マーラー:交響曲第4番 ブーレーズ クリーヴランドo バンゼ(s) (1998) | クラシックCD 感想をひとこと

クラシックCD 感想をひとこと

学生時代から断続的に聞いてきたクラシックCD。
一言二言で印象を書き留めておきたい。
長い文章だと、書くことが主になってしまう。
その時の印象を大切に。

【CDについて】

作曲:マーラー

曲名:交響曲第4番ト長調 (53:32)

演奏:ブーレーズ指揮、クリーヴランド管弦楽団、バンゼ(s)

録音:1998年4月 クリーヴランド Masonic Auditorium

CD:463 257-2(レーベル:DG)

 

【曲に関して】

マーラーの交響曲第4番は、天国的な美しさを持つ曲ですが、ワルターはこの曲を「天上の愛を夢見る牧歌である」とも表現しています。もともとは、「少年の魔法の角笛」の歌詞に基づいて「天上の生活」が作曲され、これを交響曲第3番に置く構想もありましたが、最終的にはこの「天上の生活」を最終楽章に置いて、前の三楽章を作曲する形で、この曲が成立しました。

 

【演奏についての感想】

ブログでも何回か登場したブーレーズのマーラーですが、今回第4番をGETしたので聴いてみました。もちろん期待大です。第4番はクリーヴランド管弦楽団の演奏ですね。さて、印象的な導入ですが、とても快調に感じます。この少々早めのテンポは落ちることなく軽快に進んでいきます。そして何と言っても音が美しいという印象が大きいです。これは録音とかそういった問題では無くて、この音を出しているのだと思いました。

 

適度に温かみのある、澄んだ美しい音で、最初から最後まで演奏されていると思います。演奏の表情もとても美しいもので、それは大きなニュアンスをつけながら美を強調するものではなく、曲そのものが持っている美を沸き立たせるような演奏ではないかと思いました。過度に見える表現は抑えたうえで、細かなニュアンスで音作りをしていると思います。盛り上がるところはしっかり盛り上がるのですが、上品に盛り上がっています。バンゼの歌もこれと溶け合っています。

 

ブーレーズは作り上げる音のイメージを、曲によって変えているのでは?と思いました。テンポや強弱は極めて普通に聴こえますが、ごく細かなニュアンスや音色、精緻なアンサンブルから、自然に曲の美しさや内容の濃密さが現れてきます。ねっとりした耽美ではなく、精緻に磨いた天上の美を追求しているのでは?と感じました。じっくり味わいたい演奏だと思います。

 

【録音に関して】

文句なく、素晴らしい録音です。DGではないみたい…(笑)。

 

【まとめ】

こういった音作りへのこだわりは、類型的な見方ではありますが、フランスの指揮者の特徴なのかなと思いました。ブーレーズもそうですが、デュトワとか、この前初めて聴いたロトもそういったこだわりが感じられました。まぁ、これは一概には言えないかもしれません…。

 

購入:2024/01/18、鑑賞:2024/01/21

 

ブーレーズのマーラーもこれで3曲目ですね。関連記事のリンクです。