ショスタコーヴィチの時代 ⑤
この前、ニコラーエワのショスタコーヴィチのピアノのCDを聴いたあとで、ピアノ・ソナタ第2番のCDを検索していて、発見したのがこのCD。op13の格言集も入っているので、これは買うしかないと注文したのでした。
【CDについて】
作曲:ショスタコーヴィチ
曲名:ピアノ・ソナタ第2番ロ短調 op61 (27:27)
3つの幻想的舞曲 op5 (3.51)
5つの前奏曲(1921) (6:30)
7つの人形の踊り(1952)より、抒情的なワルツ (1:41)
映画音楽「馬あぶ」op97より、小品、スペイン舞曲 (4:22)
バレエ音楽「明るい小川」op39より、夜想曲 (2:17)
格言集 op13 (13:30)
バレエ音楽「黄金時代」op22より、ポルカ (1:54)
演奏:アシュケナージ(p)
録音:2003年4月23-24日(op61)、2003年9月11-12日(op61以外)
サフォーク Potton Hall
CD:UCCD-41069(レーベル:DECCA、販売:ユニバーサル・ミュージック)
【曲と演奏について】
まずは、このCDへの第一の期待ポイント、ピアノ・ソナタ第2番から始まります。これは、まさにアシュケナージの世界ですね。少し軽めで切れのいいタッチのピアノの音、少し鋭角的でもあります。音はキラキラ輝きますがそれも適度な輝きです。そして何より、とても叙情的なリリカルな演奏でした。最後まで静寂の世界に周りが包まれていきます。円熟の時代のアシュケナージの聴かせる技が光ります。3つの幻想的舞曲も同様に表情豊かなものでした。
そして、このCDで初めて聴く二つの曲集。5つの前奏曲は、音楽院時代に仲間と分担して作曲した24の前奏曲集の一部であったと言われています。いろいろなスタイルで作られているところが面白く、後年の24の前奏曲に繋がります。そして10の格言集。ショパンコンクールで思うような成績を上げられなかったショスタコーヴィチの復帰第一作なのですが、この時期はアバンギャルドの影響も受けているようです。短い曲集ながら、それぞれの副題と表現されている音楽をみてみれば、ここでショスタコーヴィチの皮肉屋の一面が噴出した形になっています。興味深い曲集でした。
このその他の部分は、いろいろなタイプの映画やバレエ音楽、言わば実用的な作品からの抜粋を、自身がピアノに編曲したものが多くを占めています。スペイン舞曲とかはいかにも普通ですし、ポルカはまさにショスタコーヴィチの音楽だという感じですね。いろいろな面が散りばめられている大変面白いCDでした。
何より円熟の時期にあるアシュケナージのリリカルな演奏が素晴らしいと思います。すでに演奏活動からは引退してしまったアシュケナージですが、本当にいいCDを残してくれました。
購入:2023/08/09、鑑賞:2023/08/16



















