昨日の厚生文教委員会報告の続きです。所管事務調査の中で、幼児教育・保育について様々な角度から調査をしております。
◯公立保育園での事故の件
前回取り上げた公立保育園での事故の件ですが、その後詳細報告がなかったのでそれを求めました。あわせて、民間保育園の事故を市がどこまで把握しているか?についても確認しましたが、はじめの答弁では「それは把握する術がない(把握していない)」という内容が、他の議員から法的な観点で指摘され「把握している」と覆し、よくわからない状況でしたので、市がどこまで把握しているのかを資料要求しておきました。
◯私立保育園とのネットワーク
市が公立保育園の民営化の根拠としている「今後の小金井市の保育行政のあり方に関する意見〜保育検討協議会報告〜」では、「公私を超えた市全体の保育の質」や「私立園とのネットワーク」が課題として挙げられていますが、その指摘以来特に状況は変わっていないんですよね…。この議論がはじまったのは2015年6月ですが、同年3月末時点で民間認可保育園は8園(こがねいデータブック2014より)、今や民間認可保育園は30園を超えていますね。
ここで言いたいことは、小金井市の保育は民間園に多くを担っていただいているという現状の認識が重要であることと、その民間園に対して市が充分な関わり方ができておらず、保育の質も丸投げ状態であることが問題だということです。
民間施設が悪いという話ではありません。実際に公立保育園も様々ですし、民間保育園のほうを選ぶ親も多いです。市は民間の認可保育園への監督権限を持っているにも関わらず、増える一方の民間園に対してその内容を把握することなく、積極的にコミュニケーションを取ることもなく、定期的な民間園長会をやっていることをもって「意見・要望を聴いている」と述べていますが、それでは不充分です。
保育園を利用する方からすれば、運営主体がどこであっても「市」に責任があるわけですから、小金井市という行政として、市全体の保育の質を維持・向上させていく取り組みが重要だと思います。この動きを「民営化してから具体的な動きをする」と市は方針を示していますが、それでは遅い。今から、できることを取り組んでいくべきだと思います。
◯園庭保有率、多摩地域で唯一ワースト10入り。これでいいの?
市民団体の調査によれば、小金井市の園庭保有率は45%で、多摩地域唯一ワースト10に入っているそうです。都内多摩地域では、国立や稲城、青梅、東村山が100%を誇っており、大きな差があるといえます。
全国の政令市と南関東の主要な都市で今年四月、認可保育施設に入所できた子どもの割合は平均74%だったことが、市民団体の調査で分かった。園庭のある認可保育所の割合は76%。市民団体は「昨年と比べ、入所割合はやや改善したが、園庭ありの割合は低下した」と指摘。施設整備が進む一方、子どもが伸び伸び遊ぶ環境の確保が課題になっている。 (柏崎智子)
乳幼児の保護者らでつくる「保育園を考える親の会」(東京都豊島区)が十三日、発表した。二〇〇一年から東京都、神奈川、千葉、埼玉県の主要な市区や全国の政令市を対象に毎年実施している。今回は計百市区を調査した。
認可保育所や小規模保育など認可保育施設に新規に申し込んだ子どものうち、入所できた割合(入園決定率)は、回答のあった七十九市区で平均74・2%。七十八市区が回答した昨年より1・4ポイント上昇した。最も高かったのが千葉県我孫子市の100%、最低は港区の48・2%だった。
一方、園庭のある認可保育所の割合(園庭保有率)は九十七市区が回答し、平均76・1%だった。八十九市区が回答した昨年より2ポイント低下した。特に都心部は深刻で、文京区は二割以下、港区、中央区も三割を切った。
一方、新潟、静岡、神戸市などの政令市や我孫子市、埼玉県上尾市などは100%備えていた。都内でも多摩地区の国立、稲城、青梅、東村山市が100%だった。
幼稚園と違い、法的には認可保育所は近くに公園があれば園庭はなくてもよいとされるが、会の普光院(ふこういん)亜紀代表は「一カ所の児童公園に周辺七カ所の保育施設が子どもを連れてきて、とても遊べる状況ではなかった様子も確認された」と語る。子どもが体を動かして心身を発達させる環境の保障を自治体は意識して施設整備を進めるべきだと指摘した。
(引用)東京新聞 「園庭なし」の認可保育所 都心で顕著 市民団体100市区調査
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201710/CK2017101402000133.html
市の答弁によれば、待機児童対策を優先される中において、園庭のスペースまでを両立させることが困難であるとのことです。私が言いたいことは、困難であることは承知としても、現在が多摩地域でワーストな状況である現実とも向き合い、できる改善や工夫を考えてもらいたいという問題提起でした。すべては、出来る限り子どもたちの最善の環境を整えるためにということです。
◯待機児童、ホントに来年4月に解消するのか?
さて、平成30年4月で待機児童解消という目標設定をしている小金井市ですが、果たしてどうなるのでしょうか。11月27日に、一次募集の申請状況が公開されており、実申込者数が年齢別でも出ているので一定の分析ができます。
昨年の同様の資料は以下の通りです。
細かい解説するほどのものではなないので割愛しますが、重要なのは0−2歳です。待機児童はここに集中しております。昨年の実申込み数と募集人数の差から割り出すと、計算上は100人程度の「待機児童?」が見込まれるのですが、あくまで机上の計算に過ぎません。昨年よりも実申込者は減っており、保育枠も拡充しているので何ともいえない状況です。引き続き、最新情報を取りながら、今後の対策についても市へ求めていきます。
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