じフレーズを使っている。今度出る音源買おうかな。