午後の早い時間に大阪南部で仕事を終え、帰路県境を越え奈良県中西部に位置する「大和高田市」を走行していました。

 

 

大和高田(市)(やまとたかだ)とは? 意味や使い方 - コトバンク

※ 画像は、コトバンクHPより引用。

 

 

 

対向車線に可愛いイラストがラッピングされたコミバスに遭遇。

今まで何度かすれ違ったことがあるので存在は知っていたのですが、ふと【乗りバス】魂に火が灯り、

 

 

大和高田市コミュニティバス「きぼう号」

 

 

乗車レポを紹介したいと思います。

 

 

 

<過去10回の乗車記>

 

2021年4月13日天理市コミュニティバス「いちょう号」

 

2021年5月12日大和郡山市コミュニティバス「元気城下町号」

 

2022年4月21日広陵町コミュニティバス「広陵元気号」

 

2022年5月18日斑鳩町コミュニティバス

 

2022年6月16日平群町コミュニティバス「長屋くん・左近くん号」

 

2022年10月29日葛城市コミュニティバス「れんかちゃんバス」

 

2023年10月20日生駒市コニュニティバス「たけまる号」

 

2023年11月16日木津川市コミュニティバス「やましろバス」

 

2024年1月27日高松市香川町コミュニティバス

 

 

 
 
 
 
「高田市」と名の付く市政は、全国に4ヶ所あるようで、
岩手県の陸前高田市、奈良県の大和高田市、広島県の安芸高田市、大分県の豊後高田市
かつて新潟県西部(上越地方)にはそのまま「高田市」が存在していたようですが、1971年(昭和46年)直江津市と合併して現在の上越市となっています。
ちなみに東日本大震災による津波で大きな被害を受けた陸前高田市と敏腕石丸市長が在籍されている安芸高田市は、正式には清音「たかたし」と読み、奈良と大分は濁音「たかだし」と区別しておかなければいけません。
いずれの市においても、旧国名が頭文字となっているのが嬉しいですね。
 
 
 
大和高田市コミバス「きぼう号」のハブターミナル停留所となっているのは、
市民交流センター「コスモスプラザ」で行政サービス、一時託児所、多目的室などの共有施設が集まっている場所のようです。
 
 
 
前は芝生公園になっていて、小さなお子さん用の遊具があり、奥にはスーパーマーケットが隣接しているので、日ごろの買い物にも便利そうです。
 
 
 
入口横にストリートピアノが配置されていました。
レインボーカラーに彩ったコスモスが描かれています。
この施設は「コスモスプラザ」でこのピアノにも「コスモス」が描かれている理由としては、市の花が「コスモス」であることに由来しています。
 
 
 
そして、思わず目に留まったのがこの看板。
カット@690円、丸刈りだと@490円! 安っ!!
うちの近所に1,000円散髪(最近値上がって1,100円)はあるけど、安すぎませんか?

 
 

 

さて、出発時刻が近づき市民交流センター東側にある停留所にはコミバスが入線していました。

 

 

日野ポンチョ 形式:2DG-HX9JLCE

 

3路線6系統の内、西部線にて使用。

南部線も同デザインで別の車両あり)

 

 

 

ピンクを基調とした大和高田市国民健康保険のラッピングが施されています。

 

 

 

ん!? エンジンフードの高さが違う?

形式はHX-9でももしや2017年マイチェンされた後期型なのでは?

 

 

 

この愛らしいキャラクターの名は、「みくちゃん」。漢字だと「未来(みく)」と書くそうで、

1997年(平成9年)大和高田市制50周年”未来へはばたきますように”という願いが込められて命名されたのだそうです。

 

 

そして、さらにもう一台別路線のコミバスが入線しています。

 

 

 

日野レインボーHR7M 形式:KK-HR1JEEE

 

東部線に使用されているようで、ポンチョより大きな車両が使われているようです。

 

 

 

レインボー7Mは、名の通り7mボディのショートサイズとなりますが、

ポンチョショートは、カタログ値6,290mmと70cmほどの違いがあり、座席数も前者23名、後者14名とレインボー7Mの方が大きいのです。

 

 

 

3路線6系統の内、、恐らく利用者数が一番多いのが東部線ではないかと思われます。

 

 

3路線×(内回り外回り)の6系統

東部線:市内中心部・土庫・松塚・築山方面

西部線:市内中心部・出屋敷・築山赤坂町・陵西市場方面

南部線:市内中心部・曽大根東・根成柿・天満診療所方面

 

 

運賃: 高校生以上 片道100円

一日乗車券 200円

※ 交通系ICカード使用可

未就学児・小学生・中学生 

未就学児を1名同伴される場合、大人1名分

70歳以上の人、身体障害者、妊婦は無料。

運休日: 第1、3月曜日(但し祝日・振替休日は運行)、年末年始(12月30日~1月3日)

 

 

 

なんとこのコミバスは、奈良交通の『バスナビweb』システムが導入されていて、

Googleマップ上に現在の運行状況がGPS位置情報でわかるようになっているのです。

 

 

 

上記写真は、停留所内の液晶モニターを撮影しましたが、スマホでもオンラインで確認することができます。

 

 

平日夕方の近鉄奈良駅JR奈良駅界隈の運行状況をスマホスクショしてみました。

 

 

 

 

 

出発時刻5分前、乗車開始のアナウンスが流れ、早速乗り込ませていただきます。

乗客はベレー帽を被った上品そうなおばあさまと私の2名です。

 

 

西部線内回り出発進行!

コミュニティバスきぼう号/大和高田市

 

 

 

何度も乗車している日野ポンチョの車内。

やはり新しい車両のようでマイチェン後期モデルで間違いなさそうです。

 

 

 

運転席横に運賃箱、交通系ICカードのほとんどが利用できるようです。

ちなみに今回の乗客はすべて70歳以上の高齢者の方だったようで、何かしらのパスポートを見せられ無料でご利用されていました。

私は、運賃一律100円を後払いで支払いました。

 

 

 

フロントガラス中央上には、現在地や3つ先の停留所をリアルタイムで表示してくれていて、車内のアナウンスは録音タイプでした。

 

 

 

間もなくして、コミバスが鉄道と接続できる

近鉄大阪線・大和高田駅 <地図>

かつて駅東にあった紡績工場が赤煉瓦造りだったようで、この駅舎も同デザインを採用した建築だそうです。

 

 

 

続いてすぐに、

JR和歌山線、万葉まほろば線・高田駅 <地図>

市役所、市立病院、図書館などの最寄り駅となっていますが、なんだか閑散とした雰囲気に感じました。

 

 

 

ここで地理情報をGoogleマップを編集した地図でご説明したいと思います。

 

 

北から順に

大阪上本町駅~伊勢中川駅を繋ぐ近鉄大阪線・大和高田駅

王寺駅~和歌山駅を繋ぐJR和歌山線・高田駅

そして、JR万葉まほろば線では、奈良駅~高田駅を繋いでいます。

大阪阿部野橋駅~橿原神宮前駅を繋ぐ近鉄南大阪線・高田市駅

 

なんと3路線も乗入れをしている鉄道の要衝になっていてかなり利便性が高い地域であることがわかります。

 

 

コミバスは進路を西に変え、国道166号に入りました。

右手に大和高田市役所

 

 

 

しばらくして進路を北に変え、左手(西側)には奈良盆地西側に連なる葛城山系さらに左側(南向き)に金剛山が連なっています。

この日は生憎の曇り空だったので、うっすらとしか見えなかったのは残念ですが、

いつもだと冬シーズンは山頂付近に雪化粧をした風景が望めるのです。

今年は暖冬のこともあって積雪もわずかのようです。

 

 

 

ところで、『六甲おろし』ってご存知でしょうか?

 

関西人だったら誰もが知っている阪神タイガースの球団歌でもありますが、

その歌詞にもなっている『六甲颪(おろし)』山颪の風は、大半が葛城山・金剛山に吹き下ろすのを知っている方は少ないのではないかと思い、Googleアースマップを用いてご説明したいと思います。

 

 

プロ野球シーズンは、春に開幕し秋にペナントレースが閉幕しますが、『六甲颪(おろし)』が最も吹き下ろすのは冬シーズンでプロ野球だとオフシーズンとなります。

 

西高東低の冬型気圧配置により北西からの季節風六甲山にぶち当たり、バウンドして大阪市内上空を横断し、吹き下りるのが葛城山・金剛山なのです。

勿論風速の強弱、風向きがあるので全部でないことを追記させていただきます。

 

 

 

左の雌岳、右の雄岳と40mの高低差を持つ双耳峰は、二上山(にじょうざん)

万葉集にも詠まれる奈良県を代表する低山(標高517m)で山頂付近が大阪府との県境になっています。

 

 

 

田園と住宅が融合する農村地帯を抜けていくと、

さくら荘停留場に到着しました。

 

 

全く知らなかった施設なのですが降車後調べてみると、正式名「高田温泉さくら荘」というそうで天然温泉が湧く立ち寄り湯なのだそうです。

 

入館料は、

大人(12歳以上60歳未満) 500円

子供(4歳以上12歳未満)   300円

幼児  無料

60歳以上  300円

 

そして、市内在住75歳以上はなんと無料!

 

どおりでさっぱりとした顔の老老男女の方々が乗車されてきたわけです。

 

コミバス無料で乗車して、温泉無料で入浴できるなんて老後は大和高田市に移り住もうかな(≧▽≦)

 

 

日野ポンチョの本領を発揮すべく細い路地、曲がりくねった市道を通って北上していきます。

 

線路を渡る際、軌道の先に見えるのは、

近鉄大阪線・五位堂駅 <地図>

 

 

島式ホーム2面4線、左奥に五位堂検修車庫が隣接する駅です。

五位堂検修車庫普段は非公開ですが、毎年秋に「きんてつ鉄道まつり」が開催される際は一般公開されています。

どなたも乗降車されませんでしたが、五位堂駅徒歩圏内にもバス停留所があるようでした。

ちなみに現在、大和高田市より西隣の香芝市を走行しています。

 

 

道165号に入り、近鉄大阪線・築山駅横(北側)を通ります。

またしても鉄道との接続が可能なバス停があるのです。

 

小高い丘にある築山(つきやま)住宅街をグルっと回って、再び五位堂駅近くの踏切を渡る際、2400形-2538号 大阪上本町行き普通電車が通過していきました。

 

 

 

進路は南方向、今度はJR和歌山線の単線踏切を渡ります。

西側にJR五位堂駅があったのですが見逃してしまいました。

これで鉄道接続バス停は4ヶ所目。

 

 

 

そして、近鉄南大阪線・尺土駅近くのバス停留所で一人降車されました。

鉄道と接続されているバス停はこれで5ヶ所目。

これより、国道166号を東に向きます。

 

 

車内には知らない間に運転手、おばあちゃん、私の三人となりました。

そのおばあちゃんは最後尾席に座っていた私を気にしながらも運転手さんに話しかけられました。

 

 

婆 「〇〇さん(運転手さんのこと)希望号に戻ってきやはったんやね」

運 「昨日から復帰させていただいています」

婆 「〇〇さんの運転は安全だから安心やわ」

運 「あっ、ありがとうございます・・・」

婆 「お子さんも大きくならはったんやろ?」

運 「お陰様で」

 

 

こんな他愛もない会話なのですが、普通であればバスの運転手のお名前や家族構成なんて知るはずもないですよね?

お隣りに誰が住んでいるかわからない現代社会において、この『コミバス』はその名の通り”コミュニケーションツール”となって地域に入り込んだ運行をされているのだと感心しました。

 

それからしばらくおばあちゃんと運転手さんの会話が続きました。

車外は冷たい北風が吹く中、車内にはほっこりとした温かい風が吹いていたことは言うまでもありません。

 

 

 

コミバスの旅もいよいよ終盤に入りました。

今まで数々のコミバスを乗り継いできましたが、必ず停留所に指定されている施設といえば病院。こちらは「大和高田市立病院」

 

 

 

大中橋を渡りバスは進路を変え南下、県道132号河合大和高田線に入りました。

高田川に沿った河岸は、「高田千本桜」と言われあと数か月もすればズラーっと綺麗な桜が見れることでしょう。今はまだ剥げ散らかしています。

 

 

 

最終停留所1つ前で下りるのが我流。

だって最終停留所は、起点であり終点なのでグルっと一周することになり単純に”おかしな人”でしょう(笑) 否定はしませんが・・・

近鉄南大阪線・高田市駅 <地図>

鉄道接続バス停は、これで6ヶ所目となりました。

 

 

 

駅前には、「コスモス21の塔」と名付けられたモニュメント

 

 

乗車時間1時間10分

平日にも関わらずのんびりとした時間を過ごしました。

 

幼少の頃は、お小遣い100円を貰って近所の駄菓子屋でぴったり100円分のお菓子を買い、神社や公園で半日遊べました。

今では100円で買えるお菓子も数少なく、100均も名ばかりの税込110円。。。

 

『コミバス』に乗って運賃100円払えば1時間のバス旅、流れる車窓の景色を眺め、変わりゆく季節を感じ、地域の人たちの談話なども聞くことができるのです。

 

地域づくりにおいて日頃からのコミュニケーションの場でもある『コミバス』の存在意義。

誰もがいつかは免許返納するときが来るはずなので、老幼男女の乗り物とせずに大いに活性して欲しいものだと思います。