週末土曜日の午後は、公民館自主講座・『小金井で「みんなの学校」をつくっていくには?』の第3回『「みんなの学校」今、私たちに出来ること』に参加して来ました(ようやく参加できた)。
会場は沢山の参加者。約40名の参加者は女子ばっかり!(ドキドキ)またモテ期が来るかなとかくだらないことも浮かぶも、東京学芸大学・高橋智先生の講演にすぐに引き込まれていきました。
▼北欧では、子どもの人権は少年院でも変わらない
高橋先生は定期的に海外視察にも行かれているそうです。今回事例(というか日本との比較の話として)挙げられたのが、スウェーデンのこちらでいう小中学校と、少年院でした。なぜ少年院?と思うかも知れませんが、高橋先生曰く「最も人権と無縁な極端なところへ行ってみるんです(笑)」とのことでした。確かに、極端(だと普通考えられる)な場所へ趣き、そこで子どもたちの人権がどういう扱いなのか、日本と最も比べやすいポイントなのかも知れないなぁ、とぼんやり思いました。
そこで、ある意味仮説が当たったのだと思いますが、日本との完全なる相違点を感じたといいます。向こうでは、少年院であっても(という表現は日本の現状を少なからず聴いているからです。ご了承ください)、大人たちが“子どもの声を丁寧に聴き、接している”実態があったと言います。日本では話しかけることはもとより、目を合わせることすらできない環境であることと比較して、普通に話をさせてもらえ、そこの子どもたちが自分の将来について考え、想いを話してくれるという、(日本的感覚では)とても考えられない体験だった、と紹介されていました。子どもの人権を重んじる文化が根付いているのでしょう。
▼個に応じた、ということはどういうことか
小中学校(向こうは9年間のカリキュラムで小中一貫校みたいなもの)では、一斉授業ではなく個に応じた教育を徹底してやっていることなど、教育というものの考え方の違いを改めて思い知らされました。
「学校の先生は、クラス25人(海外では25人がスタンダードだそうです)の個別の指導計画を立てることが最大の難題」であり、それに基づいて子どもたちは自分に合ったスピードと優先順位の付け方で勉強を進めます。クラスの中は、5-6人ごとに向き合ったテーブルの並べ方で、先生は必要に応じて、個別に指導をするスタイル。世田谷区へ聴きにいったオランダのイエナ教育の日本の実践事例なども思い出しながら、確かオランダもおんなじだったよな、と思い返して聴いていました。
「みんなの学校」の大空小学校の木村先生も引き合いに出されていましたけど、いかに「子どもの声」を聴き、その代弁者となるかということを強調されていたことが印象的です。いかに丁寧に接してもらって、大切にされているかを実感できるか、ということです。全く比較することではありませんが、教育以前に、私自身の我が子への接し方について、考えさせられもしました。
より特別な配慮が必要な子どもはより目をこらして接する。できるだけ、特別に分けることをしない。
高橋先生が冒頭でご紹介されていた日本の特別支援の現状は、「特別」と名のついた分離の単位が激増していっている、という点でした。
▼私たちにデキることは?
講演の後、「私たちにできることは?」について、1つの円になっての座談会。OECD加盟国中の教育予算割合の低さ、世界では25人学級が当たり前であること、特別な配慮が必要な子どもを「分ける」という概念、地域でお節介な人が不在となり緩い紐帯が崩壊している現状など、将来の子どもたちのために、何ができるでしょうか。個人でできること、地域単位でできること、学校を含めてできること、様々な意見が出ました。そうですよね、どうやったら先生方に「みんなの学校」を見てもらえるのでしょうか。どうしたら、地域の緩い紐帯を築き直すことができるのでしょうか。どうすれば、学校の中に地域の人が一緒になって入って子どもたちの下支えをしてあげられる仕組みがつくれるのでしょうか。
答えは1つではありません。私はまず、自分自身の子どもへの接し方を見つめなおすことから・・・(汗)
最後に、この場を企画して頂いたみなさん、そして海外から戻って本当にご多忙な中、貴重なお話をしてくださった高橋先生、本当にありがとうございました!
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