レスピーギ:ローマの松/ローマの噴水/ローマの祭り マゼール/ピッツバーグ響 (1994) | クラシックCD 感想をひとこと

クラシックCD 感想をひとこと

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。
一言二言で印象を書き留めておきたい。
長い文章だと、書くことが主になってしまう。
その時の印象を大切に。

【CDについて】

作曲:レスピーギ

曲名:交響詩「ローマの松」 (22:02)

   交響詩「ローマの噴水」 (15:52)

   交響詩「ローマの祭り」 (25:22)

演奏:マゼール指揮 ピッツバーグ交響楽団 ニューマン(org)

録音:1994年4月26-27月 ピッツバーグ Heinz Hall for the Performing Arts

   1996年7月20日 ニューヨーク Church of St. Ignatius Loyola(オルガン)

CD:SRCR 1785(レーベル:SONY CLASSICAL、販売:Sony Records)

 

【曲に関して】

レスピーギの出世作であり、代表作であるローマ三部作。レスピーギの色彩的なオーケストレーションが発揮された作品です。三つの作品とも四つの場面で構成された交響詩ですが、場面は継続して演奏され、一楽章形式となっています。この中では、ローマの松が最も演奏機会が多いのでは?という印象ですが、それは松を描きつつ、その松が何世紀にも亘って見続けていたローマの歴史や情景を描いた作品となっています。

 

【演奏についての感想】

久しぶりにローマ三部作を聴いてみたくなりました。ということで、先日ヤフオクで買ったマゼールの新盤を取り出します。私はこの曲はめったに聴かなかったのですが、マゼールのCDを見て、面白そう!と思いました。レスピーギは、印象派と同時代に学び、リムスキー=コルサコフに管弦楽の教えを受けた、オーケストレーションの大家ですので、マゼールならそのツボをうまく表現してくれるのではと思ったのでした。たぶん、絶対面白いヤツです。

 

さて、演奏開始。ローマの松の派手なオーケストラで始まります。この感じ、なかなか満足度が高いですねぇ。ところで、ローマの松は中間の二場面がとても美しい緩徐楽章的な構成になっていたのですね。カタコンバからジャニコロにかけての静かで美しい場面は、この曲のなかなかの聴きどころでした。そして、アッピア街道の軍隊の華やかな進軍で、ローマの松は締められました。

 

ローマの噴水や、ローマの祭りの聴きごたえのあるオーケストラの音楽を楽しむことができました。噴水はどちらかと言えば叙情的な場面の多く、じっくり歌われます。そして、祭りは華々しく、趣向を凝らしたオーケストラの賑やかさが光ります。この三部作は、松が構成的にも内容的にも面白くて、祭りが華々しい管弦楽を楽しめるという感じかな?マゼールの演奏はとても聞かせ上手で、色彩豊かと思いますが、あまり他の演奏を聴いたことが無いので、比較というと意味ではよく解りません。

 

【録音について】ダイナミックレンジの大きな素晴らしい録音だと思います。レベルは低めで、オーケストラの音の色彩をしっかりとらえた録音だと思いました。

 

【まとめ】

「ローマの松」だけは実演で聴いたことがありましたが、三曲とも面白いオーケストラ作品であるということはよく解りました。祭りは聴くのが初めてかもしれません。自分的に新しい曲の新しいCDということで、文句なく楽しめました。

 

購入:2023/08/09、鑑賞:2023/08/14