シューベルト:交響曲第9番ハ長調 テイト指揮 ドレスデン・シュターツカペレ (1986) | ~Integration and Amplification~ クラシック音楽やその他のことなど

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学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。一言二言で印象を書き留めておきたい。その時の印象を大切に。
ということで始めました。
そして、好きな映画や読書なども時々付け加えて、新たな感動を求めていきたいと思います。

【CDについて】

作曲:シューベルト

曲名:交響曲第9番ハ長調 D944 (63:41)

演奏:テイト指揮、ドレスデン・シュターツカペレ

録音:1986年 ドレスデン Studio Lukaskirche

CD:3 29 177(レーベル:ETERNA)

 

【曲に関して】

この交響曲は、通称「グレイト」なのですが、この呼び方は、シューベルトの交響曲のうちハ長調の作品が第6番と第9番の2曲があり、第6番の方が小規模であるため「小ハ長調」と呼ばれ、第9番が「大ハ長調」と呼ばれることに由来します。つまりは、大きい方のハ長調という意味合いなのですが、シューベルトのこの曲への意気込みから考えると、グレイト(偉大)な交響曲というニュアンスでも充分通用する作品です。

 

【演奏についての感想】

何だか最近月に一回くらい新しいグレイトを聴いているような気がしてきましたが、今日はジェフリー・テイトさんの演奏です。当時のいろいろなCDのジャケットを見る限り、ステディな感じの印象で、真面目な?音楽が流れてきそうです。逆に、そこのところが面白みがなさげな気がして、私は今まで積極的に聴いていなかったのですが…。録音はEMIとドイツ・シャルプラッテンとの共同制作ということで、このCDは東独で発売されたものの方です。Made in DDRですね。ジャケットが地味ではあります。EMIでも同時期に発売されているので、そちらの方が一般的と思います。

 

さて、序奏が始まります。あまり溜めてニュアンスをつけるような感じは無く、あっさりめで進んでいきました。あれあれと思っているうちに、同じテンポでどんどん進んでいきます。それは、全く一定で、きっちりした感じがします。そして見事に加速して盛り上がり、主部に入っていきました。当たり前ですが、オーケストラがすごく揃っています。揃っていると意識してしまうくらい揃ってます。レガートとかは無しのようで、インテンポで歯切れよく進むからでしょうか。楽譜をパソコンに入れたらこうなるのでは?と思ったくらいです。

 

こう書くと、つまらない演奏か?という印象を与えてしまうかもしれませんが,それがそれがとんでもないのです。誇張して歌わせなくても、これがこの曲本来の魅力だというくらいに、自然に歌が溢れてきます。これはある意味聴いたことなくて、ちょっと驚きました。グレイトの根本的な美しさを示してくれる演奏ではないかと思いました。最後まで繰り返しもしっかり行い、天国的な長さの中に浸ることができました。ドレスデン・シュターツカペレの演奏も、そして録音も最高クラスのものだと思います。かなりテイトさん見直しました。

 

【録音に関して】

適度なと申しますか、見事にハマったルカ教会の残響と、ドレスデン・シュターツカペレの音を聴くことのできる録音だと思います。このCDのリマスターが出ていれば聴いてみたいと思います。

 

【まとめ】

いろいろ聴いたと思うグレイトなのですが、演奏は尽きないと思いました。それぞれのCDにそれぞれの感動があります。一方で、この演奏はドレスデンの音という要素も大きいでしょうね…。いいものを聴いたという感じです。

 

購入:2023/12/08、鑑賞:2024/02/06

 

このブログから、グレイトの記事をリンク。前回選ばなかったもの優先で(笑)。