福岡空港の着陸経路が変更されるかも | 俳句銀河/岩橋 潤/太宰府から

俳句銀河/岩橋 潤/太宰府から

自作俳句、太宰府、科学、音楽、オーディオ、吟醸酒、写真など
閲覧にはパソコン(デスクトップ、ノート、タブレット)を推奨
単なるフォローバック目的のフォローはお断りします

現在、福岡空港の通常 (南寄りの風) 時の着陸経路は経路 1 だが、北寄りの弱風で視界良好の場合には経路 2 になる (下図)。

 

経路 2 では春日市上空で左急旋回をしなければならず、北寄りの弱風で視界不良の場合や、冬の季節風や台風接近により北寄りの強風の場合は、安全のために空港の南東35kmほどまで南下し、そこで大きく旋回し、小郡市 ・ 筑紫野市 ・ 太宰府市 ・ 大野城市上空をゆっくり下降しながら直進する経路 3 になる (一昨日の台風8号接近時のタイ国際航空機もそうだった: 過去記事)。

 

なので、北寄りの弱風で視界良好の場合は、離陸機は経路 1 を逆向きに (海に向かって) 離陸し、着陸機は経路 2 を通る。

 

<3つの着陸経路>

 

しかし、現在、経路 3 で着陸する割合は約7%と少ない。

 

ところが ・ ・ ・。

 

【 以下は、西日本新聞の記事を引用しながら記載 】

 

福岡空港は、航空機の離発着数が国内4位にもかかわらず滑走路が1本(2800 m)しかなく、慢性的な過密スケジュールになっているが、長年の悲願だった滑走路増設の工事が2025年3月に完了する予定。

 

それに向けて、今年4月1日から空港運営事業者となった福岡国際空港株式会社が、航空機の着陸経路の変更を国土交通省に提案している。

 

国土交通省は、増設する滑走路を離陸専用に使用した場合でも需要 (離着陸数のこと) 増加を吸収できると判断していたが、地場連合は需要が国の想定より大きく伸びるとみて、増設滑走路を着陸にも使う前提で事業計画を策定。

 

この計画において、着陸の際、久留米市付近からの直進経路 (現在の経路 3) を常時使えるようになれば、急旋回する現在の経路 2 よりも着陸する航空機の間隔が狭められるため、経路変更の提案を盛り込んだ。

 

この提案が通れば、春日市付近で急旋回する経路 2 は使われなくなり、経路 3 で着陸する割合は25%前後に増えると推測される。

 

 

 2025.01.09 追記 

 

福岡空港の新滑走路(第2滑走路、2500 m)は、3月20日より供用開始となった。

 

しかし、国土交通省により国際線の離陸専用に限定された。

 

 

 2025.03.16 追記 

 

昨日、元福岡県知事の麻生渡氏が亡くなった。

 

知事在任中に新空港建設(有力候補地は新宮町沖)を掲げたが、国土交通省が消極的だったことと巨額の建設費に対する県民の拒否感から断念。

 

国土交通省により第2滑走路が国際線の離陸専用とされたため、当面1時間あたりの離着陸回数は現在の38回(年間 17万6千回)から40回(年間 18万8千回)へとわずかな増加に留まり、10年間で総事業費 1,643億円をかけた第2滑走路の増設効果は乏しかったと言わざるを得ない。

 

運営する福岡国際空港株式会社では1時間50回を目標とし、国土交通省では1時間45回(年間 21万1千回)を上限としているが、いずれも第2滑走路を着陸用にも使用し、南から着陸する時には 経路 3 を使う(経路 2 は廃止)ことが前提となっている。

 

第2滑走路が第1滑走路よりも西側に位置するので、経路 3 での着陸回数増加のためには空港南側の騒音対策対象地域が拡大する問題を解決しなければならない。

 

2本の滑走路共に 3000 m に満たない長さで、利用できる機体のサイズにも限界がある(エアバス A380-800 には 3350 m が必要)。

 

世界的な国際線需要の伸びとそれによる福岡の発展を考えれば、新空港建設を唱えた麻生元知事は正しかった。