2025年 8月 9日~11日の3日間、福岡県では線状降水帯が何度も発生して大雨特別警報が発表され、宗像市から北九州市にかけての県北地域の降水量が特に多くなった(3日間で線状降水帯は10回、記録的短時間大雨情報は福岡・佐賀・長崎・大分・熊本の5県で計25回発表された)。
総雨量では、宗像市では48時間雨量や72時間雨量が記録的なものになった一方で、県都である福岡市、地元の太宰府市、県南の筑後地区の中心である久留米市では 2021年 7月や 2023年 8月の豪雨に比べればはるかに少なかった。
太宰府市では特にニュースになるような被害はなかった。
久留米市では 2021年と 2023年に大規模浸水被害があったが、今回はごく一部のエリアにとどまった。
しかし、県内は新幹線の運休や高速道路の通行止めによる人の移動や物流に大きな影響が生じた。
今回の大雨の記録として、県内で最も降水量が多かった宗像市と、福岡市、太宰府市、久留米市の3日間の降水量を<表>にまとめた。
アメダス地点での観測値なので同じ市内でも<表>の値よりも多かった場所や少なかった場所があり、レーダー解析により1時間雨量が 100ミリを超えた(記録的短時間大雨情報の発出)場所もあった。
アメダス地点
宗像: 宗像市田熊
福岡: 福岡市中央区大濠(福岡管区気象台)
太宰府: 太宰府市大佐野
久留米: 久留米市津福本町
赤く塗られているのは太宰府市
<表>3日間の1時間降水量の推移と総雨量(ミリ)
赤値は激しい雨(1時間 30ミリ以上 50ミリ未満)
赤太値は非常に激しい雨(1時間 50ミリ以上 80ミリ未満)
宗像市の1時間降水量の推移
気象衛星赤外画像と雨雲レーダー画像(日本気象協会より)
10日 0時
10日 17時
宗像市で「9日から 10日へ日付が変わる前後の2時間」(最初の線状降水帯が発生)と「10日の 17時までの1時間」に非常に強い雨が降っていた時、他の3市ではそれほど降っていなかった。
また、福岡市で「10日の 19時までの1時間」に非常に強い雨が降っていた時、他の3市の降水量はそれほどではなかった。
このように、線状降水帯による雨量は観測地点が南北に少し離れているだけで大きく変わる。
上の<表>から、10日の夕方に宗像市で非常に激しい雨を降らせた線状降水帯は、南下しながらまず福岡市で激しい雨そして非常に激しい雨を降らせ、次いで久留米市で激しい雨を降らせたことが分かる。
その線状降水帯はさらに南下して 10日夜からは熊本県で災害をもたらす大雨を降らせた。
参考:10日から 11日にかけて線状降水帯が繰り返し発生した熊本県で2日間降水量が最も多かった玉名市(アメダス地点:玉名市岱明町中土)での2日間総雨量は 456.5ミリだったが、うち 375ミリが 10日夜から 11日未明にかけての7時間に集中したため大きな被害が出た。
10日 23時
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