先日、午後の早い時間に奈良県生駒市で仕事を終え、国道163号から国道24号に合流し進路は南向き奈良方面に行かずそのままJR木津駅に向かい寄り道。
今回は、京都府木津川市コミュニティバス「やましろバス」の乗車レポを紹介したいと思います。
<過去8回の乗車記>
2021年4月13日天理市コミュニティバス「いちょう号」
2021年5月12日大和郡山市コミュニティバス「元気城下町号」
2021年11月18日御所市コミュニティバス「ひまわり号」
2022年4月21日広陵町コミュニティバス「広陵元気号」
2022年5月18日斑鳩町コミュニティバス
2022年6月16日平群町コミュニティバス「長屋くん・左近くん号」
2022年10月29日葛城市コミュニティバス「れんかちゃんバス」
2023年10月20日生駒市コニュニティバス「たけまる号」
京都府の最南端に位置している木津川市は、
![市のプロフィール - 木津川市](https://www.city.kizugawa.lg.jp/images/content/542/20070306165426995.jpg)
西口ロータリーはタクシーやバスの発着場となっているのですが、コミバス「やましろバス」の停留場は手作りラミネートの看板があるだけで非常にわかりにくかったです。
市の予算が足りていないとか?
「やましろバス」の路線図を見てみると、JR奈良線の西側を並走するように県道70号上狛城陽線がルートとなっているようで、このあたりの県道70号は京都-奈良を繋ぐ歴史街道の旧奈良街道となります。
※ 画像は、木津川市役所公式HPより引用。
何時発なのかと発車時刻を調べているとちょうど「やましろバス」がやってきました。
車両は、日野ポンチョⅡ(形式HX9JLCE) ロングボディの2枚ドア
さぁ、気になるラッピングデザインを見ていきたいと思います。
発車直前だったので前方写真以外は乗り終えてからの撮影となりました。
恐らく標準カラーのホワイトに、切り取り文字だけのようです。
ドアがない右側のサイド部には、
木津川市コミュニティバス やましろバス
山城線 渋川西~木津駅と書かれています。
市内を流れる市名にもなった木津川を古代には泉川(いづみがわ)と詠んだことと平城京から遷都された恭仁京(くにきょう)が木津川市加茂町だったことにより生まれたイメージキャラクター「いづみ姫」。
コミバスのラッピングでその地のゆるキャラを知ることができるのも楽しみの一つだったりします。由来であったりどんな思い入れで描かれたのかなど。
そして、左側のドア部にも可愛らしい「いづみ姫」のイラストが描かれていました。
車内は至ってシンプルであまり張り紙やポスターもありませんでした。
コミバスって地域の病院やスーパーなどの情報を掲示されていることが多いのですが見当たりません。
そういえば病院やスーパーには停留場がないのも影響しているのかもしれません。
始発の木津駅、上狛駅、棚倉駅とJR奈良線に接続していますが、駅間であれば電車の方が便利ですしね。
現金のみの運賃箱は、集積ゴムローラーもなくただお金を入れるだけの簡素なもの。
過去に8回ほどコミバスに乗車してきましたが、交通系ICカードが使えないのは初めてだったかと思います。
運賃は、一律1回乗車で後払い方式となります。
一律なのに後払い方式っていうのも非合理的です。
大人(中学生以上)200円
小人(小学生)100円
幼児(1歳以上6歳未満)1人目は無料、2人目から100円
乳児(1歳未満)無料
ICカード使用不可・現金のみ
運行日:月曜~金曜
※土日祝、年末年始運休
運行時刻は、
第1便9:20発~最終第8便16:20発で、毎時20分に出発します。
出発してすぐに国道24号に入り、木津川に架かる泉大橋を渡ると木津川市木津町より木津川市山城町に入ります。
泉大橋の「泉」は先ほど紹介しました、古代・泉川が由来となっていると思われます。
上狛の茶問屋街に入り、これより県道70号上狛城陽線を北上します。
しばらく進んで行くと、車窓から穏やかな山城町の田園風景が広がっていました。
前方を見ていると、信楽山地の南西端稜線が見えます。
地理が好きなので、Googleマップで地形を確認します。
狭い県道筋を対向車と譲り合いながらコミバスは進んでいきます。
ドライバーの運転手は恐らく70代はゆうに過ぎておられる年配の方のようですが、かなり運転がお上手なので若い頃は大型バスを運転されていたのではないかと思いました。
少ししてJR棚倉駅に到着、高架ホームとなっているようで、改札は1階のようです。
JR棚倉駅の次の停留所・アスピアやましろでお揃いのジャージを着た卓球部の高校生と顧問の先生と思われる集団が降車していき乗客は私一人となりました。
実は車内でこの高校生たちの会話を聞いていた(耳に入ってきた)のですが、最初地元の学生だとは思えない内容だったので、
「もしや修学旅行の自由行動でコミバスを使うなんて”ツウ”だな」
なんて思いながら会話を聞いていました。
A子:「京都ってなんでこんなに田舎なんかな・・・」
JK B美:「そうよな・・・、東京に住んでみたいな」
JK A子:「でも東京なんて家賃は高いやろうし、ごみごみしていて住みにくいんちゃうかな?」
JK B美:「でもディズニーランドも近いしいいよな~」
JK A子:「でもやっぱり(住むには)この辺がいいわ」
私の心の声:
イントネーションが関西弁なので、関西の中学生?(この時は学校指定ジャージを着た中学生だと思っていた)
最後の「この辺がいいわ」ということはもしや地元の子?
降車するときにジャージの背中プリントの校名でわかったのですが、
まさか地元の高校生でした
「京都ってなんでこんなに田舎なんかな・・・」
木津川市も確かに京都府下ではあるけど、”京都”とひとくくりにしてはいかんよね。
地元民は、『”奈良県”木津川市』といわれるほど生活エリアとしては奈良市に依存していることは多々あると考えられます。
だけど大阪市内、京都市内まで30分なんて好立地条件だと思うよ。
「東京=家賃は高い、ごみごみしていて住みにくい」
ハイ!同感です。
住めば都(東京”都”だけに)かもしれないけど、私個人的には東京には住みたいとは思いません。出張で東京に行ったら地方出張に比べ2倍以上疲れてしまいます^^;
バス車内の乗客は私一人となりました。
東には連なる信楽山地が見えております。
夜景のキレイな万灯呂山(まんとろやま)展望台があるのはあの山かな?
少しして、終着の渋川西停留所に到着しました。
まったく土地勘の無いところですが、バス降車してすぐに鉄道遮断機が鳴る音が聞こえたので、音がする方向に向かっていくと、221系みやこ路快速京都行きが通過していきました。
JR西日本管轄内のみ運行している車両となります。
帰路はコミバスに乗らず、約2km先のJR玉水駅より電車に乗って戻ろうと思っているので、しばし線路沿いの道を歩きます。
実は、この辺りの地形を歩いて目で見て感じたかったからです。
先ほど降車した渋川西停留所は木津川市山城町となるのですが、少しして綴喜郡(つづきぐん)井手町に入ります。
上に見えるのは鉄道の廃線跡?それとも道路?に見えますが、天井川の渋川が流れる水路橋(すいろきょう)となります。
JR奈良線京都方面に並走する側道を進んで行くと、205系普通奈良行きが横を通り過ぎました。
山城町と井手町の町境である渋川(天井川)より800mほど北上すると同じく天井川の玉川の堤防に出てきました。平地を歩いていたと思っていましたが、輪中堤のような地形であったと思います。
玉川両岸を約500本の桜並木が花のトンネルをつくり「桜の名所」と言われる玉川堤ですが、過去に忘れてはいけない災害に見舞われているのです。
のちほどこの災害について触れたいと思います。
JR奈良線にオーバークロスする水路橋(以前は掘削隧道だったのかも?)の上に、先ほどの玉川が流れています。
この水路橋、知らないと道路が通っているように思いますよね。
歩いているとつくづく不思議な地形の場所で文章で説明するには難しい。
JR奈良線に架かる玉水跨道橋の横に各観光地までの道標が立てられていました。
あまり興味をそそりそうなところがなかったので寄り道はせず、このまま100m先のJR玉水駅に向かうことにします。
井手町の「井」がデザインされたマンホールを発見。
JR玉水駅に到着。
駅東口に水難記念の碑と巨石が置かれてあります。
かつてこの巨石は駅構内にあったのですが、2018年(平成30年)駅舎建替に伴い撤去するかどうか議論が交わされ、この場所に移設されたのだそうです。
1953年(昭和28年)8月14日深夜から15日未明にかけて、玉川堤防が決壊して激流で流れ着いた巨石なのです。重さはなんと6tもあるのだそう!
この災害は、南山城水害と名付けられています。
上流域・和束町の総雨量は428mmに達し、1年間で降る1/4の雨量が1日で降ったことで下流域・井手町を流れる玉川堤防が決壊し、死者290人、行方不明者140人、負傷者994人という未曽有の大災害が起きてしまったのです。
JR玉水駅よりJR木津駅まで戻ることにします。
2面2線のホームより京都方面を見てみると、複線であることがわかります。
奈良方面は分岐器ポイントより先は単線となっています。
奥に先ほど紹介した天井川・玉川のコンクリート製水路橋が見えています。
JR奈良線(京都駅~木津駅)において複線化工事が行われています。
1期複線化(京都~藤森5km、宇治~新田3.2km)
2期複線化(藤森~宇治9.9km、新田~城陽2.1km、山城多賀~玉水2km)
の全長20.2kmの工事は2022年冬までに完了されています。
※ 画像は、JR西日本公式HP「鉄道事業」より引用。
残る単線区間は、この玉水駅~木津駅までの12.5kmとなります。
今回のブログに紹介しましたように、北から順に玉川・渋川・天神川・不動川の4つの天井川がほぼ等間隔で東から西に流れる地域だけに、3期複線化工事は難航の予感しかありません。
3期工事はまだまったく手つかずであることが確認できたので、引き続き経過観察していきたいと思います。