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俳句銀河/岩橋 潤/太宰府から

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今日現在(7月24日)、南西諸島の南方に台風7号が、フィリピンのルソン島のすぐ西に台風8号があり、7号から南東へ離れた海域にある低気圧は今日中にも熱帯低気圧に変わる見込みで、今後台風(9号)になる可能性がある。

 

しかし、いずれの台風もそれほど発達しない見込み。

 

 

台風のエネルギー源である温かい水蒸気を供給する海の現況を earth で見てみる。

 

図1:最新の 22日21時の海面水温

 

図2:(比較)ちょうど1年前の海面水温

 

日本に来る台風のうち、非常に強い台風はフィリピンから東に離れた海域から沖縄付近を通過する進路を取ることが多い。

 

現在(図1)、北緯 20° 以南にあたるフィリピンの東海域の海面水温は 30℃ 以上(図の紫色の海域)あるが、台湾や南西諸島がある北緯 20°~30° にあたる海域の海面水温は 28~29℃ 台(赤~暗赤色)になっており、台風が非常に強い勢力(目安の中心気圧 950 hPa 以下)にまで発達して勢力を維持したまま北上して来ることが出来ない。

 

1年前(図2)、台湾や南西諸島がある海域の海面水温は 30~31℃(紫色)で、現在よりも高かった。

 

<気象庁による台風の強さの階級> 最大風速は10分間の平均値

   強い勢力:最大風速 33 m/s 以上 44 m/s 未満

非常に強い勢力:最大風速 44 m/s 以上 54 m/s 未満

  猛烈な勢力:最大風速 54 m/s 以上

かつては「弱い」や「並み」もあったが、現在は使われていない

米軍合同台風警報センターでは最大風速 67 m/s 以上をスーパー台風とよぶ(日本では正式な気象用語ではない)

米軍合同台風警報センターでは台風やハリケーンの最大風速を1分間の平均値で表すため、10分間の平均値よりも値が大きくなる

 

 

次に、現在の海面水温と過去の平均海面水温との差を示す「海面水温異常」の解析図(図3)を見てみる。

 

図3:海面水温異常(最新の 22日21時のもの)

 

フィリピンの東の海域は通常よりも 1℃ 前後高い赤色で示されているが、台湾や南西諸島と同じ緯度の海域は通常よりも 1℃ 前後低い青色で示されている(黒色は平年並み)。

 

2つの解析図から、南の海域で台風は出来るものの、台風がさらに発達を続けるために必要なエネルギーを得られていないことが分かる。

 

台風シーズンはまだ2か月以上あり、この海の状態が今後どう変化するか注目していきたい。

 

 

 

後日記事

 

 

12日未明、北海道南西部松前郡にある福島町の三岳地区で新聞配達員の方がヒグマに襲われて亡くなった。

 

目撃者によると、配達先の玄関付近で襲われ、少し離れた藪まで引きずられていったとのこと。

 

この報道で、今朝7時の NHK ニュースでは「体に引っ掻かれたような傷が複数確認された」と伝えていたが、今日の西日本新聞朝刊では「全身にヒグマとみられる爪痕、腹部を中心にかまれた痕があった」となっている。

 

これらの報道内容には大きな差がある。

 

ヒグマが被害者を藪まで約 100 m も引きずっていったとなれば、ヒグマが反射的に攻撃しただけというより、被害者を獲物として認識していたと考えられる。

 

朝刊にある「腹部を中心にかまれた痕」の記述は、クマがヒトを食害する部位は筋部(大腿・上腕・臀部・腹部など)であることと合致する。

 

ヒグマに引きずられていた被害者は「助けて」と言っていたとの目撃証言(昨日のテレビ朝日の報道)もあり、引きずられていた間は存命で、腹部を噛まれたのは藪の中でだろう。

 

しかし、NHK ニュースでは引っ掻かれた痕だけしか述べておらず、視聴者がヒグマは反射的に攻撃しただけではと受け取るおそれがある。

 

悲惨な事故だが、ヒグマの危険性を矮小化するおそれのある報道の仕方はいけない。

 

ヒトの生活圏に入り込んだヒグマがいかに危険かを正しく伝えられるように。

 

一度ヒトを食害したクマは、ヒトを弱くて捕獲しやすい獲物として学習し、繰り返し襲う可能性が高いことから、今回の加害ヒグマの1日も早い捕獲・殺処分を願う。

 

今回の事故後に藪を伐採している映像が流れていたが、街中でのクマの目撃がある自治体では、クマが潜めるような藪・草地をなくす対応が求められる。

 

事故現場となった福島町三岳地区の周辺地図を Google マップで見てみる。

 

 

福島町の南は津軽海峡に面しているが、市街地は海岸から内陸へ進むにつれて細長くなり、事故現場となった三岳地区は市街地の東に山が迫り、市街地の反対側(西側)の檜倉地区も山ばかりだと分かる。

 

山に挟まれた三岳地区の市街地の幅は 500 m もない。

 

この地理的条件では、ヒグマは市街地に容易に侵入し、かつ、山へ逃げ込むことが出来る。

 

 

 

18日追記

 

18日未明、福島町月崎地区で住民から警察にヒグマ目撃の通報があり、ハンターが体長 208 cm、体重 218 kg の雄ヒグマ1頭を駆除した。

 

三岳地区での事件を起こしたヒグマと同一個体かどうか DNA 解析をするとのこと。

 

月崎地区(下画像の線で囲んだ部分)は福島町の南部にあり海に面している。

 

駆除されたヒグマは福島町の市街地で最も開けた地区に侵入し、危険が差し迫っていたことが分かる。

 

 

18日の夜になって新たな情報。

 

12日の三岳の事件を起こしたヒグマが残した体毛の DNA 分析の結果、4年前に同じく福島町の白符地区で77歳の女性を死亡させたヒグマの体毛のものと一致した。

 

当時、女性の遺体は藪の中で草がかけられた状態で見つかった。

 

有名な三毛別羆事件での最初の被害者である女性の遺体も、ほとんどを食害されて木の根元に埋められていたが、それは保存食にするための行動。

 

 

 

19日追記

 

DNA 解析の結果、18日未明に福島町月崎地区で駆除された個体が、12日未明に福島町三岳地区で事件を起こした個体と同一であることが判明した。

 

福島町に駆除したことに対する苦情の電話をしている者たちがいるそうだが、そのような愚か者たちに自治体職員が振り回される現状は何とかならないものか。
 
カスタマーハラスメントへの対応策を、すべての自治体で早急に設定する必要がある。
 
 
 
23日追記
 
4年前に白符地区で犠牲になった女性の遺体は上半身がなかったとの証言が報道された。
 
今回駆除されたヒグマがヒトを獲物として認識していたことは間違いない。

今朝の NHK ニュースによると、米国テキサス州を襲った大規模洪水による死者が 100人を超えた(CNN では 104人との報道)。

 

NHK のニュース画面

 

 

危惧していた事態が早速起きたかとの思い。

 

第2次トランプ政権は政府機関の縮小・統合・廃止を進めており、それは気象関係機関にも及んでいる。

 

 

 

The New York Times の7日の報道の一部とその日本語訳

(ここから)

The rural county of a little over 50,000 people, in a part of Texas known as Flash Flood Alley, contemplated installing a flood warning system in 2017, but it was rejected as too expensive. The county, which has an annual budget of around $67 million, lost out on a bid at the time to secure a $1 million grant to fund the project, county commission meeting minutes show.
テキサス州のフラッシュ・フラッド・アレーとして知られる地域に位置する人口5万人強のこの田舎の郡は、2017年に洪水警報システムの設置を検討したが費用が高すぎるとして却下された。郡委員会の議事録によると、年間予算約6,700万ドルのこの郡は、当時、このプロジェクトのための100万ドルの助成金獲得を目指していたが、入札に敗れた。


As recently as a May budget meeting, county commissioners were discussing a flood warning system being developed by a regional agency as something that they might be able to make use of.

つい最近の5月の予算会議でも、郡委員会は地域機関が開発中の洪水警報システムを活用できる可能性があるとして議論していた。


But in a recent interview, Rob Kelly, the Kerr County judge and its most senior elected official, said that local residents had been resistant to new spending. “Taxpayers won’t pay for it,” he said, adding that he didn’t know if people might reconsider now.

しかし、最近のインタビューで、カー郡の裁判官であり郡の最高位の公選職員でもあるロブ・ケリー氏は、地域住民が新たな支出に抵抗していると述べた。「納税者には(洪水警報システム導入の)費用を負担する意思がない」と彼は言い、「人々が今になって考え直すかどうかは分からない」と付け加えた。


The idea of a flood warning system was broached in 2015, in the aftermath of a deadly flood in Wimberley, Texas, about 75 miles to the east of Kerrville, the Kerr County seat.
洪水警報システムの構想は、テキサス州カー郡庁所在地カービルの東約75マイル(約120キロメートル)にあるウィンバリーで発生した致命的な洪水の結果、2015年に提案された。

(ここまで)

 

 

過去に洪水で大きな犠牲を出したにもかかわらず、住民は警報システム導入のための負担に反対した。

 

政権も住民も危機回避・安全に対する費用を惜しんだことによる取り返しのつかないツケと言うべきか。

 

 

 

追記

 

8日(現地の日付)、テキサス州知事は「これまでに 109人死亡、最も被害が大きいカー郡だけで安否不明 161人」と発表。

昨年夏は世界規模の海洋熱波により日本周辺海域の表面水温が異常高温になり、気象そして陸・海の生態系に大きく影響した。

 

 

海面水温の異常高温は昨年後半から次第に収まりつつあったが、ここへきて再び著しくなっている。

 

気象解析・予報サイト earth でこの1年間の海面水温異常の様子を3か月おきに見てみた。

注)以下の解析図は海面水温の平年比を示す

  黒色:平年並

  暗赤色→赤色→橙色→黄色→淡黄色:右ほど異常高温

  暗青色→青色→水色→コバルト緑色:右ほど異常低温

 

三陸沖海面水温の異常高温はサケ・サンマ・タラ・ニシンなど寒流魚の漁獲量に影響する。

 

2024年7月1日の海面水温異常

 

2024年10月1日の海面水温異常

海面水温の異常高温の程度が著しい黄色の海域が広がった

 

2025年1月1日の海面水温異常

海面水温の異常高温が弱まり、異常低温の海域も表れていた

 

2025年4月1日の海面水温異常

海面水温の異常高温がさらに収まる傾向にあった

 

2025年7月1日の海面水温異常(この記事の2日前)

海面水温の異常高温の海域が広範囲に広がってきている

日本周辺

広域(北太平洋)

 

海面水温の異常高温は海面からの活発な蒸発を招き、夏から秋にかけては大雨が、冬には大雪が頻発するおそれ。

 

先ずは、この夏を注意して。